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日本のクラシック音楽をけん引した「世界のオザワ」こと、指揮者の小澤征爾(おざわ・せいじ、1935-2024)さん。
このシリーズでは、小澤征爾さんの録音で50人の作曲家にふれながら、クラシック音楽の歴史を旅します。
この機会に「クラシック音楽を聴いてみよう」という方向け、クラシック入門シリーズです。
シリーズ一覧はこちらのページで確認できます。
目次(押すとジャンプします)
フランツ・シューベルト
“ 歌曲の王 ”シューベルト
ベートーヴェンに深く心酔し、奇しくもベートーヴェンが亡くなった翌年に自身も亡くなってしまったフランツ・シューベルト(Franz Peter Schubert, 1797-1828)。
彼は、およそ600曲という膨大な歌曲を生み出したことで“ 歌曲の王 ”と呼ばれています。
中学生時代、学校で習う「魔王」に夢中になったひとも多いはず。
31年の生涯で、歌曲以外の作品もあわせると、およそ1000曲の作品を書いたとされています。
変化した作曲家像
シューベルトは、ここ数十年で、その作曲家像がいちばん大きく変貌した作曲家のひとり。
以前は、家庭的な音楽、小ぶりな音楽をたくさん書いた作曲家というイメージでした。
現在は、もっとずっと大きな作曲家として捉えなおされています。
特に体調を崩しはじめてからの晩年期の作品には、どこか破滅的で、人生の深淵をのぞきこむような瞬間があって、私たち現代の聴き手に強く訴えかけるものを持っています。
ロマン派のはじまり
ベートーヴェンの葬儀に参列したあと、友人たちと立ち寄った酒場で、「このなかで、いちばん早く死ぬ者に乾杯!」と、シューベルトは献杯の音頭をとったそうです。
友人たちは不吉な予感をおぼえ、実際、彼はその翌年に亡くなってしまいました。
そうしたエピソードが物語るように、シューベルトの作品のいくつかには、破滅的な響きが潜んでいます。
シューベルト(Franz Peter Schubert, 1797-1828)の人生は、ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven、1770-1827)の後半生とほとんど重なってしまうわけですが、それでも、シューベルトを「ロマン派」の作曲家とするのは、音楽の語るものが変わってきていることを示しています。
小澤征爾さんで聴くシューベルト
(1)未完成交響曲
交響曲第7(8)番「未完成」は、シューベルトのオーケストラ曲でいちばん有名な作品でしょう。
書いている途中で死んでしまったと勘違いされがちですが、そういうわけではありません。
理由はわかっていませんが、途中でやめてしまっただけで、実は、シューベルトには未完成の作品がほかにもたくさんあります。
この作品にも、シューベルトの破滅的な側面が表れているように感じます。
ベートーヴェンの「運命」のところでもご紹介した、32歳の小澤征爾さんがシカゴ交響楽団と1日のセッションで仕上げた録音からどうぞ。
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(2)交響曲第8番「グレイト」
シューベルトは、「未完成」の後におおきな傑作を書きあげました。
それが交響曲第8(9)番ハ長調「ザ・グレイト」です。
この作品は、作曲はされたものの演奏されず、シューベルトの死後10年以上たって、シューマンが偶然に楽譜を発見、メンデルスゾーンの指揮で初演されたという、すごいエピソードをもっています。
小澤征爾さんは、サイトウ・キネン・フェスティバル松本が5周年をむかえた1996年、サイトウ・キネン・オーケストラと録音しています。
ここでは、フィナーレである第4楽章からご紹介します。
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オンライン配信の聴き方
♪このブログではオンライン配信の音源も積極的にご紹介しています。
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判断基準はあくまで主観。これまでに実際に聴いた体験などを参考に選んでいます。
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