クラシック音楽のコンサートはもともと発売時期もいろいろですし、昨今はコロナ禍とウクライナ情勢で、情報公開がとてもゆっくりになっています。
なので、このページは随時更新をしていきます。
どうぞ、ときおりご覧になってください。
初心者に体験していただきたい、本格的なクラシック・コンサートを選んでご紹介しています。
こちらでは2023年の5月をご紹介。
そのほかの月はそれぞれ別ページに記載していますので、『コンサートに行こう!お薦めの演奏会』のページから移動をおねがいします。
Contents
- 1 曲目ではなく、演奏者で選ぶのがクラシック・コンサート
- 2 主観で選んでいます
- 3 初心者の方へのアドバイス
- 4 どのコンサートに行くか迷ったらノット&東京交響楽団へ
- 5 お願い
- 6 5月のおすすめコンサート
- 7 ラ・フォル・ジュルネTOKYO2023 「ベートーヴェン!」(東京)
- 8 ★🔰高関健 指揮 富士山静岡交響楽団 クラシック・ポップス・コンサート(静岡)
- 9 ★ミハイル・プレトニョフ指揮 東京フィルハーモニー(東京)
- 10 井上道義 指揮 名古屋フィルハーモニー(愛知)
- 11 ★マルタ・アルゲリッチ(piano) ディエゴ・マテウス指揮 水戸室内管弦楽団(茨城・東京)
- 12 マルタ・アルゲリッチ(ピアノ) ミッシャ・マイスキー(チェロ) チョン・キョンファ(ヴァイオリン) 「別府アルゲリッチ音楽祭」(大分県)
- 13 ★ジョナサン・ノット指揮 東京交響楽団 R・シュトラウス:「エレクトラ」(東京・神奈川)
- 14 ★ジョナサン・ノット指揮 東京交響楽団
- 15 山下一史 指揮 大阪交響楽団(大阪)
- 16 飯森範親 指揮 日本センチュリー交響楽団 ハイドンマラソン(大阪)
- 17 ピエタリ・インキネン指揮 日本フィルハーモニー交響楽団(神奈川・東京)
- 18 🔰井上道義 指揮 京都市交響楽団(京都)
- 19 ★高関健 指揮 五嶋みどり(Vn) 仙台フィル50周年記念特別演奏会(宮城)
- 20 ファビオ・ルイージ指揮 NHK交響楽団(東京・京都)
- 21 高関健 指揮 群馬交響楽団(群馬)
- 22 マティアス・バーメルト指揮 札幌交響楽団(北海道)
- 23 外山雄三 指揮 パシフィックフィルハーモニア東京(東京)
- 24 ★🔰松田華音 ピアノ・リサイタル(広島)
- 25 尾高忠明 指揮 東京都交響楽団 &アンナ・ヴィニツカヤ(東京)
- 26 上岡敏之 指揮 読売日本交響楽団(東京)
曲目ではなく、演奏者で選ぶのがクラシック・コンサート
初めてコンサートに行くとなると『モルダウ』や『運命』といった聴いたことがある曲目で選びたくなりますが、そうではなくて、まずは誰が演奏するのかで選びましょう。
わかりやすく例えると、美味しいものが食べたければ、メニューより前に、美味しいお店を探すことが大切なのと同じです。
とはいっても、初心者であればあるほど、演奏者や指揮者の名前なんて知らないと思います。
そこで、このブログでは、クラシック音楽が大好きな私が、あくまで主観的に、自分でもチケットを買いたいと思う、お薦めのコンサート情報を厳選して掲載しています。
場所もクラシック・コンサートが集中する東京、関東、首都圏にこだわらず、北海道、東北、中部、近畿、関西、四国、中国、九州、沖縄まで、自分がそこに住んでいたら「行ってみたい!」と思う、とにかく気になるものを素直にピックアップしています。
主観で選んでいます
判断基準は、あくまでも、自分がこれまで実際に聴いたときの体験などの「主観」にもとづいています。
その分、しがらみや忖度はありません。
クラシックをふだん聴かない方は名前も知らないような演奏家がずらっと並んでいるかもしれませんが、「クラシック音楽と向き合ってみたい!」という方に多少なり参考になればと選んでのものです。
初心者の方へのアドバイス
とくに重要なことは、
- いきなり高いチケットを買わない
- 当日券ではなく、前売りで買う の2点です。
クラシック・コンサート初心者がいきなり高い席を買うのはお薦めしません。
理由は簡単で、クラシックのコンサートはハズレも多いからです。
私は結構コンサートに通っている方だと思いますが、いまだに予想を裏切られて、「つまらなかった…」とがっかりして帰ってくることがあります。
クラシック初心者の方が、そうした「つまらない」コンサートに当たってしまい、「クラシックって、こんなもんか」と思われてしまうのが嫌で、少しでも当たりをひく確率が上がればと、このページを作っています。
また、「前売り」については、一般的には、だいたい3~6か月前くらいにチケットの発売が開始されます。
半年先というとずいぶん先に思えるかもしれませんが、人気の公演はそれでも完売してしまいますし、最後に残るのはたいてい高い席です。
「高いお金を出したのにハズレだった」としたら、二度と行きたくないのが人情です。
ですので、初めのうちほど、まずは手ごろな価格で、なるべく早めに前売り券を手に入れておきましょう。
こうした話を、「コンサートの選び方&チケットの買い方【初めてのクラシック・コンサート】」というページにまとめています。
さらには、チケットを手に入れたあと初心者の方が気になるであろう、「クラシックコンサートに行くときの服装」のことなどは、「コンサート当日の不安を解消!服は何を着る?持ち物は?【初めてのクラシック・コンサート】」というページにまとめています。
どのコンサートに行くか迷ったらノット&東京交響楽団へ
関東圏と新潟に限られてしまうのですが、このブログでは、どのコンサートに行くか迷ったら、まずはジョナサン・ノット指揮する東京交響楽団のコンサートへ行ってみることをお薦めしています。
日本には、世界の名門オーケストラがたくさんやってきますが、当然、どれもチケット代は高額に設定されます。
このブログでは、初心者の方に、1万円を超えるようなチケットをいきなり買うことはお薦めしていません。
理由は簡単で、世界最高峰の名門と言えども「ハズレ」の公演があるからです。
国内のオーケストラにも、世界の名門に肉薄するような演奏を展開する瞬間がありますので、まずは、それを体験してほしいので、その代表格であるジョナサン・ノット&東京交響楽団のコンビをお薦めしています。
ジョナサン・ノットは1962年イギリス生まれの指揮者で、現在、東京交響楽団の音楽監督をつとめています。
このノット&東京交響楽団のコンビが日本のクラシック界に与えている刺激は、たいへんなものがあります。
彼らのコンサートがすべて素晴らしいとまでは私も言い切りませんが、でも、「当たる」確率は非常に高いです。
一点、初心者にとってハードルがあるとすれば、彼らのコンサートは演目がかなり本格的で、「運命&新世界」みたいなプログラミングの真逆を行くことです。
そこは、聴く側にも覚悟が求められています。
10シーズン目を迎えるこのコンビのコンサートは、5月、7月、10月、11月、12月に予定されています。
お願い
コロナ禍とウクライナ情勢の影響で、公演の有無をふくめ、コンサートの日時、チケット発売日、曲目の変更、出演者の変更などなど、急な変更が日々いろいろ発生しているのが現状で、個人ではとても追い切れないものがあります。
ですので、こちらのページはあくまで大まかな地図としてお役立ていただいて、詳細は各公式サイト・各プレイガイドで必ず確認をお願いします。
個人で集めている情報ですので、記載ミスなどもあるかもしれません。その際にはどうぞご容赦ください。
5月のおすすめコンサート
コンサートはだいたいの日付順で掲載しています。
🔰=「曲目もスタンダードで入門に最適」マーク
★=「今月、とくにコレに期待」マーク
演奏家の写真=関連のあるAmazon商品ページにリンク、著作権上問題のないものを使用しています。
また、このブログではオンライン配信の音源も多くご紹介しています。
オンライン配信の聴き方については、「クラシック音楽をオンライン(サブスク定額制)で楽しむ~音楽好きが実際に使ってみました~」のページにまとめています。
ラ・フォル・ジュルネTOKYO2023
「ベートーヴェン!」(東京)
5/4(木・祝)~6(日)@東京国際フォーラム
(公演詳細ページ)
お薦めPOINT♪
日本最大級のクラシック音楽のイベントが4年ぶりに開催されます。
クラシック音楽を広めようとしているはずなのに、どうして会場が東京国際フォーラムなのか…、それが常にひっかかりを覚える音楽祭です。
ただ、「クラシック音楽にも触れられるイベント」と捉えれば、これはやはり、ゴールデンウィークを彩る、楽しいお祭りのひとつ。
このイベントを楽しもうという方は、①ホールAは避けて、ホールC・ホールDの公演からコンサートを選ぶ ②多くても2公演までにしぼる ③時間に余裕をもって、無料のイベント・パフォーマンスをたくさん楽しむ というスタンスを忘れずにお出かけください。
そうすれば、この音楽イベントをきっと楽しむことができると思います。
今年は、ジャン=クロード・ペヌティエ、アンヌ・ケフェレック、アブデル・ラーマン・エル=バシャ、ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ、広瀬悦子さんら、それぞれの名ピアニストによる公演、ハンソン四重奏団による弦楽四重奏、ガイスター・デュオによるピアノ連弾(田園交響曲のピアノ連弾版!)、エリプソス四重奏団というサックスのカルテットによるベートーヴェンなどが要注目かと思います。
ただ、このイベントは、例年通りですと、ホールC・ホールDの公演は、あっという間に売り切れてしまって、たいてい、ホールA(5000人規模はあまりに広すぎます‥)の公演しかチケットは残りません。
もし、チケットを買おうとした段階で、ホールAの公演しか残っていなかったら、今年は見送って、ほかのコンサートに投資することを強くお勧めしたいです。
★🔰高関健 指揮
富士山静岡交響楽団
クラシック・ポップス・コンサート(静岡)
5月6日(土)14:00@しずぎんホールユーフォニア
(公演詳細ページ)
【オール・モーツァルト・プログラム】
交響曲第35番 ニ長調 K.385「ハフナー」( ♫ 鑑賞ガイド )
ファゴット協奏曲 変ロ長調 K.191
Fg:岡本あけみ(首席ファゴット奏者)
交響曲 第41番 ハ長調 K.551 「ジュピター」( ♫ 鑑賞ガイド )
お薦めPOINT♪
進境著しい、高関健さんと富士山静岡交響楽団のコンビによるコンサート。
ポップス・コンサートと銘打たれていますが、このコンビはあくまでクラシックにこだわっていて、安易にトトロやスターウォーズに逃げないところが好きです。
今回はモーツァルトの傑作が集められていて、初心者でも安心のプログラムです。
高関健さんは非常に誠実で堅実な指揮をされる方なので、こうしたモーツァルトの名曲にはほんとうにうってつけの方です。
お薦めです!
★ミハイル・プレトニョフ指揮
東京フィルハーモニー(東京)
5/10(水)19:00@サントリーホール
(公演詳細ページ)
5/12(金)19:00@東京オペラシティ
(公演詳細ページ)
5/14(日)15:00@オーチャードホール
(公演詳細ページ)
【オール・ラフマニノフ・プログラム】
幻想曲『岩』
交響詩『死の島』
交響的舞曲
お薦めPOINT♪
ロシア出身の名ピアニストにして名指揮者のミハイル・プレトニョフと東京フィルのコンサートは、私がジョナサン・ノット&東京交響楽団と同様に期待しているコンビです。
今回は、彼らによるオール・ラフマニノフ・プログラム。
2023年はセルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)の生誕150周年の記念年ですので、こうしたコンサートが多く企画されています。
それらの中でも、これはとくにお薦めなものです。
ラフマニノフの最初期の作品である『岩』にはじまって、ラフマニノフ最後の作品である『交響的舞曲』におわるというプログラム。
有名なピアノ協奏曲などを挟まないあたり、かなり正面からラフマニノフ像に迫ろうという気概を感じる選曲です。
反面、初心者向けというよりは、ある程度、ラフマニノフに親しんだひと向けかもしれません。
※プレトニョフは、9月にピアニストとしても来日して、ラフマニノフ:ピアノ協奏曲の全曲チクルスをおこないます。
プレトニョフは、一連のウクライナ情勢に対して距離を保ったことが要因で、彼が創設したロシア・ナショナル管弦楽団の音楽監督を一方的に解任されたというニュースが報じられています。
そんな彼が2022年、新しくスロヴァキアで創設したというオーケストラが、その名も「 ラフマニノフ・インターナショナル・オーケストラ the Rachmaninoff International Orchestra 」。
ラフマニノフへの思い入れの強さを感じるプレトニョフによる、記念年を彩る濃厚なコンサートです。
( Apple Music↑ ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)
2022年の6月に聴いたこのコンビのコンサートレビューは「“ いま ”、ロシアの指揮者でロシア音楽を聴く~プレトニョフ指揮 東京フィル演奏会」という記事にしています。
井上道義 指揮
名古屋フィルハーモニー(愛知)
5/12(金)18:45@愛知県芸術劇場コンサートホール
5/13(土)16:00@愛知県芸術劇場コンサートホール
(公演詳細ページ)
バルトーク:ルーマニア舞曲 Sz.47a, BB 61
バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番 Sz.112, BB 117
(Vn, 服部百音)
クセナキス:ノモス・ガンマ
ラヴェル:ボレロ( ♫ 鑑賞ガイド)
お薦めPOINT♪
2024年末での引退を発表している井上道義さんが名古屋フィルの定期演奏会に登場。
〈継承されざる個性〉というテーマが掲げられた公演で、各作曲家の独創的な作品があつめられています。
個性的な作品を集めつつも、親しみやすい旋律をもつバルトークのルーマニア民族舞曲ではじめて、超有名曲のラヴェル:ボレロで終わらせるあたりは、ほんとうにプログラミングが上手だと思います。
井上道義さんらしい「熱狂」的なボレロを期待したい公演です。
★マルタ・アルゲリッチ(piano)
ディエゴ・マテウス指揮
水戸室内管弦楽団(茨城・東京)
5月13日(土)19:00@水戸芸術館
5月14日(日)15:00@水戸芸術館
(公演詳細ページ)
5月16日(火)19:00@東京オペラシティ
(公演詳細ページ)
プロコフィエフ:交響曲第1番ニ長調 「古典」
ストラヴィンスキー: 組曲「プルチネッラ」( ♫ 鑑賞ガイド )
コダーイ: ガランタ舞曲
ラヴェル: ピアノ協奏曲ト長調
お薦めPOINT♪
ピアノの女王、マルタ・アルゲリッチを総監督におこなわれる「別府アルゲリッチ音楽祭」。
昨年にひきつづき、関東圏でも水戸室内管弦楽団との公演が関連公演として開催されます。
アルゲリッチが演奏するのは、得意のラヴェル:ピアノ協奏曲です。
全3楽章でおよそ20分ほどの曲。
フランスの大作曲家ラヴェル(1875-1937)が晩年に完成した最後から2番目の作品で、ジャズの語法も盛り込まれた、軽妙にして繊細な、ピアノ協奏曲の傑作です。
アルゲリッチはすでに御年81歳ですが、昨年のリサイタルを実際に聴いたかぎり、いまだ「ピアノの女王」の名に恥じない演奏を展開されています。
特に、そのタッチの精妙さには、きっと生涯忘れることがないほどの感銘を受けました。
水戸芸術館の公演は、いちばん安いチケットでも¥12,000~と高額ですが、座席数が650席前後の小さなホールなので、とても親密な空間でアルゲリッチの音に直に触れられます。
マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)
ミッシャ・マイスキー(チェロ)
チョン・キョンファ(ヴァイオリン)
「別府アルゲリッチ音楽祭」(大分県)
5月21日(日)16:00@J:COMホルトホール大分
(公演詳細ページ)
シューベルト: 弦楽五重奏曲 ハ長調 op.163 D956 と、
ショスタコーヴィッチ:ピアノ五重奏曲 ト短調 op.57
or ドヴォルザーク:ピアノ五重奏曲 イ長調 op.81のいずれか1曲
マルタ・アルゲリッチ(piano)、ミッシャ・マイスキー(Vc)、エール弦楽四重奏団
5月23日(火)19:00@ビーコンプラザ フィルハーモニアホール
(公演詳細ページ)
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
ドビュッシー:チェロ・ソナタ ニ短調
ショパン:チェロ・ソナタ ト短調 op.65
マルタ・アルゲリッチ(piano)、ミッシャ・マイスキー(Vc)、チョン・キョンファ(Vn)
お薦めPOINT♪
ピアノの女王、マルタ・アルゲリッチの名前を冠した音楽祭「別府アルゲリッチ音楽祭」(公式HP)の公演から、アルゲリッチ本人が出演する室内楽公演をピックアップしました。
室内楽というのは、クラシック音楽のエッセンスのようなジャンルであって、それだけに、かなり演奏の水準が高くないと、聴いていて満たされない、難しいジャンルです。
その点で、アルゲリッチが世界各地で主催し、本人が参加する室内楽公演は、どれも最高の品質保証がついているようなものです。
今回は、韓国の大ヴァイオリニスト、チョン・キョンファが共演するということで話題になっています。
チェロのミッシャ・マイスキーもチョン・キョンファも、どちらも1948年生まれなので、音楽祭の時点で御年75歳ということになります。
演奏家として、技術面での絶頂期は過ぎてしまっていると思いますが、音楽的な深まりをみせる円熟期でもあるわけで、若いころとは違う、年齢を重ねたからこその、円熟の室内楽を期待したい公演です。
★ジョナサン・ノット指揮
東京交響楽団
R・シュトラウス:「エレクトラ」(東京・神奈川)
5/12(金)19:00@ミューザ川崎
(公演詳細ページ)
5/14(日)14:00@サントリーホール
(公演詳細ページ)
R・シュトラウス:『エレクトラ』演奏会形式
お薦めPOINT♪
ジョナサン・ノット&東京交響楽団によるコンサート形式のオペラ・シリーズ。
2022年の11月からR・シュトラウスのシリーズがはじまっていて、今回は『エレクトラ』です。
全1幕、100分ほどの上演時間。
声楽だけでなく、大編成オーケストラの多彩な音ももとめられる作品だからこそ、絶好調のこのコンビの上演に期待が高まります。
また、「オペラは敷居が高いよ」という方は、こうしたコンサート形式のオペラから体験してみるのもお薦め。
料金面でも通常のオペラより低く、会場では日本語字幕も上映されます。
★ジョナサン・ノット指揮
東京交響楽団
5/20(土)18:00@サントリーホール
(公演詳細ページ)
5/21(日)14:00@ミューザ川崎
(公演詳細ページ)
リゲティ:ムジカ・リチェルカータ第2番(ピアノ独奏)
マーラー:交響曲第6番イ短調「悲劇的」
お薦めPOINT♪
5月のノット&東京交響楽団は上記、コンサート形式の「エレクトラ」のほか、オーケストラ公演なのにまずはリゲティのピアノソロ作品が演奏され、それからマーラーの交響曲第6番「悲劇的」という、独創的&重量級のプログラムが組まれています。
マーラーの交響曲第6番はその題名のとおり、悲劇的な色彩にみちた巨大な音楽で、ハンマーまで打ち下ろされる作品ですので、本格的なクラシックコンサートを体験したいという方にお薦めです。
このコンビは2022年もマーラーの5番を取りあげ、ただ、その演奏に私はたくさんの疑問をもちました。
あのときは、彼らのマーラーをこのページに載せるのは控えようと思ったのですが、それ以降に聴いたショスタコーヴィチ(公演レビュー)、ブルックナー(公演レビュー)での素晴らしい演奏内容を体験すると、次のマーラーこそ結果がちがうのではと期待を持っています。
この期待に応えてほしい、注目の公演。
「マーラー:交響曲第10番アダージョ&ブルックナー:交響曲第9番」Amazon
山下一史 指揮
大阪交響楽団(大阪)
5/12(金)19:00@ザ・シンフォニーホール
(公演詳細ページ)
R・シュトラウス:メタモルフォーゼン
R・シュトラウス:ブルレスケ
(p)津田裕也
ブラームス:交響曲第4番ホ短調
お薦めPOINT♪
第2次世界大戦の痕跡が濃厚に感じられるR・シュトラウス:「メタモルフォーゼン」で開始される、ドイツ・ロマン派の作品が並んだコンサートです。
そのあとの「ブルレスケ」はブラームスの影響が指摘されているR・シュトラウス若き日の傑作で、さらに、メインに置かれたブラームス:交響曲第4番はその初演のときに、若きR・シュトラウスがトライアングルを叩いていた(!)という作品。
R・シュトラウスが「ブルレスケ」を書いたのは、ブラームスの交響曲第4番初演の翌年です。
というように、なかなか練られたプログラミングになっていて、あとは常任指揮者である山下一史さんの熱演が期待されます。
飯森範親 指揮
日本センチュリー交響楽団
ハイドンマラソン(大阪)
5月18日(木)19:00@ザ・シンフォニーホール
(公演詳細ページ)
ハイドン:交響曲第25番ハ長調
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調BWV1041
(Vn)辻彩奈
ハイドン:交響曲第32番ハ長調
ハイドン:交響曲第49番ヘ短調「受難」
お薦めPOINT♪
日本センチュリー交響楽団(公式HP)が首席指揮者である飯森範親さんと継続している「ハイドンマラソン」シリーズ。
全104曲の演奏を目指している、このシリーズ。
今回のようなハイドンの若い番号の交響曲を実演で聴ける機会というのは、ほとんどありません。
その意味でもとても貴重で、ハイドンの音楽が好きな方にはお薦めのコンサートです。
( Apple Music↑ ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)
ピエタリ・インキネン指揮
日本フィルハーモニー交響楽団(神奈川・東京)
5/20(土)17:00@横浜みなとみらいホール
(公演詳細ページ)
5/21(日)14:00@サントリーホール
(公演詳細ページ)
シベリウス:交響詩「タピオラ」
ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調「合唱つき」( ♫鑑賞ガイド )
(S)森谷真理 (A)池田香織(T)宮里直樹(Br)大西宇宙(合唱)東京音楽大学
お薦めPOINT♪
このオーケストラの首席指揮者を退任する、フィンランド出身の指揮者ピエタリ・インキネンの公演。
首席指揮者としての登場は、これが最後なのかもしれません。
ベートーヴェンの交響曲全曲演奏のフィナーレでもある「第九」公演ということで、年末に聴くことが多い「第九」を5月にも聴くことができます。
第九のまえに、シベリウスの傑作「タピオラ」が置かれているのも面白いプログラムで、インキネン時代の集大成を飾る、素晴らしい公演になることを期待したいです。
「フィンランディアと新世界/インキネン&日本フィル」Amazon
🔰井上道義 指揮
京都市交響楽団(京都)
5月20日(土) 14:30@京都コンサートホール
(公演詳細ページ)
ラヴェル:「ダフニスとクロエ」組曲 第2番
ドビュッシー:夜想曲
(女声)京響コーラス
武満徹:地平線のドーリア
ドビュッシー:交響詩「海」
お薦めPOINT♪
2024年末での引退を公表している井上道義さんが京都市交響楽団に登場。
ドビュッシーとラヴェルの傑作がならんだ、まさにフランス名曲集というコンサートになっています。
そこに、日本を代表する作曲家であり、フランスでとりわけ高い評価を得ている武満徹さんの短い作品がはさまれているのがプログラミングの妙。
フランス音楽が好きな方にお薦めの公演です。
★高関健 指揮
五嶋みどり(Vn)
仙台フィル50周年記念特別演奏会(宮城)
5月21日(日)15:00@日立システムズホール仙台・コンサートホール
(公演詳細ページ)
【オール・チャイコフスキー・プログラム】
「アンダンテ・カンタービレ」(弦楽合奏版)
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
交響曲第4番 ヘ短調 作品36
お薦めPOINT♪
誠実な実力派指揮者である高関健さんによる、仙台フィルの創立50周年記念公演です。
ヴァイオリン独奏には、五嶋みどりさんが登場して花を添えます。
冒頭に「アンダンテカンタービレ」が置かれているのが象徴的で、現在の混沌とした世界への大切な1曲になるはずです。
メインはチャイコフスキー:交響曲第4番という、これまた暗から明への劇的な作品が選ばれていて、プログラムは鉄壁です。
あとは記念公演にふさわしい名演奏を期待するのみの、お薦めの公演です。
ファビオ・ルイージ指揮
NHK交響楽団(東京・京都)
5/24(水)19:00@サントリーホール
(公演詳細ページ)
5/25(木)19:00@サントリーホール
(公演詳細ページ)
5/28(日)14:00@舞鶴市総合文化会館
(公演詳細ページ)
ハイドン:交響曲 第82番 ハ長調「くま」( ♫ 鑑賞ガイド )
モーツァルト:ホルン協奏曲 第3番 変ホ長調 K. 447
(Hr)福川伸陽
ベートーヴェン:交響曲 第6番 へ長調「田園」( ♫ 鑑賞ガイド )
お薦めPOINT♪
イタリア出身の指揮者ファビオ・ルイージとNHK交響楽団という、2022年にスタートした新しいコンビの公演。
5月に用意された2種類のプログラムのなかでは、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンと古典派の名曲がならんだ、きれいなプログラムが目を引きます。
ただ、こちらはサントリーホール定期公演なので、一般発売前に会員席でほとんど埋まってしまいます。
一般発売のときには高い席しか残っていないと思いますので、その点はご注意を。
京都公演もあるようです。
高関健 指揮
群馬交響楽団(群馬)
5/27(土)16:00@高崎芸術劇場
(公演詳細ページ)
モーツァルト:交響曲第32番ト長調K318
メシアン:トゥーランガリラ交響曲
(オンドマルトノ,原田節、piano,児玉桃 )
お薦めPOINT♪
群馬交響楽団の名誉指揮者である高関健さんの登場です。
まずは前半のモーツァルトが素晴らしいものになる予感がしています。
近年よく聴かれる、神経質すぎるモーツァルトとはちがう、自然なひびきのモーツァルトが聴けるはずです。
そして、何といっても後半に、メシアンの大作「トゥーランガリラ交響曲」が置かれています。
全10楽章、80分前後の音楽なので、初心者向けではないですが、現代音楽の傑作中の傑作とされる作品です。
堅実な音楽を構築される高関健さんの指揮だからこその、明晰な演奏が期待されます。
現代音楽に興味がある方にお薦めの公演です。
マティアス・バーメルト指揮
札幌交響楽団(北海道)
5/27(土)17:00@札幌コンサートホールKitara
5/28(日)13:00@札幌コンサートホールKitara
(公演詳細ページ)
メンデルスゾーン:劇音楽「真夏の夜の夢」~序曲&夜想曲( ♫ 鑑賞ガイド )
ブラームス:ドイツ・レクイエム
(S, 吉田珠代・Br, 甲斐栄次郎・札幌合唱団)
お薦めPOINT♪
首席指揮者のマティアス・バーメルトが指揮する公演。
バーメルトはスイス出身、広範なレパートリーを誇る指揮者ですが、札幌交響楽団とは意外なほどの王道レパートリーを組んでいます。
この公演では、ブラームスの出世作である「ドイツ・レクイエム」に、メンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」を組み合わせるという、とても美しいプログラムが組まれています。
ここ数年で大きく疲弊した人間世界を癒してくれる、そんなブラームスが聴けることを期待したい公演。
「The Waltz 夢幻∞ワルツ/マティアス・バーメルト指揮 札幌交響楽団(Amazon)」
外山雄三 指揮
パシフィックフィルハーモニア東京(東京)
5/27(土)14:00@東京芸術劇場
(公演詳細ページ)
シューベルト:交響曲第5番変ロ長調( ♫ 鑑賞ガイド )
シューベルト:交響曲第9番ハ長調「ザ・グレート」( ♫ 鑑賞ガイド )
お薦めPOINT♪
東京ニューシティ管弦楽団が2022年に名称をあらためて、心機一転、あたらしい時代を開始したパシフィックフィルハーモニア東京。
2023年のラインナップ(公式HP)をみると、昨年には感じなかったほどの勢いが感じられて、2023年のダークホース的存在になるのではないかと期待しています。
この公演では、そのころには御年92歳を迎えている、日本を代表する指揮者である外山雄三さんが登場。
日本が誇る長老指揮者の貴重なシューベルトに期待がいっそう高まります。
★🔰松田華音
ピアノ・リサイタル(広島)
5/28(日)14:00@ふくやま芸術文化ホール
(公演詳細ページ)
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第11番(トルコ行進曲付き)K.331
シューベルト:ピアノ・ソナタ 第13番イ長調D664 Op.120
ラフマニノフ:「12の歌」Op.21より、練習曲「音の絵」Op.39より、「楽興の時」Op.16より
チャイコフスキー(プレトニョフ編):くるみ割り人形 ほか
お薦めPOINT♪
ロシアで頭角を現した、日本の若手ピアニストを代表する松田華音さんのリサイタルです。
昨年、実演を聴きましたが、チャイコフスキーのグランド・ソナタの見事な演奏に魅了されました。
この広島でのリサイタルでは、モーツァルトのトルコ行進曲やチャイコフスキーのくるみ割り人形などのポピュラーな作品が組まれていて、クラシック初心者にもお薦めのプログラムになっています。
いっぽうで、シューベルトのピアノ・ソナタが入っているのも興味深くて、聴きどころ満載のリサイタルになるはずです。
( Apple Music↑ ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)
尾高忠明 指揮
東京都交響楽団
&アンナ・ヴィニツカヤ(東京)
5/29(月)19:00@サントリーホール
(公演詳細ページ)
ラフマニノフ(レスピーギ編曲):絵画的練習曲集より《海とかもめ》op.39-2
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 op.43
エルガー:交響曲第2番 変ホ長調 op.63
お薦めPOINT♪
2023年はラフマニノフの生誕150周年ということで、ラフマニノフがふくまれる演奏会が多くなっているようです。
前半には、ロシア出身のピアニスト、アンナ・ヴィニツカヤをソリストに名作「パガニーニ狂詩曲」が演奏されます。
後半にエルガーの交響曲第2番が置かれているのが、指揮の尾高忠明さんの面目躍如たるところ。
日本人指揮者としてはめずらしくイギリス音楽を得意にされている尾高忠明さんが、“ エドワード朝のたそがれ ”を描いたといわれるエルガーの交響曲第2番をどう描くのか。
エルガーの交響曲を実演で聴ける機会はとても限られるものなので、その意味でも、たのしみな公演です。
上岡敏之 指揮
読売日本交響楽団(東京)
5/31(水)19:00@サントリーホール
(公演詳細ページ)
シベリウス:交響詩「エン・サガ」
シューマン:ピアノ協奏曲イ短調
(p)エリソ・ヴィルサラーゼ
ニールセン:交響曲第5番
お薦めPOINT♪
ドイツを拠点に活躍している指揮者の上岡敏之さんが読売日本交響楽団の定期演奏会に登場です。
上岡敏之さんは2022年にはじめて実演を聴いて(公演レビュー)、その手腕の見事さを体験することができました。
シューマンのピアノ協奏曲でピアノ独奏をつとめるジョージア出身のピアニスト、ヴィルサラーゼはもう御年80歳とのこと。
あの巨匠リヒテル(1915-1997)がヴィルサラーゼのシューマンを絶賛していたということなので期待されます。
上岡敏之さんは、なかなかクセのあるプログラムを組む指揮者なので、ニールセンの交響曲第5番という、第1次世界大戦の影響も指摘されているシリアスな作品がメインに選ばれていますが、この作品に馴染みのない方にも「聴かせる」演奏をしてくださるはずです。
本格的なクラシックコンサートを体験したい方にお薦めの公演。
♫ほかの月については、「コンサートに行こう!お薦め演奏会」ページからおねがいします。
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