クラシック音楽のコンサートはもともと発売時期もいろいろですし、昨今はコロナ禍とウクライナ情勢で、情報公開がとてもゆっくりになっています。
なので、このページは随時更新をしていきます。
どうぞ、ときおりご覧になってください。
初心者に体験していただきたい、本格的なクラシック・コンサートを選んでご紹介しています。
こちらでは2023年の4月をご紹介。
そのほかの月はそれぞれ別ページに記載していますので、『コンサートに行こう!お薦めの演奏会』のページから移動をおねがいします。
目次(押すとジャンプします)
- 4月のおすすめコンサート
- 東京・春・音楽祭
- Wコンチェルト2023 松田華音Vol.1 セントラル愛知交響楽団(愛知)
- 井上道義 指揮 大阪フィルハーモニー(大阪)
- 大植英次 指揮 札幌交響楽団(北海道)
- ★山下一史 指揮 愛知室内オーケストラ(愛知)
- 広上淳一 指揮 山形交響楽団(山形)
- 沖澤のどか指揮 京都市交響楽団(京都)
- 川口成彦フォルテピアノ・リサイタル ~ベートーヴェンの時代より~(東京)
- 高関健 指揮 東京シティ・フィル(東京)
- ★大阪国際フェスティバル 4オケの4大シンフォニー(大阪)
- ★青木尚佳(Vn) ジャノ・リスボア(Va) ウェン=シン・ヤン(Vc) 「ミュンヘンのトップ奏者たち」(神奈川・茨城・東京・愛知・兵庫)
- ★🔰青木尚佳(Vn) 小林研一郎 指揮 読売日本交響楽団(東京)
- 鈴木秀美 指揮 神戸市室内管弦楽団(兵庫)
- ピエタリ・インキネン指揮 日本フィルハーモニー(東京)
- 尾高忠明 指揮 読売日本交響楽団(東京)
曲目ではなく、演奏者で選ぶのがクラシック・コンサート
初めてコンサートに行くとなると『モルダウ』や『運命』といった聴いたことがある曲目で選びたくなりますが、そうではなくて、まずは誰が演奏するのかで選びましょう。
わかりやすく例えると、美味しいものが食べたければ、メニューより前に、美味しいお店を探すことが大切なのと同じです。
とはいっても、初心者であればあるほど、演奏者や指揮者の名前なんて知らないと思います。
そこで、このブログでは、クラシック音楽が大好きな私が、あくまで主観的に、自分でもチケットを買いたいと思う、お薦めのコンサート情報を厳選して掲載しています。
場所もクラシック・コンサートが集中する東京、関東、首都圏にこだわらず、北海道、東北、中部、近畿、関西、四国、中国、九州、沖縄まで、「自分がそこに住んでいたら行ってみたい」という、素直に気になるものをピックアップしています。
主観で選んでいます
判断基準は、あくまでも、自分がこれまで実際に聴いたときの体験などの「主観」にもとづいています。
その分、しがらみや忖度はありません。
クラシックをふだん聴かない方は名前も知らないような演奏家がずらっと並んでいるかもしれませんが、「クラシック音楽と向き合ってみたい!」という方に多少なり参考になればと選んでのものです。
初心者の方へのアドバイス
とくに重要なことは、
- いきなり高いチケットを買わない
- 当日券ではなく、前売りで買う
の2点です。
クラシック・コンサート初心者がいきなり高い席を買うのはお薦めしません。
理由は簡単で、クラシックのコンサートはハズレも多いからです。
私は結構コンサートに通っている方だと思いますが、いまだに予想を裏切られて、「つまらなかった…」とがっかりして帰ってくることがあります。
クラシック初心者の方が、そうした「つまらない」コンサートに当たってしまい、「クラシックって、こんなもんか」と思われてしまうのが嫌で、少しでも当たりをひく確率が上がればと、このページを作っています。
また、「前売り」については、一般的には、だいたい3~6か月前くらいにチケットの発売が開始されます。
半年先というとずいぶん先に思えるかもしれませんが、人気の公演はそれでも完売してしまいますし、最後に残るのはたいてい高い席です。
「高いお金を出したのにハズレだった」としたら、二度と行きたくならないのが人情です。
ですので、初めのうちほど、まずは手ごろな価格で、なるべく早めに前売り券を手に入れておきましょう。
こうした話を、「コンサートの選び方&チケットの買い方【初めてのクラシック・コンサート】」というページにまとめています。
さらには、チケットを手に入れたあと初心者の方が気になるであろう、「クラシックコンサートに行くときの服装」のことなどは、「コンサート当日の不安を解消!服は何を着る?持ち物は?【初めてのクラシック・コンサート】」というページにまとめています。
お願い
コロナ禍とウクライナ情勢の影響で、公演の有無をふくめ、コンサートの日時、チケット発売日、曲目の変更、出演者の変更などなど、急な変更が日々いろいろ発生しているのが現状で、個人ではとても追い切れないものがあります。
ですので、こちらのページはあくまで大まかな地図としてお役立ていただいて、詳細は各公式サイト・各プレイガイドで必ず確認をお願いします。
個人で集めている情報ですので、記載ミスなどもあるかもしれません。
その際にはどうぞご容赦ください。
4月のおすすめコンサート
コンサートはだいたいの日付順で掲載しています。
🔰=「曲目もスタンダードで入門に最適」マーク
★=「今月、とくにコレに期待」マーク
演奏家の写真=関連のあるAmazon商品ページにリンク、著作権上問題のないものを使用しています。
また、このブログではオンライン配信のものも多くご紹介しています。
オンライン配信の聴き方については、「クラシック音楽をオンライン(サブスク定額制)で楽しむ~音楽好きが実際に使ってみました~」のページにまとめています。
東京・春・音楽祭
3/18(土)~4/16(日)
(公演詳細ページ)
ここでは4月に開催される公演からお薦めのものをピックアップしてみます。
3月のものは別ページに記載しています。
4/2(日)15:00@東京文化会館
★吉井瑞穂(オーボエ)&ウェールズ弦楽四重奏団
(公演詳細ページ)
モーツァルト:オーボエ四重奏曲 ヘ長調 K.370
武満 徹:アントゥル=タン
テレマン:《無伴奏オーボエのための12の幻想曲》ほか
お薦めPOINT♪
吉井瑞穂さんは、「マーラー室内管弦楽団の首席オーボエ 吉井瑞穂さんのリサイタルを聴いて~音楽の映すもの」という公演レビューで以前ご紹介した、世界を舞台に活躍中のオーボエ奏者。
活動拠点を鎌倉に移されたとのことで、日本での公演が増えているのがうれしいかぎりです。
4/5(水)19:00@東京文化会館
ブリン・ターフェル Opera Night
(公演詳細ページ)
ワーグナーのオペラ・アリアやミュージカルナンバー
お薦めPOINT♪
ブリン・ターフェルは、イギリス、ウェールズ出身の世界的バリトン歌手。
もう彼も50代半ばを過ぎたということに時の流れを感じます。
その圧倒的な歌唱は現在も健在なのか、注目の公演です。
沼尻竜典(指揮)東京交響楽団をバックに、ワーグナー作品、さらにミュージカルナンバーの数々が歌われます。
( Apple Music↑ ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)
4/6(木)15:00@東京文化会館
4/9(日)15:00@東京文化会館
マレク・ヤノフスキ指揮NHK交響楽団による
《ニュルンベルクのマイスタージンガー》(演奏会形式/字幕付)
(公演詳細ページ)
お薦めPOINT♪
ワーグナーに定評のあるマレク・ヤノフスキの指揮で、大作「ニュルンベルクのマイスタージンガー」がラインナップされています。
ヤノフスキは、来日のころには84歳です。
ワーグナーのオペラというのは長大で大規模なものが多いので、圧倒されるか、うんざりさせられるかの二択になります。
初心者向けとは言い難いですが、そう年中、実演で聴けるわけでもありませんので、貴重な機会であるのは確かです。
4/7(金)19:00@東京文化会館
ヤン・リシエツキ・ピアノ・リサイタル
(公演詳細ページ)
Poems of the Nightと題された、オール・ショパン・プログラム
お薦めPOINT♪
ポーランド系カナダ人の若手ピアニスト、ヤン・リシエツキのショパン・リサイタル。
プログラムが凝っていて、夜想曲とエチュードを巧みに組み合わせたものになっています。
( Apple Music↑ ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)
4/13(木)19:00@東京文化会館
(公演詳細ページ)
★青木尚佳(Vn)、ジャノ・リスボア(Va)、ウェン=シン・ヤン(Vc)
お薦めPOINT♪
こちらの公演は、他日程の公演もあるので、ページの下の方で別枠で紹介しています↓
4/13(木)18:30@東京文化会館
4/16(日)15:00@東京文化会館
ブリン・ターフェル出演、プッチーニ《トスカ》(演奏会形式/字幕付)
(公演詳細ページ)
お薦めPOINT♪
世界的バリトン歌手のブリン・ターフェルが出演するという、プッチーニの歌劇「トスカ」の演奏会形式の公演。
この音楽祭の“ トリ ”をつとめる公演となります。
昨年の来日は直前にキャンセルとなっての、今年の登場なので嬉しいのは嬉しいのですが、昨年はラインナップされていた「独唱のリサイタル」が今年は無さそうなのが残念です。
Wコンチェルト2023 松田華音Vol.1
セントラル愛知交響楽団(愛知)
4/5(水)18:45@愛知県芸術劇場コンサートホール
(公演詳細ページ)
【オール・チャイコフスキー・プログラム】
ピアノ・ソロで《18の小品》作品72~第2番〈子守歌〉、第3番〈穏やかなおしかり〉、第8番〈対話〉
ピアノ協奏曲第3番
ピアノ協奏曲第1番
お薦めPOINT♪
ロシアで頭角をあらわした松田華音さんをソリストにむかえての、齊藤一郎(指揮)セントラル愛知交響楽団の特別公演。
冒頭にピアノソロ曲が3曲おかれて、それから、なかなか演奏されることが珍しいチャイコフスキーのピアノ協奏曲第3番、それから、こちらは超有名曲であるピアノ協奏曲第1番という、協奏曲が2曲並んだコンサートです。
松田華音さんについては、「松田華音ピアノ・リサイタルを聴いて~チャイコフスキー:グランド・ソナタの飛翔」という公演レビューで以前ご紹介したとおり、とても信頼できるピアニストです。
チャイコフスキーのピアノ協奏曲が好きなひとに、おすすめの公演です。
井上道義 指揮
大阪フィルハーモニー(大阪)
4/6(木)14:00@ザ・シンフォニーホール
(公演詳細ページ)
ハイドン/交響曲 第103番 変ホ長調「太鼓連打」( ♫ 鑑賞ガイド )
ショスタコーヴィチ/ヴァイオリン協奏曲 第1番
(Vn, 崔文洙)
ショスタコーヴィチ/バレエ組曲「黄金時代」
お薦めPOINT♪
「マチネ・シンフォニー」というシリーズの公演で、平日の昼間のコンサートです。
おしまいのショスタコーヴィチ:バレエ組曲「黄金時代」は、大のサッカー好きで審判員の資格までとっていたショスタコーヴィチが、サッカーを題材とした台本に音楽をつけたもの。
ストーリーは典型的なプロパガンダですが、ショスタコーヴィチはとっても軽妙な、諧謔的な音楽をつけていて、第3曲「ポルカ」などはアンコールなどでもよく演奏されます。
ハイドン:交響曲第103番「太鼓連打」はハイドンの傑作交響曲のひとつ。
「太鼓連打」のニックネームのとおり、冒頭にティンパニーのソロがあって、ここをどう叩くかというのが、ティンパニー奏者、そして、指揮者の腕の見せ所のひとつになっています。
指揮は、2024年末での引退を発表している井上道義さんですので、何かしら面白いことをしてくださるのではないでしょうか。
ハイドンとショスタコーヴィチを組み合わせた、凝った選曲になっているだけに、井上道義さんの指揮に期待です。
大植英次 指揮
札幌交響楽団(北海道)
4/11(火)19:00@札幌文化芸術劇場hitaru
(楽団ホームページ)
糀場富美子:広島レクイエム
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
(piano, アンドレイ・ガブリーロフ)
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番
お薦めPOINT♪
冒頭の「広島レクイエム」は、大植英次さんがまだ若かったころにレナード・バーンスタインの薦めで世界初演を担当した作品。
その作品のあとには、ロシアのラフマニノフとショスタコーヴィチの名作を2つという、なにか、世界の現状への訴えかけを感じさせるようなプログラミングとなっています。
こうした社会へのメッセージを感じさせるプログラミングは素晴らしいもので、あとは演奏内容がそれに応えるものであることを期待したい公演です。
★山下一史 指揮
愛知室内オーケストラ(愛知)
4/11(火)18:45@三井住友海上しらかわホール
(公演詳細ページ)
シュベルガー:コントラバス協奏曲第15番
ロータ:ディヴェルティメント・コンチェルタンテ
メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」( ♫鑑賞ガイド )
4/21(金)18:45@三井住友海上しらかわホール
(公演詳細ページ)
【オール・シューマン・プログラム】
「ゲノフェーファ」序曲
交響曲第4番ニ短調
交響曲第1番変ロ長調「春」( ♫鑑賞ガイド )
お薦めPOINT♪
プログラムを見ているだけでも、その躍進ぶりがわかるコンビ、山下一史さんと愛知室内オーケストラの注目公演です。
2023年はメンデルスゾーンの当たり年のようで、大阪フィルや京都市交響楽団にも注目公演がありますが、こちらもそうで、さらに愛知室内オーケストラは、9月に巨匠ユベール・スダーンとオール・メンデルスゾーン・プログラムをやるようです。
メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」は、メンデルスゾーンがイタリア旅行でインスピレーションを得て作曲した傑作。
旋律線が美しく、熱狂的なフィナーレを持つことで、現在でもとりわけ人気の高い作品です。
この日の日の前半プログラムは、私は寡聞にしてどちらの曲も知りません。
けれど、コントラバス協奏曲という曲種、それから「ゴッドファーザー」や「ロメオとジュリエット」などの映画音楽で名高い作曲家ニーノ・ロータの作品ということで、未知の作品と出会う楽しみが刺激されます。
もういっぽうはオール・シューマン。
4月の演奏会で交響曲第1番「春」をメインに据えているあたり、プログラムに季節感があって、技ありだと思います。
シューマンの交響曲もまた、メンデルスゾーンと同様、非常にうつくしい旋律線をもっているので、初心者でも親しみやすいです。
2023年シーズンも、愛知室内オーケストラは注目公演の連続です(公式HP)。
2022年12月リリース「シューマン:交響曲第2番 山下一史&愛知室内オーケストラ」Amazon
広上淳一 指揮
山形交響楽団(山形)
4/15(土)19:00@山形テルサホール
4/16(日)15:00@山形テルサホール
(公演詳細ページ)
尾高惇忠:「音の旅」抜粋
ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第1番変ホ長調
(Vc, 矢口里菜子)
チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調
お薦めPOINT♪
現在、オーケストラ・アンサンブル金沢の指揮者を務めている広上淳一さんが山形交響楽団(公式HP)に登場します。
メインには、チャイコフスキーの交響曲第4番という名曲が置かれています。
これは、チャイコフスキーの後期3大交響曲の始まりを告げた傑作で、「暗から明へ」というベートーヴェン的構成を非常にドラマティックに描いた作品です。
第3楽章の弦楽器はピチカートだけで演奏されたり、非常に熱狂的なフィナーレを持ったりと、独創的で、クラシック音楽でもとりわけ人気の高い作品です。
チャイコフスキーは、この作品をパトロンであったフォン・メック夫人に捧げていますが、ふたりは1000通を超える手紙のやり取りをしたものの、一直接会うことが一度もなかったという不思議な関係が伝わっています。
冒頭の尾高 惇忠(おたか・あつただ)さんは2021年に他界された作曲家で、作曲家の尾高尚忠(おたか・ひさただ)さんの長男、指揮者の尾高忠明さんのお兄さんにあたる方。
「音の旅」のオーケストラ版は、2022年に広上淳一さんによって世界初演されたばかりの作品です。
沖澤のどか指揮
京都市交響楽団(京都)
4月14日(金)19:30@京都コンサートホール
(公演詳細ページ)
モーツァルト:歌劇「魔笛」序曲
メンデルスゾーン:序曲「ルイ・ブラス」作品95
メンデルスゾーン:交響曲 第4番 イ長調 作品90「イタリア」( ♫鑑賞ガイド )
4月15日(土)14:30@京都コンサートホール
(公演詳細ページ)
メンデルスゾーン:序曲「ルイ・ブラス」作品95
メンデルスゾーン:交響曲 第4番 イ長調 作品90「イタリア」( ♫鑑賞ガイド )
ブラームス:交響曲 第3番 ヘ長調 作品90
お薦めPOINT♪
京都市交響楽団のあたらしい首席指揮者である沖澤のどかさんの登場。
金曜日の公演は「フライデー・ナイト・スペシャル」と題されるシリーズの公演で、約1時間(休憩なし)のショート・コンサート。
そのぶんチケット料金もおさえられていますので、忙しい方やちょっとクラシックコンサートを体験してみたいという方にお薦めです。
いずれのコンサートにもメンデルスゾーンの交響曲第4番「イタリア」が入っていますが、大阪では尾高忠明さんが大阪フィルとメンデルスゾーンのチクルスを行っているので、聴き比べも楽しいかもしれません。
川口成彦フォルテピアノ・リサイタル
~ベートーヴェンの時代より~(東京)
4月15日(土)14:00@かつしかシンフォニーヒルズ・アイリスホール
(公演詳細ページ)
ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番『悲愴』Op.13
アリアーガ:3つの奇想的練習曲
シューベルト:3つのピアノ曲 D946 ほか
お薦めPOINT♪
フォルテピアノの名手である川口成彦さんによるリサイタル。
ここでは、得意のショパンではなく、ベートーヴェンに焦点をあてたプログラムが組まれています。
複数の楽器を使い分けて演奏するようで、現代のピアノとちがって、響きの違いがはっきりしていた当時の楽器の魅力を発見できる機会になるかもしれません。
シューベルトの「3つのピアノ曲」は、シューベルトが亡くなる半年前の作品。
この作品の価値を認めたブラームスが編纂して、出版に尽力したことが知られています。
シューベルト晩年に特徴的な、沈み込むような響きが聴かれる作品で、これがフォルテピアノの繊細な響きでどう演奏されるのか、興味深い公演です。
高関健 指揮
東京シティ・フィル(東京)
4/15(土)15:00@ティアラこうとう
(公演詳細ページ)
メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調
(Vn)吉田南
シューベルト:交響曲第6番ハ長調D589( ♫鑑賞ガイド )
お薦めPOINT♪
高関健さんと東京シティフィルは、私は2022年に初めて実演を聴いて(公演レビュー)、その爽やかな音楽性と実直なスタイルにとても好印象を抱きました。
この公演ではシューベルトの交響曲第6番という、あまり演奏はされないものの、シューベルトの清々しい音楽性が溢れた作品がメインに選ばれていて、このコンビを楽しむのにうってつけだと思います。
オーケストラを聴きたいけれど、あまり重すぎないプログラムがいいという方にお薦めの演奏会です。
★大阪国際フェスティバル
4オケの4大シンフォニー(大阪)
4/15(土)14:00@フェスティバルホール
(公演詳細ページ)
ブラームス:交響曲全曲
お薦めPOINT♪
4人の指揮者、4つの大阪にあるオーケストラが、ブラームスの交響曲全4曲を演奏するという、お祭りのような企画。
演奏は、番号順ではないようです。
冒頭が、山下一史さん指揮する大阪交響楽団によって、交響曲第3番。
つぎに、飯森範親さん指揮する日本センチュリー交響楽団によって、交響曲第4番。
そのあとに、飯森泰次郎さん指揮する関西フィルによって、交響曲第2番。
最後に、尾高忠明さん指揮する大阪フィルが交響曲第1番を演奏するようです。
1日に4曲も交響曲を聴くのは、なかなか大変だと思いますが、そうそうあるチャンスでもありません。
ブラームスが好きなひと、オーケストラの聴き比べをしてみたいひとには、絶好の機会です。
★青木尚佳(Vn)
ジャノ・リスボア(Va)
ウェン=シン・ヤン(Vc)
「ミュンヘンのトップ奏者たち」(神奈川・茨城・東京・愛知・兵庫)
4/9(日)14:00@ひまわりの郷(横浜市港南区民文化センター)
(公演詳細ページ)
4/11(火)19:00@水戸奏楽堂
(公演詳細ページ)
4/13(木)19:00@東京文化会館
(公演詳細ページ)
4/15(土)15:00@Halle Runde(名古屋)
(公演詳細ページ)
4/16(日)14:00@兵庫県立芸術文化センター
(公演詳細ページ)
ドホナーニ:セレナーデ ハ長調 op.10
コダーイ:ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲集 op.7
モーツァルト:ディヴェルティメント 変ホ長調 K.563
お薦めPOINT♪
「ミュンヘン・フィルのコンサート・ミストレス青木尚佳さんを聴いて~紀尾井ホール室内管弦楽団コンサート」の公演レビューで以前ご紹介した、日本人として初めて名門ミュンヘン・フィルのコンサート・ミストレスに就任した、青木尚佳さんを中心としたアンサンブル公演です。
青木尚佳(ヴァイオリン)、ジャノ・リスボア(ヴィオラ)、ウェン=シン・ヤン(チェロ)、3人ともに、それぞれがミュンヘン・フィルやバイエルン放送交響楽団などの首席奏者、もしくはその経験者です。
メインのモーツァルト:ディヴェルティメント変ホ長調k.563は、全6楽章、演奏に約45分前後かかる、非常に大規模な室内楽作品。
有名な交響曲第41番「ジュピター」k.551を作曲した少しあとの作品で、天才モーツァルトによる、「弦楽三重奏」という珍しい編成の作品になります。
世界最高水準の、上質な室内楽を体験したい方に、曲目、演奏者ともに、とてもお薦めの公演です。
★🔰青木尚佳(Vn)
小林研一郎 指揮
読売日本交響楽団(東京)
4/21(金)19:00@サントリーホール
(公演詳細ページ)
4/23(日)14:00@横浜みなとみらいホール
(公演詳細ページ)
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲
マーラー:交響曲第1番「巨人」
お薦めPOINT♪
名門ミュンヘン・フィルのコンサートミストレスをつとめている青木尚佳さんが、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を独奏します。
以前、紀尾井ホール室内管弦楽団とのベートーヴェンの協奏曲を聴きましたが(公演レビュー)、たいへんな美音で、心底おどろきました。
あの美しい音でメンデルスゾーンが奏されると思うと、それだけでもわくわくする期待の公演です。
指揮は小林研一郎さん。
当たりはずれが大きい方ですが、少なくとも、前半の青木尚佳さんは間違いなく素晴らしいはずなので、さらに後半の「巨人」まで当たったら最高という公演でしょうか。
ヴァイオリンがお好きな方には是非とも耳にしてほしいコンサートです。
( Apple Music↑ ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)
鈴木秀美 指揮
神戸市室内管弦楽団(兵庫)
4/22(土)15:00@神戸文化ホール
(公演詳細ページ)
ディーリアス:小管弦楽のための2つの小品(「春初めてのカッコウの声を聞いて」「川面の夏の夜」)
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調
(piano)久元祐子
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」( ♫ 鑑賞ガイド )
お薦めPOINT♪
日本を代表するバロック演奏のパイオニア、鈴木秀美さんが神戸市室内管弦楽団(公式HP)を指揮する公演です。
プログラムが凝っていて、冒頭にイギリス近代の作曲家ディーリアスの小品が置かれているのが、とてもきれいなアクセントになっています。
「生誕180年」と銘打たれたグリーグの名曲、ピアノ協奏曲をはさんで、メインにはベートーヴェンの傑作、「田園」交響曲が置かれています。
中くらいのサイズのオーケストラ公演を探している方に、お薦めのコンサートです。
ピエタリ・インキネン指揮
日本フィルハーモニー(東京)
4月28日 (金)19:00@サントリーホール
4月29日 (土)14:00@サントリーホール
(公演詳細ページ)
シベリウス:《クレルヴォ交響曲》 op.7
(S)ヨハンナ・ルサネン
(Br)ヴィッレ・ルサネン
(男声合唱)ヘルシンキ大学男声合唱団&東京音楽大学
お薦めPOINT♪
日本フィルハーモニー交響楽団の首席指揮者をまもなく退任する、フィンランド出身の指揮者ピエタリ・インキネンが登場。
母国の大作曲家シベリウスの初期の傑作「クレルヴォ交響曲」をとりあげます。
これは全5楽章、70分前後の大作で、オーケストラに声楽も加わって、北欧の悲劇的な物語をえがきます。
有名な作品ですが、実際に演奏される機会はそこまで多くはありませんので、実演で聴ける貴重な機会となります。
しかも、合唱には世界的に有名な男声合唱団であるヘルシンキ大学男声合唱団を招いて、独唱陣も母国から呼び寄せるという念の入り方。
シベリウスの出世作に実演で接してみたい方にお薦めの公演。
シベリウス:交響曲全集(インキネン&日本フィル)Amazon
尾高忠明 指揮
読売日本交響楽団(東京)
4/29(土・祝)14:00@東京芸術劇場
(公演詳細ページ)
4/30(日)14:00@東京芸術劇場
(公演詳細ページ)
グリエール:ハープ協奏曲
(Hrp)グザヴィエ・ドゥ・メストレ
ラフマニノフ:交響曲第2番
お薦めPOINT♪
大阪フィルの音楽監督をつとめている尾高忠明さんが読売日本交響楽団の指揮台にあがります。
メインはラフマニノフの交響曲第2番で、生誕150周年の記念年を彩ります。
ラフマニノフのピアノ協奏曲が好きな方なら、必ずこちらも好きになること請け合いの美しい交響曲です。
前半のグリエール:ハープ協奏曲には、名門ウィーン・フィルのソロ・ハーピストを務めたメストレが登場するという豪華さ。
注目公演です。
♫ほかの月については、「コンサートに行こう!お薦め演奏会」ページからおねがいします。
♫クラシック音楽にまつわるTシャツ・トートバッグなどをリリースしています。