クラシック音楽のコンサートはもともと発売時期もいろいろですし、昨今はコロナ禍とウクライナ情勢で、情報公開がとてもゆっくりになっています。
なので、このページは随時更新をしていきます。
どうぞ、ときおりご覧になってください。
初心者に体験していただきたい、本格的なクラシック・コンサートを選んでご紹介しています。
こちらでは2023年の7月をご紹介。
そのほかの月はそれぞれ別ページに記載していますので、『コンサートに行こう!お薦めの演奏会』のページから移動をおねがいします。
Contents
曲目ではなく、演奏者で選ぶのがクラシック・コンサート
初めてコンサートに行くとなると『モルダウ』や『運命』といった聴いたことがある曲目で選びたくなりますが、そうではなくて、まずは誰が演奏するのかで選びましょう。
わかりやすく例えると、美味しいものが食べたければ、メニューより前に、美味しいお店を探すことが大切なのと同じです。
とはいっても、初心者であればあるほど、演奏者や指揮者の名前なんて知らないと思います。
そこで、このブログでは、クラシック音楽が大好きな私が、あくまで主観的に、自分でもチケットを買いたいと思う、お薦めのコンサート情報を厳選して掲載しています。
場所もクラシック・コンサートが集中する東京、関東、首都圏にこだわらず、北海道、東北、中部、近畿、関西、四国、中国、九州、沖縄まで、自分がそこに住んでいたら「行ってみたい!」と思う、とにかく気になるものを素直にピックアップしています。
主観で選んでいます
判断基準は、あくまでも、自分がこれまで実際に聴いたときの体験などの「主観」にもとづいています。
その分、しがらみや忖度はありません。
クラシックをふだん聴かない方は名前も知らないような演奏家がずらっと並んでいるかもしれませんが、「クラシック音楽と向き合ってみたい!」という方に多少なり参考になればうれしいです。
初心者の方へのアドバイス
とくに重要なことは、
- いきなり高いチケットを買わない
- 当日券ではなく、前売りで買う
の2点です。
クラシック・コンサート初心者がいきなり高い席を買うのはお薦めしません。
理由は簡単で、クラシックのコンサートはハズレも多いからです。
私は結構コンサートに通っている方だと思いますが、いまだに予想を裏切られて、「つまらなかった…」とがっかりして帰ってくることがあります。
クラシック初心者の方が、そうした「つまらない」コンサートに当たってしまい、「クラシックって、こんなもんか」と思われてしまうのが嫌で、少しでも当たりをひく確率が上がればと、このページを作っています。
また、「前売り」については、一般的には、だいたい3~6か月前くらいにチケットの発売が開始されます。
半年先というとずいぶん先に思えるかもしれませんが、人気の公演はそれでも完売してしまいますし、最後に残るのはたいてい高い席です。
「高いお金を出したのにハズレだった」としたら、二度と行きたくならないのが人情です。
ですので、初めのうちほど、まずは手ごろな価格で、なるべく早めに前売り券を手に入れておきましょう。
こうした話を、「コンサートの選び方&チケットの買い方【初めてのクラシック・コンサート】」というページにまとめています。
さらには、チケットを手に入れたあと初心者の方が気になるであろう、「クラシックコンサートに行くときの服装」のことなどは、「コンサート当日の不安を解消!服は何を着る?持ち物は?【初めてのクラシック・コンサート】」というページにまとめています。
どのコンサートに行くか迷ったらノット&東京交響楽団へ
関東圏と新潟に限られてしまうのですが、このブログでは、どのコンサートに行くか迷ったら、まずはジョナサン・ノット指揮する東京交響楽団のコンサートへ行ってみることをお薦めしています。
日本には、世界の名門オーケストラがたくさんやってきますが、当然、どれもチケット代は高額に設定されます。
このブログでは、初心者の方に、1万円を超えるようなチケットをいきなり買うことはお薦めしていません。
理由は簡単で、世界最高峰の名門と言えども「ハズレ」の公演があるからです。
国内のオーケストラにも、世界の名門に肉薄するような演奏を展開する瞬間がありますので、まずは、それを体験してほしいので、その代表格であるジョナサン・ノット&東京交響楽団のコンビをお薦めしています。
ジョナサン・ノットは1962年イギリス生まれの指揮者で、現在、東京交響楽団の音楽監督をつとめています。
このノット&東京交響楽団のコンビが日本のクラシック界に与えている刺激は、たいへんなものがあります。
彼らのコンサートがすべて素晴らしいとまでは私も言い切りませんが、でも、「当たる」確率は非常に高いです。
「ショスタコーヴィチ:交響曲第10番(ノット&東京交響楽団の2016年ライヴ録音)」Amazon
一点、初心者にとってハードルがあるとすれば、彼らのコンサートは演目がかなり本格的で、「運命&新世界」みたいなプログラミングの真逆を行くことです。
そこは、聴く側にも覚悟が求められています。
10シーズン目を迎えるこのコンビのコンサートは、5月、7月、10月、11月、12月に予定されています。
お願い
コロナ禍とウクライナ情勢の影響で、公演の有無をふくめ、コンサートの日時、チケット発売日、曲目の変更、出演者の変更などなど、急な変更が日々いろいろ発生しているのが現状で、個人ではとても追い切れないものがあります。
ですので、こちらのページはあくまで大まかな地図としてお役立ていただいて、詳細は各公式サイト・各プレイガイドで必ず確認をお願いします。
個人で集めている情報ですので、記載ミスなどもあるかもしれません。その際にはどうぞご容赦ください。
7月のおすすめコンサート
コンサートはだいたいの日付順で掲載しています。
🔰=「曲目もスタンダードで入門に最適」マーク
★=「今月、とくにコレに期待」マーク
演奏家の写真=関連のあるAmazon商品ページにリンク、著作権上問題のないものを使用しています。
また、このブログではオンライン配信のものも多くご紹介しています。
オンライン配信の聴き方については、「クラシック音楽をオンライン(サブスク定額制)で楽しむ~音楽好きが実際に使ってみました~」のページにまとめています。
★尾高忠明 指揮
パシフィックフィルハーモニア東京(東京)
7/2(日)14:00@東京オペラシティ
(公演詳細ページ)
ヴォーン・ウィリアムズ:トマス・タリスの主題による幻想曲
ディーリアス:歌劇「村のロメオとジュリエット」より”楽園への道”
エルガー:交響曲第1番 変イ長調 作品55
お薦めPOINT♪
新しい船出をしたパシフィック・フィルハーモニア東京による、「第1回東京オペラシティ定期演奏会」と位置付けられたコンサート。
第1回にふさわしい、イギリスで活躍された尾高忠明さんによるイギリス音楽特集が組まれています。
私はエルガーの交響曲第1番が大好きなので(特集記事)、こうして尾高忠明さんが頻繁に指揮してくださるのは、とてもうれしいです。
冒頭のヴォーンウィリアムズ:タリス幻想曲は、弦楽合奏が3つのアンサンブルにわかれて演奏する、立体的な音響が考えられた作品。
それゆえに、生演奏で「体験」することで、その美しさがいっそう実感できるはずです。
英国音楽に興味のあるかたにお薦めの、さらには、新しいスタートをきったオーケストラの飛躍に期待したい公演です。
「エルガー:交響曲第1番(尾高忠明さんが大阪フィルと2019年に演奏した際のライブ盤)」Amazon
円光寺雅彦 指揮
仙台フィルハーモニー(宮城)
7/14(金)19:00@日立システムズホール仙台・コンサートホール
7/15(土)15:00@日立システムズホール仙台・コンサートホール
(公演詳細ページ)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調Op30
(Piano, 清水和音)
チャイコフスキー:交響曲第6番 ロ短調Op74「悲愴」
お薦めPOINT♪
失礼な言い方かもしれませんが、その存在がやや地味な印象の円光寺雅彦さん。
でも、とっても丁寧な指揮で、オーケストラに自然な音楽を息づかせる素晴らしい指揮者のおひとりです。
生誕150周年のラフマニノフ作品を前半に、後半にはチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」が選曲されています。
そこで、ちょっと気にかかるのは、コンサートの時期が夏ということ。
どちらかといえば、秋冬にこそ美しく響く名曲であって、果たして夏にこの作品がどう響くのかは不安があります。
季節感というものも、プログラミングには考慮してもらいたい視点で、ただ、そうした不安をのぞけば、とても期待される組み合わせです。
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」(円光寺雅彦&仙台フィル、1989年のライヴ録音盤)Amazon
ジョナサン・ノット指揮
東京交響楽団(神奈川・東京)
7/15(土)14:00@ミューザ川崎
(公演詳細ページ)
7/16(日)14:00@サントリーホール
(公演詳細ページ)
エルガー:ヴァイオリン協奏曲
(Vn)神尾真由子
ブラームス:交響曲第2番ニ長調
お薦めPOINT♪
このブログで推しているジョナサン・ノット&東京交響楽団の7月公演。
前半は、エルガーのヴァイオリン協奏曲が置かれていますが、なかなか挑戦的なプログラミングで、この長大で渋い名曲を味わい深く演奏できるのは本当に一握りのひとたちだけ。
なので前半については若干の不安がありますが、いっぽうで、後半はブラームスの交響曲第2番で、こちらは素直に楽しみです。
ブラームスの全4曲の交響曲のなかで、いちばん明るい響きを持ち、ベートーヴェンの「田園」にも例えられる音楽で、フィナーレに熱狂的なコーダを持っています。
ノットはマーラーや近現代作品で名声を高めた指揮者ですが、古典的な作品も素晴らしいと私は感じています。
7月という季節にぴったりな、ブラームスの交響曲第2番。
やはり期待の公演です。
延原武春 指揮
九州交響楽団
天神でクラシック(福岡)
7/16(日)15:00@FFGホール
(公演詳細ページ)
【オール・メンデルスゾーン・プログラム】
序曲「静かな海と楽しい航海」
ヴァイオリン協奏曲ホ短調
(Vn)扇谷 泰朋
交響曲第5番「宗教改革」( ♫ 鑑賞ガイド )
お薦めPOINT♪
古楽の分野で有名な延原武春さんが、メンデルスゾーンを指揮するという、興味深いコンサート。
2023年はメンデルスゾーンの当たり年のようで、大阪フィルや京都市交響楽団、愛知室内オーケストラにもメンデルスゾーンの注目公演がありますが、九州交響楽団のこちらも期待の公演。
中規模ホールに適した選曲で、メインはフィナーレにルター自身が作曲した旋律が登場する交響曲第5番「宗教改革」、真ん中には誰もが知っている「ヴァイオリン協奏曲ホ短調」が置かれています。
メンデルスゾーンの音楽が好きな方にお薦めの公演。
井上道義 指揮
小曽根真(piano)
大阪フィル(大阪)
7/17(月)14:00@ザ・シンフォニーホール
(公演詳細ページ)
チャイコフスキー:歌劇 「エフゲニー・オネーギン」より“ポロネーズ”
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲 第2番 ヘ長調 op.102
(piano)小曽根真
チャイコフスキー:交響曲 第4番 ヘ短調 op.36
お薦めPOINT♪
2024年末で引退を公言している井上道義さんの指揮で、「井上道義 ザ・ファイナル・カウントダウン Vol.1~道義×小曽根×大阪フィル ショスタコーヴィチ&チャイコフスキー~」と題されたコンサート。
井上道義さんの指揮はもちろんのこと、ピアノ・ソロにジャズ・ピアニストの小曽根真さんをむかえて、ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第2番をやるところが、いちばんの注目ポイント。
ディズニー映画「ファンタジア2000」でも取り上げられたチャーミングな作品で、おそらく、ジャズピアニストからすると、第1番の協奏曲よりアプローチしやすいように思います。
演奏者、そして、曲目との組み合わせが、わくわくさせられるコンサートです。
★山下一史 指揮
愛知室内オーケストラ(愛知)
7/21(金)18:45@三井住友海上しらかわホール
(公演詳細ページ)
シューベルト:「ロザムンデ」序曲
ベートーヴェン:交響曲第8番ヘ長調( ♫ 鑑賞ガイド )
ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調「英雄」( ♫ 鑑賞ガイド )
お薦めPOINT♪
私はまだその実演に接していないのですが、きっと躍進著しいのではないかと期待しているコンビ、山下一史さん&愛知室内オーケストラの公演。
冒頭にシューベルトの旋律美を楽しめる序曲「ロザムンデ」が置かれることで、プログラムに華が添えられています。
このオーケストラは、ほんとうにプログラミングが上手です。
そして、この注目コンビだからこそ、ありふれたベートーヴェンの交響曲第8番&第3番「英雄」というプログラムが、とても楽しみな、期待値の高いものに変わります。
ベートーヴェンの全9曲の交響曲のなかで、もっとも古典的な美があらわれている第8番と、同時代の英雄ナポレオンに触発され、ベートーヴェンの充実した作曲技法が結晶化した第3番「英雄」。
2023年も目が離せない、注目のオーケストラです(公式HP)。
2022年12月リリースの山下一史&愛知室内オーケストラ「シューマン:交響曲第2番」Amazon
♫ほかの月については、「コンサートに行こう!お薦め演奏会」ページからおねがいします。
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