わたしの試聴日記

わたしの試聴日記【交響曲&管弦楽曲】~クラシック音楽のサブスク、ラジオ、CDで出会った名演奏

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ブログ読者のみなさんへ、クラシック音楽のサブスク、ラジオ、CDなどで私が出会った名演奏をシェアするページです。

良い「出会い」があったときに、ジャンル別に随時更新していきます。

気が向いたときに聴いてみてください。

スタンフォード:交響曲第6番「G.F.ワッツの想い出に」

2024/08/24

 

( Apple Music↑ ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)

 

友人がアイルランドに留学中にて、ふと、アイルランド出身の作曲家について考える。

チャールズ・スタンフォード(Sir Charles Stanford, 1852-1924)は、まさにアイルランド、ダブリンにうまれた作曲家。

ホルスト、ヴォーン・ウィリアムズ、アーサー・ブリスらを教え導いた名教師でもあったひと。

 

そうして、彼の代表作のひとつとされる交響曲第3番「アイルランド風」を聴いてみるものの、以前聴いたときと同様、どこか私にはピンとこない。

あのマーラーが複数回わざわざ指揮をしたという作品なので、私がまだスタンフォードの音楽言語をしっかりと受けとれていないのかもしれない。

 

ただ、カップリングされていた交響曲第6番「G.F.ワッツの想い出に」には惹かれるものがあった。

ヴィクトリア朝の画家ジョージ・フレデリック・ワッツ(George Frederic Watts, 1817-1904)の訃報を受けて、その絵画や彫像から着想を得て作曲されたという。

そうした経緯があってか、この曲には、スタンフォードの保守的な生真面目さを包みこむ、ある種のファンタジーが感じられる。

 

それに演奏もいい。

ナクソス・レーベルでよく聴くデーヴィッド・ロイド=ジョーンズ(David Lloyd-Jones, 1934-2022)は、実に魅力的な指揮者だと思う。

このレーベルで素敵な録音に出会うと、かなりの確率で彼の指揮。

実演に接してみたかったひと。

 

スタンフォードがこの作品の源泉のひとつとした絵画“ Good Luck To Your Finishing ”

 

私が初めてワッツの絵画で目にしたのは“ Hope ”

クラシックのCDジャケットで、よく「レクイエム」などで引用される絵画。

 

ムーティ(指揮)ウィーン・フィルによる
ベートーヴェン:第九(2024Live)

 

( Apple Music↑ が独占配信中)

 

ムーティの記念碑的ベートーヴェン

 

1824年の5月7日、ウィーンでベートーヴェンの交響曲第9番が初演されました。

その日からぴったり200周年にあたる2024年5月7日、初演の地であるウィーンにおいて、帝王リッカルド・ムーティウィーン・フィルが「第九」の特別演奏会を行いました。

 

そのライヴ録音が、公演後1週間もたたないうちから配信されています。

 

ムーティは、ベートーヴェンの交響曲を比較的頻繁に指揮している指揮者のひとりなのに、レコーディングでは、若いころのフィラデルフィア管弦楽団との全集や、スカラ座との録音が数点あるくらい。

今回の演奏は、“ 今 ”のムーティだからこその、堂々たる、たっぷりとした響きをもつ、王道のなかの王道をいくベートーヴェン。

 

決して老年による弛緩した演奏などではなく、第1楽章の再現部でのティンパニーの大胆な扱いなどを聴けば、若き日に際だっていた情熱が見事に大成している姿をみることができます。

初演200周年という祝祭的な機会であると同時に、ムーティにとっても記念碑的な録音の登場だと思います。

 

「第九」の新譜でここまで満たされたのは、アッバード( Claudio Abbado, 1933-2014)が1996年にベルリン・フィルとレコーディングしたもの以来、ほんとうに久しぶり。

嬉しくなりました。

これは是非、CDなどで正式にパッケージ化してほしい録音。

 

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【2024年】クラシック音楽サブスクはApple Music Classicalがいちばんお薦め

 

スラットキン&セントルイス交響楽団による
チャイコフスキー:眠りの森の美女(全曲)

 

( Apple Music↑ ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)

 

間もなく80歳になるレナード・スラットキン(Leonard Slatkin, 1944-)の若き日の録音。

なんとなくジャケットのデザインにひかれて聴いてみた録音ですが、これがとっても素敵な演奏でした。

 

スラットキンは昔から大好きな指揮者のひとりです。

残念ながら、わたしがコンサート通いをはじめたころには全盛期を過ぎてしまっていて、数回、実演を聴きましたが、どれも弛緩した演奏で悔しい思いをしました。

 

私にとっては、どんなに才気あふれる音楽家であっても、晩年に至るまで魅力をたもちつづけるというのが、いかに難しいことなのかを教えてくれたひとりです。

 

この「眠りの森の美女」は、彼がとっても輝いていたセントルイス交響楽団時代(1979 – 1996年)の録音のひとつ。

この長大なバレエを、まったく飽きることなく聴かせます。

オーケストラのかがやき、その躍動が、コンビの全盛期をしのばせます。

 

フレッシュな果実のような、みずみずしい演奏の記録。

 

ノジー&ベルギー・ギィデ吹奏楽団による
「ショスタコーヴィチ:祝典序曲」ほか

 

( Apple Music↑ ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)

 

中学&高校と吹奏楽部に所属していたので、たまに無性に聴きたくるのが「吹奏楽」のアルバム。

ショスタコーヴィチの「祝典序曲」は、もともとはオーケストラ曲ですが、吹奏楽編曲で演奏されることも多く、私が最初に出会ったのも吹奏楽版でした。

 

演奏しているベルギー・ギィデ吹奏楽団 Royal Symphonic Band of the Belgian Guides は、吹奏楽における名門楽団で、ベルギー国内の音楽院を首席で卒業しないと入団できないという話を聴いたことがあります。

ノルベール・ノジー(Norbert Nozy)という指揮者の時代の録音は、魅力的なものが多く、これもその1枚。

 

ここに聴く演奏も、「立て板に水」という言葉がぴったりの一糸乱れぬアンサンブル。

多層的な響きのバランスには、聴いていて舌を巻きます。

 

このコンビのCDは、いまやほぼ廃盤状態。

サブスクだからこそ簡単に聴ける、ありがたい録音。

そのほかの選曲もよく、吹奏楽のひびきに、どっぷりと浸かれるアルバムです。

 

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