コンサートに行こう!お薦め演奏会

2023年12月のおすすめコンサート【 クラシック初心者向け 】~随時更新~

 

クラシック音楽のコンサートはもともと発売時期もいろいろですし、昨今はコロナ禍とウクライナ情勢で、情報公開がとてもゆっくりになっています。

ですので、このページは随時更新をしていきます。

どうぞ、ときおりご覧になってください。

 

 

初心者に体験していただきたい、本格的なクラシック・コンサートを選んでご紹介しています。

こちらでは2023年の12月をご紹介。

そのほかの月はそれぞれ別ページに記載していますので、『コンサートに行こう!お薦めの演奏会』のページから移動をおねがいします。

 

曲目ではなく、演奏者で選ぶのがクラシック・コンサート

 

初めてコンサートに行くとなると『モルダウ』や『運命』といった聴いたことがある曲目で選びたくなりますが、そうではなくて、まずは誰が演奏するのかで選びましょう

わかりやすく例えると、美味しいものが食べたければ、メニューより前に、美味しいお店を探すことが大切なのと同じです。

 

とはいっても、初心者であればあるほど、演奏者や指揮者の名前なんて知らないと思います。

そこで、このブログでは、クラシック音楽が大好きな私が、あくまで主観的に、自分でもチケットを買いたいと思う、お薦めのコンサート情報を厳選して掲載しています。

 

場所もクラシック・コンサートが集中する東京、関東、首都圏にこだわらず、北海道、東北、中部、近畿、関西、四国、中国、九州、沖縄まで、自分がそこに住んでいたら「行ってみたい!」という、とにかく気になるものを素直にピックアップしています。

 

主観で選んでいます

 

判断基準は、あくまでも、自分がこれまで実際に聴いたときの体験などの「主観」にもとづいています。

その分、しがらみや忖度はありません。

クラシックをふだん聴かない方は名前も知らないような演奏家がずらっと並んでいるかもしれませんが、「クラシック音楽と向き合ってみたい!」という方に、多少なり参考になればうれしいです。

 

初心者の方へのアドバイス

 

とくに重要なことは、

  1. いきなり高いチケットを買わない
  2. 当日券ではなく、前売りで買う

の2点です。

 

クラシック・コンサート初心者がいきなり高い席を買うのはお薦めしません。

理由は簡単で、クラシックのコンサートはハズレも多いからです。

 

私は結構コンサートに通っている方だと思いますが、いまだに予想を裏切られて、「つまらなかった…」とがっかりして帰ってくることがあります。

クラシック初心者の方が、そうした「つまらない」コンサートに当たってしまい、「クラシックって、こんなもんか」と思われてしまうのが嫌で、少しでも当たりをひく確率が上がればと、このページを作っています。

 

また、「前売り」については、一般的には、だいたい3~6か月前くらいにチケットの発売が開始されます。

半年先というとずいぶん先に思えるかもしれませんが、人気の公演はそれでも完売してしまいますし、最後に残るのはたいてい高い席です。

 

「高いお金を出したのにハズレだった」としたら、二度と行きたくならないのが人情です。

ですので、初めのうちほど、まずは手ごろな価格で、なるべく早めに前売り券を手に入れておきましょう。

 

こうした話を、「コンサートの選び方&チケットの買い方【初めてのクラシック・コンサート】」というページにまとめています。

さらには、チケットを手に入れたあと初心者の方が気になるであろう、「クラシックコンサートに行くときの服装」のことなどは、「コンサート当日の不安を解消!服は何を着る?持ち物は?【初めてのクラシック・コンサート】」というページにまとめています。

 

どのコンサートに行くか迷ったらノット&東京交響楽団へ

 

関東圏と新潟に限られてしまうのですが、このブログでは、どのコンサートに行くか迷ったら、まずはジョナサン・ノット指揮する東京交響楽団のコンサートへ行ってみることをお薦めしています。

日本には、世界の名門オーケストラがたくさんやってきますが、当然、どれもチケット代は高額に設定されます。

このブログでは、初心者の方に、1万円を超えるようなチケットをいきなり買うことはお薦めしていません。

理由は簡単で、世界最高峰の名門と言えども「ハズレ」の公演があるからです。

 

国内のオーケストラにも、世界の名門に肉薄するような演奏を展開する瞬間がありますので、まずは、それを体験してほしいので、その代表格であるジョナサン・ノット&東京交響楽団のコンビをお薦めしています。

 

ジョナサン・ノットは1962年イギリス生まれの指揮者で、現在、東京交響楽団の音楽監督をつとめています。

このノット&東京交響楽団のコンビが日本のクラシック界に与えている刺激は、たいへんなものがあります。

彼らのコンサートがすべて素晴らしいとまでは私も言い切りませんが、でも、「当たる」確率は非常に高いです。

ショスタコーヴィチ:交響曲第10番(ノット&東京交響楽団の2016年ライヴ録音)」Amazon

一点、初心者にとってハードルがあるとすれば、彼らのコンサートは演目がかなり本格的で、「運命&新世界」みたいなプログラミングの真逆を行くことです。

そこは、聴く側にも覚悟が求められています

10シーズン目を迎えるこのコンビのコンサートは、5月7月10月11月、12月に予定されています。

 

…と、いつもは書いているのですが、12月はノットの前任者、ユベール・スダーンによる注目公演があります

実は、その公演こそが、2023年のいろいろなコンサートのなかでも、私がいちばんにお薦めしたい公演。

是非、12月はまず、スダーン&東京交響楽団のコンサートを以下でチェックしてみてください!

 

お願い

 

コロナ禍とウクライナ情勢の影響で、公演の有無をふくめ、コンサートの日時、チケット発売日、曲目の変更、出演者の変更などなど、急な変更が日々いろいろ発生しているのが現状で、個人ではとても追い切れないものがあります。

ですので、こちらのページはあくまで大まかな地図としてお役立ていただいて、詳細は各公式サイト・各プレイガイドで必ず確認をお願いします

 

個人で集めている情報ですので、記載ミスなどもあるかもしれません。

その際にはどうぞご容赦ください。

 

12月のおすすめコンサート

コンサートはだいたいの日付順で掲載しています。

🔰=「曲目もスタンダードで入門に最適」マーク

=「今月、とくにコレに期待」マーク

演奏家の写真=関連のあるAmazon商品ページにリンク、著作権上問題のないものを使用しています。

 

また、このブログではオンライン配信のものも多くご紹介しています。

オンライン配信の聴き方については、「クラシック音楽をオンライン(サブスク定額制)で楽しむ~音楽好きが実際に使ってみました~」のページにまとめています。

 

 

🔰山下一史 指揮
ルートヴィヒ・クヴァント(チェロ)
愛知室内オーケストラ(愛知)

12/1(金)18:45@三井住友海上しらかわホール
公演詳細ページ
バルトーク:弦楽のためのディヴェルティメント
ルトスワフスキ:小組曲
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調

お薦めPOINT♪

メインはドヴォルザーク:チェロ協奏曲で、ドヴォルザーク(1841-1904)の代表作です。

このチェロ協奏曲では、数か所、ドヴォルザーク自身の若き日の歌曲「一人にして! Lasst mich allein!」が引用されています。

ドヴォルザークが50代になったころの作品ですが、実は、この曲を作曲中、ドヴォルザークの奥さんのお姉さんが重い病に倒れたという知らせが届きます。

実はその女性こそ、ドヴォルザークが若き日に恋心をいだいていた女性で、けれど、この恋は実らず、後年、妹さんと再会を果たし結婚に至りました。

その失恋相手でもあるお姉さんが、昔、「この歌が好き」と言ってくれた歌曲こそが、この曲で引用されている歌曲です。

全曲の最後、突然に静かな場面がはじまりますが、これはそのお姉さんが他界したあとに加筆された部分で、ここでもその歌曲が引用されて、ドヴォルザークの心の内が吐露された音楽となっています。

最後まで威勢よく終わったほうがいいとして、この部分をカットすることを提案する人もいたそうですが、ドヴォルザークが激しく拒絶したというエピソードが残っています。

 

今回、このチェロの名曲でソロを弾くのは、アッバード時代から長くベルリン・フィルの首席チェリストでもあるルートヴィヒ・クヴァント

好調の山下一史さん&愛知室内オーケストラのコンビとの共演で、とてもお薦めです。

 

 

 

🔰ポール・メイエ(指揮&クラリネット)
東京交響楽団
モーツァルト・マチネ

12月2日(土) 11:00@ミューザ川崎
公演詳細ページ
《オール・モーツァルト・プログラム》
歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」序曲K.588
クラリネット協奏曲 イ長調 K. 622
交響曲 第41番 ハ長調 K. 551「ジュピター」( 鑑賞ガイド )

お薦めPOINT♪

モーツァルト(1756-1791)が亡くなる少し前に完成させた作品のひとつが、クラリネット協奏曲イ長調です。

モーツァルトの晩年の作品は、どれも不思議なほどの透明度を持っていて、この孤高の天才の晩年の境地を感じさせます。

ほの暗い音色をもつクラリネットという楽器は、晩年の大作曲家に強く訴えかけるものがあるようで、ブラームス(1833-1897)もまた、晩年にクラリネットのための傑作を書き残しています。

 

このコンサートでクラリネットを吹くのは、フランスの名手ポール・メイエ

近年は指揮者としての活動も活発ですが、この公演では、彼のクラリネットと指揮、両方を体験することができます。

オーケストラは、ジョナサン・ノットとのコンビで絶好調の東京交響楽団なので、その顔合わせも魅力です。

土曜日の午前11時にはじまる、休憩なし、70分の短いコンサートですので、より気軽に楽しめるコンサートになっています。

 

( Apple Music↑ ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)

 

 

🔰ユベール・スダーン指揮
東京交響楽団(東京)

12月16日(土)18:00@サントリーホール
公演詳細ページ
12月17日(日)14:00@ミューザ川崎
公演詳細ページ
シューマン(マーラー編曲):交響曲第1番「春」変ロ長調( ♫ 鑑賞ガイド
ブラームス(シェーンベルク編曲):ピアノ四重奏曲第1番ト短調

お薦めPOINT♪

2023年、いちばん期待している公演がこちらのコンサートです。

メインはブラームス(シェーンベルク編曲):ピアノ四重奏曲第1番

ブラームス(1833-1897)が室内楽作品として書いた原曲を、シェーンベルク(1874-1951)が1937年に、オーケストラ用にアレンジした作品です。

シンバル、木琴、鉄琴、タンバリンなど、多種多様な楽器まで投入して、ブラームスの若き日の情熱あふれる作品を、最大限に拡大して見せた、編曲作品の傑作です。

前半には、シューマンが愛する妻クララとの新婚生活のなかで書きあげた交響曲第1番「春」が、大作曲家マーラーによる編曲版で演奏され、前半も後半も聴きどころ満載です。

 

指揮は、オランダ出身のユベール・スダーン、東京交響楽団を現在の位置づけまで押し上げた名匠です。

このプログラム、実は昨年、スダーンが大阪で指揮したものとまったく同じ。

あれを聴くために、大阪へ泊りがけで聴きに行こうかと本気で悩んだくらいでしたが、東京交響楽団と関東でもやってほしいと願っていたら、まさかのまさかで夢が叶いました。

スダーンは、堅実なイメージの指揮者ですが、デモーニッシュな作品でこそ、その最大限の魅力を感じることができます。

そんなスダーンにとって、シェーンベルク編曲によるブラームス作品は、まさにうってつけの音楽です。

スダーンのそうした魅力が録音で記録されたものはまったく見当たらないので、是非、会場で体験してください。

ジョナサン・ノット人気の高さに隠れてしまっている公演かもしれませんが、2023年の一押しの公演です

 

ブルックナー:交響曲第7番 スダーン&東京交響楽団2009年Live録音盤」Amazon

 

 

クァルテット・インテグラ(京都)

12/23(土)14:00@青山音楽記念館バロックザール
公演詳細ページ
【オール・ベートーヴェン・プログラム】
弦楽四重奏曲 第14番 嬰ハ短調 作品131
弦楽四重奏曲 第15番 イ短調 作品132
弦楽四重奏曲 第16番 ヘ長調 作品135

お薦めPOINT♪

昨年のミュンヘン国際音楽コンクールで弦楽四重奏部門2位と聴衆賞を受賞した、注目の若手弦楽四重奏団クァルテット・インテグラがベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲を演奏するコンサート。

ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲は、彼の数ある作品のなかでも、最も崇高で、最も深淵な世界です。

ですので、初心者向けというよりも、ある程度クラシックを聴き込んだ方向けかもしれません。

初心者の場合は、ベートーヴェンの弦楽四重奏でも「中期」の作品群のほうが親しみやすいです。

 

年末の冬の時期というのは、こうした作品にじっと耳を傾けるにはうってつけの季節。

「音楽を超えた音楽」とまで形容される、これらの作品群に向き合ってみたい方にお薦めのコンサートです。

 

 

ジョナサン・ノット指揮
東京交響楽団
第九演奏会

12/28(木)18:30@サントリーホール
(公演詳細ページ)
12/29(金)14:00@サントリーホール
(公演詳細ページ)
ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調「合唱つき」( ♫ 鑑賞ガイド

お薦めPOINT♪

ジョナサン・ノット指揮する東京交響楽団の第九公演については、これまでに3回聴きに行っています。

2019年、コロナ前の公演では、オーケストラの人数も合唱の人数もしぼり、ステージ上に密集する形態で配置して、ノットらしい凝縮された第九を実現させていました。

2019年ライヴ録音のオンライン配信は、Amazon Music↑で聴くことができます)

 

それが、コロナ禍に入り「密」の形態をとれなくなったことで、2021年に聴いたときには、合唱団をステージ後方に配置していましたが、響きが拡散してしまい、課題を感じさせました。

 

そして、昨年2022年は、その課題への対処であるかのように、合唱の人数を大幅に拡大していましたが、ノット本来の第九との乖離に、苦難を強いられている印象でした。

 

ノットと東京交響楽団のコンビによる「第九」は、まさに試練のなかで進化している「現在進行形の第九」。

はたして、2023年は理想の第九に近づけるのか。

目が離せない第九公演です。

 

 

♪ほかの月については、「コンサートに行こう!お薦め演奏会」ページから移動をおねがいします。

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