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クラシック初心者向けアルバムをご紹介するシリーズ。
今回は、イタリア人指揮者クラウディオ・アッバード( Claudio Abbado, 1933-2014)のアルバム「行進曲と舞曲集 Marce&Danze」をテーマにおとどけします。
クラシック音楽のいろいろな行進曲や舞曲をあつめた名曲アルバムです。
目次(押すとジャンプします)
クラウディオ・アッバードの名曲アルバム「Marce & Danze」
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収録曲
🔰=クラシック音楽に馴染みがなくても耳にしたことがあるかもしれない曲
1.モーツァルト:5つのコントルダンス K.609~第1曲ハ長調 『もう飛ぶまいぞ』
2.モーツァルト:5つのコントルダンス K.609~第3曲ニ長調
3.モーツァルト:3つのドイツ舞曲 K.605~第3曲ハ長調『そりすべり』
🔰4.ベートーヴェン:『献堂式』~トルコ行進曲
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5.シューベルト:ギャロップと8つのエコセーズ D.735~ポルカ
6.シューベルト:ギャロップと8つのエコセーズ D.735~ギャロップ
7.シューベルト:『フィエラブラス』 D.796~行進曲と合唱
8.ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容~行進曲
9.ベルリオーズ:幻想交響曲~断頭台への行進
10.ビゼー:『カルメン』~密輸入者の行進
🔰11.ワーグナー:『ローエングリン』~結婚行進曲(婚礼の合唱)
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🔰12.ヴェルディ:『アイーダ』~大行進曲
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13.ブラームス:ハンガリー舞曲第1番ト短調( ♫ 鑑賞ガイド )
14.ブラームス:ハンガリー舞曲第21番ホ短調
15.チャイコフスキー:交響曲第2番~第2楽章
16.チャイコフスキー:スラヴ行進曲
🔰17.プロコフィエフ:ロメオとジュリエット~モンターギュー家とキャピュレット家
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18.プロコフィエフ:行進曲 op.99
🔰19.J.シュトラウス:ラデツキー行進曲
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ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
シカゴ交響楽団
ロンドン交響楽団
ミラノ・スカラ座管弦楽団
ヨーロッパ室内管弦楽団
子どもたちのために
子どもたちのための特別なアルバム
世界中にはたくさんのオーケストラがあります。
その頂点に立つオーケストラというと、一般には音楽の都ウィーンのウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、そして、ドイツにあるベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が挙げられます。
そのひとつ、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団は、その時代を代表するような指揮者が芸術監督をつとめることが多いため、いったい誰がベルリン・フィルの芸術監督になるのかというのが、多くのクラシック音楽ファンには関心があるところです。
「帝王」と称されたカラヤン(Herbert von Karajan, 1908-1989)の長い時代がおわって、次にその地位についたのが、イタリア人の指揮者クラウディオ・アッバード( Claudio Abbado, 1933-2014)でした。
前回、このシリーズでご紹介したアルバムは帝王カラヤンによるものです。
アッバードという指揮者はレパートリーがかなり特殊で、こうした名曲アルバムの類いをほとんど出さない人としても有名でした。
レコード会社が名曲アルバムをつくるときには、交響曲のなかの一部分を取り出したり、自由に編纂をするわけですが、そうしたことを非常に嫌ったというアッバードの録音は、切り売りができない契約になっていた、という話まで聞いたことがあります。
そんな彼が晩年、例外的に許可して、かつ、自身で選曲までおこなってリリースしたのが、この「行進曲と舞曲集 Marce&Danze」というアルバムです。
これは、自身の75歳を祝う記念アルバムとして出たもの。
「子どもたちがクラシック音楽に親しむきっかけになれば」というアッバードの優しさから生まれた、例外的な名曲アルバムです。
選曲がとってもおもしろい
アッバードという指揮者は、非常にレパートリーが広かったいっぽうで、こだわりも人一倍で、かなり特殊なレパートリーを形成していました。
オペラの世界で活躍したのに、プッチーニはいっさい指揮しないし、ヴェルディはよく取り上げるものの、とりわけ有名な「椿姫」は指揮せず、あまり人気のない「シモン・ボッカネグラ」で伝説的な名舞台を披露するなど、独自の世界を持っていた指揮者でした。
それゆえに、このアルバムの選曲もレコード会社が企画したら絶対こうはならないだろう、というくらい面白い選曲になっています。
オペラからの作品が含まれているのも特徴ですが、ほとんど上演されないシューベルトの歌劇「フィエラブラス」が入っていたり、ビゼーの有名な「カルメン」からは「行進曲」などの有名な旋律の箇所でないところを選んでいたり。
ブラームスのハンガリー舞曲からも、有名な第5番を選んでいないあたり、なるほどアッバードがほんとうに選曲したのだと納得される選び方です。
でも、たとえば、プロコフィエフ:行進曲。
有名ではなくても、一聴してその魅力がストレートに響いてくるような作品が随所に散りばめられていて、「技あり」な選曲に感心してしまいます。
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このアルバムの次に聴くべきアルバム
「ピーターとおおかみ」
アッバードは若い音楽家たちを支援することにも熱心で、そうして生まれたオーケストラのひとつが「ヨーロッパ室内管弦楽団」です。
そのヨーロッパ室内管弦楽団を指揮しての「プロコフィエフ・アルバム」をここにご紹介します。
アルバムのメインは、ロシアの作曲家プロコフィエフが「子どもたちむけの交響的物語」として、ナレーションつきで作曲した音楽劇「ピーターと狼」。
ピーターは弦楽器、狼はホルン、猫はクラリネット…というふうに、登場人物に楽器がわりあてられています。
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収録曲
すべてプロコフィエフ(1891-1953)の作品
1.ミリタリー・マーチ(軍隊行進曲)
2-11.音楽物語「ピーターと狼」
12.ヘブライの主題による序曲
13-16.古典交響曲
クラウディオ・アッバード(指揮)
ヨーロッパ室内管弦楽団
有名ではないけれど親しみやすい「軍隊行進曲」で始まり、子ども向けに作曲された「ピーターと狼」に突入。
そのあとには、これまた有名ではないけれどノスタルジックで心にしみる「ヘブライの主題による序曲」を置いて、最後は、快活な「古典交響曲」でしめくくるという、お見事な選曲と配置。
まさにアッバードならではの、プロコフィエフという作曲家を多面的に見ることもできるアルバムです。
選曲をみても、また、アルバムのジャケットを見ても、アッバードが特に子どもたちを意識して制作したアルバムのように感じられます。
ナレーションにもひと工夫
この録音には、さまざまな言語でナレーションがつけられました。
担当したメンバーも非常に多彩です。
【日本語版】
坂東玉三郎さんがナレーションをつけています。
【英語版】
イングランド出身のミュージシャン、スティングが担当しています。
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【スペイン語版】
なんと、世界三大テノールのひとり、ホセ・カレーラスがナレーションを担当しています。
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この企画は「映像」作品もつくられ、テレビで放送されたこともあります。
人形劇と実写を上手にくみあわせて、アッバード本人も登場する力の入った作品でした。
とってもすばらしい出来栄えだったので、いつか日本版も出てほしいものです。
オンライン配信の聴き方
♪このブログではオンライン配信の音源も積極的にご紹介しています。
オンライン配信の聴き方については、「クラシック音楽をオンライン(サブスク定額制)で楽しむ~音楽好きが実際に使ってみました~」のページでご紹介しています。
現状、Apple Music アップル・ミュージックがいちばんおすすめのサブスクになっています。
■Apple Music Classical日本版が解禁!クラシック音楽に特化~弱点もちょっとあります
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判断基準はあくまで主観。これまでに実際に聴いた体験などを参考に選んでいます。
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