わたしの試聴日記

わたしの試聴日記【室内楽&器楽曲】~クラシック音楽のサブスク、ラジオ、CDで出会った名演奏

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ブログ読者のみなさんへ、クラシック音楽のサブスク、ラジオ、CDなどで私が出会った名演奏をシェアするページです。

良い「出会い」があったときに、ジャンル別に随時更新していきます。

気が向いたときに聴いてみてください。

バルトルディ弦楽五重奏団のブラームス:弦楽五重奏曲集

2024/9/9

( Apple Music↑ ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)

 

その音楽を、とても身近に感じられるブラームス演奏。

 

名曲中の名曲なのに、どういうわけか演奏頻度がやや低い作品のひとつが、このブラームスの弦楽五重奏曲と言われます。

2009年結成というバルトルディ弦楽五重奏団 Bartholdi Quintett は、とても大らかに作品を歌い上げます。

 

一度聴きはじめると、おしまいまで耳をかたむけずにはいられない、とても人好きのする演奏。

神経過敏な、意識過剰な演奏が多い最近の傾向のなかでは、めずらしく、聴いていてホッとする演奏です。

 

音楽にひたむきに向き合っている、飾らない、けれど、素敵なブラームス。

 

以前聴いた、イギリスのエリアス弦楽四重奏団のことを思い出しました。

初めて日本に姿をみせた英国の弦楽四重奏団~エリアス弦楽四重奏団を聴く

 

テューレックのバッハ:ゴールドベルク変奏曲

2024/8/5

前半

( Apple Music↑ ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)

 

後半

( Apple Music↑ ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)

 

わたしの大好きなラジオ番組「クラシックの庭」(NHK-FM)では、ここ2週間おもしろい特集企画がつづき、とても楽しい日々でした。

選曲はもちろん、選ばれる録音、演奏家がすばらしく、毎回が聴きどころ満載でした。

 

NHK-FMの歩き方、クラシック音楽をラジオでたのしもう♪~ラジオの聴き方とお薦め番組

 

いちばん唸ったのが、「大作を聴く」という特集の第2回「バッハのゴールトベルク変奏曲」。

きっとグレン・グールド(1932-1982)の録音が紹介されると思っていたのですが、メインディッシュに流れたのは、まさかのロザリン・テューレック(Rosalyn Tureck, 1914 – 2003)の録音。

脱帽です。

 

テューレックはアメリカの女流ピアニストで、グールドが演奏の参考にしていたことでも有名なピアニスト。

バッハの演奏がとくに名高く、じっくりと、必要なだけ時間をかけて、克明に彫琢されていく演奏は、いつ聴いても凄みを感じます。

 

生涯に7回も録音されたバッハのゴールドベルク変奏曲のうち、今回の放送では、一時期いちばんのレア音源として有名だった1957年6月&8月のEMIスタジオ録音盤がえらばれていました。

1時間34分をかけての、大演奏。

 

“ テンポ ”とは何?

“ 時間 ”とは何?

強い訴えかけと、強い美しさをもつ録音。

 

※上記サブスクのリンクですが、相変わらず、どのサブスクも録音年の表記がないものがほとんどなので、おそらくこれだろうと思われる録音を選んであります。

 

ミクローシュ・ペレーニ(cello)
バッハ:無伴奏チェロ組曲(旧録音)

 

 

ハンガリー生まれ、現代を代表する名チェリストであるミクローシュ・ペレーニ(Miklos Perenyi, 1948 – )によるバッハ:無伴奏チェロ組曲。

ペレーニは、2019年にあたらしい録音を出していますが、これは1981年、ペレーニ33歳のときの旧録音

 

この録音については、ペレーニ自身が不満をもっているようで、今もってCDになっていなかったはず。

いっぽうで、ペレーニのファンのあいだでは「名演奏」として名高い録音。

そのLPレコードは、フンガロトンというハンガリーのマイナーレーベルから出ていた貴重盤でもあり、中古市場でたいへんな高値がついています。

 

「いつか聴いてみたい」とずっと思っていたのですが、なんと Apple Music (Apple Music Classical) で配信されていました。

まさかと思い、おどろきました。

 

聴いてみて、もちろん、LPレコード特有の、あの実在の音で聴く体験には遠く及ばないのはわかっています。

でも、それでも、ようやく耳にできた、という喜びが圧倒的に勝ります。

 

1980年代にしてはデッドな録音。

それゆえに、演奏の誠実さ、素朴な質感がにじみ出るようで、虚飾のない音楽に心打たれます。

新録音もすばらしいですが、私は、こちらの旧録音のほうが胸に迫るものがあります。

 

これは噂どおりの、パブロ・カザルス(1876-1973)とか、そうした録音と同列で語られて当然の、たいへんな演奏です。

なるほど、何万円も出してLPレコードを手に入れるひとの気持ちがわかる録音です。

 

ペレーニは2025年に来日予定です。

 

※2024年7月現在、どうやらApple Music のみでの配信のよう。

【2024年】クラシック音楽サブスクはApple Music Classicalがいちばんお薦め

 

ウルフ・ヴァリン(violin)
「エルガー:ヴァイオリン作品集」

 

( Apple Music↑ ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)

 

Apple Music Classicalの新譜コーナーで出会った音源。

「愛のあいさつ」をふくむ、サー・エドワード・エルガー(Sir Edward William Elgar, 1857-1934)のヴァイオリン作品があつめられたアルバム。

 

演奏しているのが、ウルフ・ヴァリン(Ulf Wallin)というヴァイオリニスト。

わたしは初めて聴く方でしたが、冒頭の「ヴァイオリン・ソナタ」にすっかり魅了されました。

スウェーデンを代表する名ヴァイオリニストにして名教師という方で、若いころに、あのヴォルフガング・シュナイダーハン(Wolfgang Schneiderhan, 1915-2002) に師事された方だそうです。

 

とっても腰のすわった音楽をされる方で、どこか難解に聴こえることが多いエルガーのヴァイオリン・ソナタが、折り目正しく、しっとりと演奏されていきます。

伴奏をつけているローランド・ペンティネン(Roland Pöntinen)というピアニストも非常に繊細で、この人もまた、詩情のある音楽を奏でています。

 

「愛のあいさつ」がややクセのある歌いまわしなのが意外でしたが、このアルバムは、エルガーのヴァイオリン作品集として、その代表格のひとつになっていくにちがいないと思います。

 

この方たちは、日本でコンサートを開いたことはあるんでしょうか。

実演に触れてみたいデュオです。

 

エルガーのヴァイオリン・ソナタは、以前、漫画「のだめカンタービレ」で素敵なシーンに登場して話題になりましたが、その当時、いまひとつピンとこなかったという方にも、再チャレンジしてみていほしい録音です。

 

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ペッテション=べリエル:「フレースエーの花々」

 

( Apple Music↑ ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)

 

6/20(木)放送のNHK-FM「クラシックの庭」ではじめて出会った作品。

スウェーデンの作曲家ヴィルヘルム・ペッテション=ベリエル(Wilhelm Peterson-Berger, 1867-1942)ピアノ曲集「フレースエーの花々」

 

素直すぎるくらい抒情的で、可憐な小品の数々。

作曲家の名前こそ知っていましたが、こうした作品を書いたひととは知らず、とってもおどろきました。

親しみやすい旋律線の連続で、和声の進行には独特な美しさが感じられます。

 

この作品以外のものも数曲聴いてみましたが、「交響曲」などを聴いてみても、緩徐楽章の美しさがいちばん印象に残ります。

「大作曲家」として大通りにあるというよりは、もうちょっと控えめな、小径に咲いている花々を連想させる音楽。

そういう印象の作曲家が現在も国民的な人気を博していると聞くと、「スウェーデン」という国の文化にも思いをはせずにいられません。

 

演奏は日本の小川典子さん。

この作品の代表的な録音となっているのも納得の、抒情的で、とっても素敵な演奏。

この作品をはじめて聴く方は、スウェーデンのひとたちがとりわけ愛しているという第2曲「夏の歌 Sommarsangから聴いてみてください。

 

この作品を普及させたいということで、日本の出版社(➡道和書院)から日本版の楽譜も出ています。

すばらしい仕事だと思います。

「フレーセーの花」というタイトルで出版されています。

 

 

ラルス・ルース「21 Piano Miniatures」

 

( Apple Music↑ ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)

 

Apple Music Classical の新譜に入っていたのですが、録音時代は1980年代のものです。

ピアノのおけいこで弾いたことのある小品が数多くおさめられた、ありそうでないアルバム。

 

メンデルスゾーンの「ロンド・カプリチオーソ」といった名曲中の名曲も収められていますが、リヒナーの「忘れな草」、ローデ「あやつり人形」のような小品にこそ、このアルバムの価値があるように思います。

肩のちからを抜いて、サロンの音楽を聴くよう。

メインディッシュにはなれないけれど、お皿を美しく彩る作品たちが心地よいアルバムです。

 

演奏しているのが、スウェーデンのピアニスト、ラルス・ルース(Lars Roos, 1945-)

同郷の大歌手、あのビルギット・ニルソン(Birgit Nilsson, 1918-2005)の伴奏ピアニストとしても活躍した方で、でも、どちらかというと、こうしたピアノの小品のレコーディングでよく名前を見かけるピアニストです。

目の病気をされて、現在の活動は限定的になっているようです。

 

オンライン配信の聴き方

 

♪このブログではオンライン配信の音源も積極的にご紹介しています。

現状、Apple Music アップル・ミュージックがいちばんおすすめのサブスクです。

【2024年】クラシック音楽サブスクはApple Music Classicalがいちばんお薦め

 

Amazon Musicアマゾン・ミュージックも配信されている音源の量が多く、お薦めできます。

Amazonでクラシック音楽のサブスクを~スマホは音の図書館

 

お薦めのクラシックコンサート
コンサートに行こう!お薦め演奏会

 

♪実際に聴きに行ったコンサートの感想・レビュー
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