NHKラジオのアプリ「らじるらじる」で、ついにクラシック番組の「聴き逃し」放送が開始されました。
このページでは、「聴き逃し」対応番組を中心に、その聴きどころを「随時更新」でお伝えしていきます。
放送直後から1週間後まではいつでも聴けますので、興味のわくものがあったら実際に聴いてみてください。
※このブログはNHKさまとは無関係です。わたしが「よかった!」と思った番組を勝手にピックアップしています。
※どのようなブログ形式がよいか模索中です。ゆるりとお付き合いください。
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らじお日記~随時更新中~
♫このブログでは、いろいろな音源をご紹介するときに、オンライン配信されているものを中心にご紹介しています。
オンライン配信でのクラシック音楽の聴き方については、「クラシック音楽をオンライン(サブスク定額制)で楽しむ~音楽好きが実際に使ってみました~」という記事にまとめています。
11/27~マゼールの名演奏
11/27(日)~1週間
名演奏ライブラリー(公式HP)
★らじるらじる「聴き逃し」対応★
ロリン・マゼール(1930-2014)の特集。
わたしはマゼールには思い入れがあって、それはブログでも「あんなに腹をたてなければよかった~名指揮者マゼールの思い出、そして、彼の最高のマーラー録音」という記事にも書きました。
冒頭から、素晴らしいガーシュウィン「ポーギーとベス」の録音が紹介されてうれしくなりましたが、ベルリオーズの序曲「ローマの謝肉祭」がこの日いちばんの発見でした。
というか、この録音、いろいろな場面で耳にしていて、その度に素晴らしいと感じていたのに、あまりそのことを意識していませんでした。
今回この放送でわざわざ選ばれたのをみて、あぁ、やっぱりこれは特別に素晴らしい演奏のひとつなんだと、あらためて気づかされました。
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マゼール、素敵な指揮者でした。
11/24~秋に聴くビオラの名曲
11/24~1週間
クラシックカフェ(公式HP)
★らじるらじる「聴き逃し」対応★
チリ出身の名ピアニスト、クラウディオ・アラウの弾くベートーヴェン:ピアノソナタ第3番を聴こうとラジオに耳を傾けましたが、そのあとに流れたテレマン作品、それから何といってもブルッフのビオラ作品に驚きました。
ブルッフは何といっても『ヴァイオリン協奏曲第1番』と『スコットランド幻想曲』で有名で、逆にそれ以外の作品はほぼ忘れられている作曲家ですが、今回流れた『ビオラと管弦楽のためのロマンス 作品85』と『クラリネットとビオラのための協奏曲 ホ短調 作品88』は、どちらもとても美しい音楽で聴き惚れました。
『クラリネットとビオラのための協奏曲 ホ短調 作品88』が書かれたのは1911年ということなので、すでに20世紀初頭。
1911年といえば、グスタフ・マーラー(1860-1911)が亡くなった年ですから、ブルッフの作品がかなりオールドファッションだったことがわかりますし、初演されてもほとんど話題にならず、作曲者の死後20年以上出版されなかったというのも納得されます。
ただ、人間の晩年の進境が見事に反映されているようにも思えて、ちょうど秋のこの季節に聴いていると、心をうつものがありました。
どちらの作品も同じアルバムにおさめられているもので、ビオラがジェラール・コセ、クラリネットがポール・メイエ、リヨン歌劇場管弦楽団をケント・ナガノが指揮したアルバムからのものが放送されていました。
演奏もとてもよかったです。
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あまり耳にすることのない、これらの作品のあとには、メンデルスゾーンの交響曲第4番「イタリア」が若き日のムーティの指揮で流れて放送が締めくくられました。
このあたりのバランスのうまさは、「クラシックカフェ」にいつも感心します。
11/22~名ピアニストたちの名曲名演奏
11/22(火)~1週間
クラシックカフェ(公式HP)
★らじるらじる「聴き逃し」対応★
バッハ(ブゾーニ編曲)の「シャコンヌ」、ショパンのピアノ協奏曲第2番、ラフマニノフのピアノソナタ第2番、そして、ラフマニノフの合唱交響曲「鐘」というプログラム。
プログラムもすばらしいですが、演奏者も名録音ばかりが選ばれています。
まず冒頭の「シャコンヌ」は巨匠アルトゥール・ルービンシュタインのピアノ演奏。
この録音、ずっとずっと以前から聴こうと思っていて、今回ようやく、初めて耳にしました。
ピアノという楽器は、ここまでのことができるのだと教えられる、素晴らしい演奏。
この曲については、ミケランジェリの演奏と並んで、脱帽の演奏でした。
オンラインでは、カーネギーホールでのライヴのものが配信されています。
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ショパンのピアノ協奏曲第2番は、サンソン・フランソワのピアノ独奏。
好きな作品しか練習しなかったという、天才フランソワ。
この人のピアノの音は、独特の澄みきった美しさがあって、その即興的な音楽性とあいまって、何度聴いても、これ以上ない繊細なショパンに心奪われます。
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つづいて、ラフマニノフの難曲、ピアノソナタ第2番が巨匠ホロヴィッツの演奏で紹介されました。
空前絶後の大きさ。
言葉を失います。
演奏後のカーネギーホールの聴衆の大喝采が聞こえてきて、そう、これはライヴ演奏だったんだ、とあらためて驚きます。
もうお腹いっぱいの放送回ですが、さらに最後、自身が名ピアニストだったラフマニノフの合唱交響曲「鐘」が流れました。
私は以前にプレトニョフの録音を聴いて好きになりましたが、ここでは巨匠キリル・コンドラシンの指揮する録音が選ばれていて、これもまた素晴らしい演奏でした。
とっつきづらさのある曲ですが、だんだんと好きにならずにいられない、不思議な魅力のある音楽です。
選曲といい、録音の選び方といい、2時間ずっと聴きどころというすごい放送回でした。
11/20~ネルソン・フレイレの名演奏
11/20(日)~1週間
名演奏ライブラリー(公式HP)
★らじるらじる「聴き逃し」対応★
先日、アルゲリッチのデュオ・リサイタルを聴いて、フレイレとのデュオを思い出し、聴きなおしていたところでした。
ブラジル出身のピアニストで、昨年2021年に他界したネルソン・フレイレを特集した放送。
冒頭に巨匠ルドルフ・ケンペと共演したグリーグ・ピアノ協奏曲が流れましたが、ひさびさに聴いて、すっかり魅了されました。
曲を無理に肥大化させず、自然に鳴らせているところが、この謙虚なふたりの顔合わせならではの演奏になっています。
「グリーグ&シューマン:ピアノ協奏曲集」Amazon
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11/19~ヴォーン・ウィリアムズの合唱曲
11/19~1週間
ビバ!合唱(公式HP)
★らじるらじる「聴き逃し」対応★
最近、らじるらじるの「聴き逃し」に加わった合唱の番組。
今回は、ちょっと珍しい、イギリスの大作曲家レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958)の特集。
解説ではじめて知ったのですが、ヴォーン・ウィリアムズの作品の7割は声楽曲なんだそうで、器楽曲のイメージが強いひとだけに驚きました。
番組最後には、エリザベス女王の戴冠式のために作曲された詩篇34篇による「味わい、見よ」が紹介されたのですが、ヴォーン・ウィリアムズの葬儀のときにも歌われて、それがまた66年後、先日行われたエリザベス女王の国葬のときにも歌われ、しかも、それが同じウエストミンスター寺院、同じ9月19日だったという不思議な縁も紹介され、興味の尽きない放送回でした。
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このアルバムの2曲目には「味わえ、見よ」が入っています。
そのあと3曲目には、放送でも流れましたがクリスマス・キャロルとして有名な“ God Rest Ye Merry Gentlemen 神が歓びをくださるように ”の原曲であろう歌がおさめられています。
11/17~巨匠クーベリックのドヴォルザーク:交響曲第8番
11/17(木)~1週間
クラシックカフェ(公式HP)
★らじるらじる「聴き逃し」対応★
メインは、ドヴォルザークの交響曲第8番で、これをチェコの巨匠ラファエル・クーベリック(1914-1996)がベルリン・フィルを指揮した名録音で紹介されています。
ひさしぶりにこの有名な録音を耳にしましたが、いまあらためて聴いてみると、この世代の巨匠たちは何て凛とした、格調高い演奏をくりひろげていたんだろうと耳を奪われます。
これを聴くと、最近のクラシック演奏の多くが、軒並み“ 世俗化 ”していることに気づかされます。
当時の音楽が本来持っていた品格、ある種の「高貴な精神」を私たちは失いつつあるのかもしれません。
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番組冒頭では、こちらも名録音として名高いヴァーツラフ・スメターチェク(1906-1986)指揮チェコ・フィルの演奏によるスメタナ:『わが祖国』~“ 高い城 ”と“ モルダウ ”の2曲が放送されました。
こちらも久しぶりに聴いて、スメターチェクのすっきりとしたシャープな切り口が、スメタナの名曲にあたらしい風を吹き込む様をたのしみました。
これも実に素敵な演奏。
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11/16~ブラームスのクラリネット三重奏曲
11/13(水)~1週間
クラシックカフェ(公式HP)
★らじるらじる「聴き逃し」対応★
ルービンシュタインの弾くショパンの「幻想曲へ短調」やヘブラーの弾くモーツァルト「幻想曲ニ短調」が聴きたくてラジオを流していたのですが、思いがけず、2曲目に流れたブラームスの「クラリネット三重奏曲」に耳をうばわれました。
クラリネットがポール・メイエ、チェロがゴーティエ・カプソン、ピアノが二コラ・アンゲリッシュという、中堅の音楽家たちのアンサンブルで、2015年にルガーノでおこなわれた「アルゲリッチ・フェスティバル」でのライヴ録音。
アンゲリッシュはアメリカ人で、メイエとカプソンはフランス人。
そのフランス風の軽い、爽やかな音色が、ブラームスの和声のうつろいをあざやかに反映していて、ブラームス晩年の澄んだ抒情性をすっきりと浮かび上がらせています。
秋の空に染み入るような音楽。
ここでピアノを弾いている二コラ・アンゲリッシュは、今年2022年の4月に、病のため51歳の若さで世を去ってしまいました。
ブラームスにとりわけ思入れがあったというアンゲリッシュ。
とても美しい録音が残されました。
「ルガーノ・フェスティヴァル・ライヴ2015」Amazon
(オンライン配信では、 Apple Music ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)
11/13~上岡敏之さん指揮 新日本フィルハーモニー
11/13(日)~1週間
名演奏ライブラリー(公式HP)
★らじるらじる「聴き逃し」対応★
「創立50年 新日本フィルハーモニー交響楽団」という特集がくまれて、歴代の指揮者たちによる演奏が紹介されました。
なかでも、上岡敏之さんの指揮した録音にいちばん時間が割かれていて、とてもうれしい放送でした。
「新日本フィルを聴くなら上岡敏之さんの指揮で~ラルス・フォークト氏の代役として登壇」という記事で書きましたが、上岡敏之さんが指揮したときの新日本フィルの演奏水準の高さにはおどろいた経験があります。
放送では、ドイツを本拠地としている上岡敏之さんがコロナ禍で来日できず、結果、音楽監督を早期に退任することになってしまった経緯が紹介されていて、なるほど、そういう事情だったのかと納得がいきました。
番組では、2019年1月におこなわれたニューイヤー・コンサートのライヴ録音である「オペラ・イタリアーナ」と題されたアルバムから数曲が紹介されています。
どれも面白い演奏で、これを生演奏で聴いた方がとてもうらやましくなりました。
1週間の聴き逃し対応ですが、以下にアルバムのリンクも貼っておきます。
「オペラ・イタリアーナ 上岡敏之&新日本フィル」Amazon
(オンラインでは Apple Music ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)
11/12~井上道義さん指揮NHK交響楽団
11/12(土)~1週間
N響演奏会(公式HP)
★らじるらじる「聴き逃し」対応★
2024年末での引退を表明している井上道義さんが登場。
プログラムがおもしろくて、前半が伊福部昭:シンフォニア・タプカーラ、後半がショスタコーヴィチの交響曲第10番でした。
2曲ともに面白く聴ける、素晴らしい演奏が展開されました。
シンフォニア・タプカーラは、「熱い!」というよりは、シャープな響きを重視したスピーディーな演奏で、こういう方向性でも演奏できるのかと、新鮮に耳を傾けました。
解説で出ていた作曲家の吉松隆さんが「本来はもう少し違う響きの曲だとも‥」というようなことをおっしゃっていたのは、私もそうだと思いました。
でも、ここに新鮮さがあったのも確かで、素直におもしろかったです。
井上道義さんは、2023年の3月にも音楽大学のオーケストラで、この曲を指揮する予定があります(「コンサートに行こう!お薦め演奏会」ページでご紹介しています)。
後半のショスタコーヴィチは、ショスタコーヴィチ・フリークとして有名な井上道義さんだけあって、とにかく「安心して聴いていられる」演奏でした。
ここでもシャープな切り口が特徴になっていて、重苦しいショスタコーヴィチではありません。
まさに「自家薬籠中の物」といっていいような安定感があって、井上さんのショスタコーヴィチは聴けるうちに聴いておかないととあらためて感じさせられました。
「ショスタコーヴィチ交響曲全集 at 日比谷公会堂」Amazon
11/9~ラジオの醍醐味
11/9(水)~1週間
クラシックカフェ(公式HP)
シベリウスの交響曲第4番 他
★らじるらじる「聴き逃し」対応★
シベリウスの弦楽四重奏曲ニ短調「親しい声」は、シベリウスの非常に数少ない室内楽作品のひとつで、ある程度の規模を持つ作品としてはほとんど唯一と1いっていい作品です。
いままで何度か耳にしていましたが、この放送で流れた「ジュリアード弦楽四重奏団」による演奏を聴いて、目から鱗が落ちるかのような思いでした。
作品の抒情性が自然にうたわれ、かつ、音楽が有機的に構築されていく、素晴らしい演奏でした。
もし私と同じように、「どうもシベリウスの弦楽四重奏曲はいまいちピンとこない‥」という印象をお持ちの方がいらっしゃれば、是非、この放送で流れるジュリアード弦楽四重奏団の演奏で聴いてみてください。
こうして、素晴らしい名演奏と思いがけず出会えるのはラジオならではの醍醐味です。
聴き逃しの期間がおわったときの方のために、オンライン配信のリンクも貼っておきます。
Sibelius : String Quartet in d minor, Op56“ Voces intimae ”
( Apple Music↑ ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)
そして、さらに、この放送で驚いたのが、最後に流れたセリム・パルムグレン作曲「フィンランドの情景 作品24」。
寡聞にして、このパルムグレン(Palmgren)という作曲家の名前すら初めて知りました。
予想もしていない出会い、これもまた、まさにラジオの醍醐味でしょう。
パルムグレンは、シベリウスの13歳年下というフィンランドの作曲家。
思いがけず、美しく、たのしい音楽が流れてきて、フィンランドにはまだこんなに素敵な作曲家がいたのかと驚きました。
人好きのするメロディーがとても美しい作品です。
こちらも、「聴き逃し」に間に合わなかったときのために、オンライン配信のリンクを貼っておきます。
Palmgren : Pictures from Finland for Orchestra, Op. 24
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11/6~ランパルの魅力
11/6(日)09:00~1週間
名演奏ライブラリー(公式HP)
20世紀を代表するフルート奏者 ジャン・ピエール・ランパル
★らじるらじる「聴き逃し」対応★
フルート界の王様、ジャン=ピエール・ランパル(1922-2000)の特集。
選曲がとても秀逸で、その魅力を再発見させてもらいました。
冒頭のプロコフィエフ:フルート・ソナタニ長調は、今回、ランパルの演奏で初めて聴いて、こんなに美しい音楽だったのかと目から鱗が落ちる思いがしました。
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放送2曲目のCPEバッハ:無伴奏フルート・ソナタ イ短調Wq.132も、耳を奪われる美しさです。
私がコンサート通いを始めたころには、もうランパルの最後期で、それでも選り好みせずに、生の音に触れておけばよかったと今さらながらに後悔させられる、美音の極みです。
そして、オンライン配信を探していて、偶然見つけたのですが、「指揮者」として、モーツァルトの「リンツ」と「プラハ」を指揮したものに出会いました。
聴いてびっくりの、まさに“ 一芸は道に通ずる ”を実感させられる素敵な演奏です。
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11/2~クラシックカフェのロシア音楽特集
11/2(水)14:00~1週間
クラシックカフェ(公式HP)
チャイコフスキーの「眠りの森の美女」他
★らじるらじる「聴き逃し」対応★
番組冒頭は、ロシアの作曲家グリンカの「ヴィオラ・ソナタ」。
こういう、なかなか自分では聴こうとしない作品に出会えるのも、ラジオの醍醐味といっていいのではないでしょうか。
この番組では、もう何年も前になりますが、グリンカ特集が組まれたときがあって、そのときに、「ルスランとリュドミラ」だけではない、様々な室内楽の名作の世界もあることを教えられ、実際、その数々の未知の作品の味わい深さに驚きました。
このヴィオラ・ソナタも、とっても素朴で自然な美しさがあります。
グリンカは「ルスラン」しか知らないという方に、是非とも耳を傾けていただきたい作品です。
その意味では、2曲目のダルゴムイシスキー:「空の雲」という5分ほどの歌曲、私は今回はじめて耳にしました。
これがほんとうに美しい。
まさにロシアでしか生まれようのない、ロシアの情景が目に浮かぶような歌曲。
こんな美しい歌を生む国がどうして、と思わずにいられません。
もちろん、そうしたマイナーな名作だけでなく、ロシアの名指揮者ロジェストヴェンスキーがパリ管弦楽団を指揮したボロディン:「ダッタン人の踊り」や、カラヤンがまだ若いころにウィーン・フィルと録音したチャイコフスキーのバレエ音楽「眠りの森の美女」組曲などの名曲名演奏もプログラムされていて、そうしたバランスの良さもこの番組の魅力のひとつです。
この放送で流れた名手バシュメットによるグリンカ、それからヴィシネフスカヤが歌うダルゴムイシスキーの録音については、まだオンライン配信がないようなので、是非、間に合う方はラジオのらじるらじる「聴き逃し」を聴いてみてください。
それから、上記のほかに、比較的地味なチャイコフスキー:弦楽四重奏曲第2番ヘ長調も紹介されました。
これは、あのアンダンテカンタービレを含む「第1番」の光の前に影となっている作品ですが、チャイコフスキー自身はこの作品に晩年まで自信を持っていたと伝えられています。
実際、これもまた大変味わい深い室内楽の名作です。
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11/1~クラシックカフェのメンデルスゾーン特集
11/1(火)14:00~1週間
クラシックカフェ(公式HP)
メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲ホ短調 ほか
★らじるらじる「聴き逃し」対応★
2時間弱、ひたすらメンデルスゾーンの作品を心ゆくまで堪能できる「メンデルスゾーン特集」の放送回でした。
アッバード、パールマン、ハイティンク、ロロフ、マズア、アメリンクという、一流のアーティストの録音ばかりが選択されていて、何を聴いても、どれもこれも素敵な演奏ばかりでした。
( Apple Music↑ ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)
特に、このアルバムにも収められているイツァーク・パールマンのヴァイオリン独奏、ベルナルト・ハイティンク指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏による「ヴァイオリン協奏曲ホ短調」は、その演奏の“素直な明るさ”が曲想とあいまって、ひさしぶりにこの曲のストレートな魅力に再会したような気分になりました。
なかなか、最近はこういう「理屈抜きで魅了される演奏」というのに出会えない時代になってしまいました。
音楽の大切な何かを思い出させてくれる、素敵な録音です。
アプリについて
アプリのダウンロードについては、公式ホームページのアプリダウンロードのページにくわしく載っていますが、ほかのアプリと同様、Apple StoreやGoogle Playからダウンロードすればいいだけです。
無料のアプリなので、通常かかる通信費など以外に特別な費用はかかりません。
アプリさえダウンロードしておけば、リアルタイムでなくとも、対象の番組が本放送終了後1週間ほど、いつでも聴けるようになりました!
また、PCの場合は、こちらのメインページから直接ストリーミングで聴くことができます。
現在おすすめの聴き逃し対応クラシック番組一覧
各公式ホームページには、これからの放送予定と、聴き逃しについての情報が掲載されています。
★特におすすめの3つの番組
クラシック・カフェ(番組公式HP)‥さまざまなクラシック音楽を丁寧な解説付きでたのしめる一押しの番組。
名演奏ライブラリー(番組公式HP)‥作曲家というより、演奏家に焦点をあてた番組で、満津岡信育さんのわかりやすい解説でお薦めの番組。
ベスト・オブ・クラシック(番組公式HP)‥国内外のコンサートのライブ録音を解説付きで紹介してくれる、新鮮度抜群のクラシック番組。
☆そのほかのお薦め番組
N響演奏会(番組公式HP)‥NHK交響楽団の演奏会を生放送する特別枠の番組。
ビバ!合唱(番組公式HP)‥広く合唱をあつかう番組で、他ジャンルがメインの日もありますが、クラシック音楽もおおく扱われます。
吹奏楽のひびき(番組公式HP)‥日本は吹奏楽王国。吹奏楽に親しんだ経験のある方は必聴の番組。
現代の音楽(番組公式HP)‥作曲家の西村朗さんの絶妙な解説がすばらしい、現代音楽をあつかう番組。
ブラボー!オーケストラ(番組公式HP)‥国内のオーケストラのライブ録音を放送する番組。演奏会の予習・復習に最適の番組。
ここにご紹介したほかにも、NHKのラジオではクラシック番組がいろいろと放送されていて、「NHK-FMの歩き方、クラシック音楽をラジオでたのしもう♪~ラジオの聴き方とお薦め番組」という記事でもご紹介しています。