エッセイ&特集、らじお

わたしの試聴日記【交響曲&管弦楽曲】~クラシック音楽のサブスク、ラジオ、CDで出会った名演奏

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ブログ読者のみなさんへ、クラシック音楽のサブスク、ラジオ、CDなどで私が出会った名演奏をシェアするページです。

良い「出会い」があったときに、ジャンル別に随時更新していきます。

ムーティの指揮する吹奏楽アルバム「イタリアーナ!」

2025/03/09

Apple Music ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)

体調不良でしばらくダウンして、ブログも放置状態でしたが、それでも一定のアクセスがずっとあったようで、おおいに励まされております。ありがとうございます。

 

春が本格的にやってきて、気分的に、開放的な「吹奏楽」を聴きたくなる季節です。

そんなところへ、なんと巨匠リッカルド・ムーティが指揮する(!)吹奏楽アルバムがリリースされました。

厳密に言えば、金管楽器によるブラスバンドの演奏で、ベルリン・フィルとウィーン・フィルのメンバーが中核となった「フィルハーモニック・ブラス」という団体。

ファースト・アルバムからトゥガン・ソヒエフの指揮で驚きましたが、なんと第2弾はムーティです!

 

「イタリアーナ!」というタイトル通り、「ナブッコ」「ウィリアムテル」「アイーダ」などなど、イタリアの作曲家の作品があつめられた、いかにもムーティらしい選曲になっています。

ムーティの愛奏曲である、マルトゥッチの「夜想曲」など、しっとりとした質感の作品が特にこころに残ります。

 

聴けば聴くほど、同じ趣向でオーケストラによるアルバムもリリースしてほしい!という気持ちになります。

ムーティは今年の春、こうしたポピュラーな選曲で東京春音楽祭を指揮するので、そちらへの期待も高まるアルバム。

春の気分にぴったりの楽しいアルバムです。

 

♪第1弾のソヒエフ指揮「序曲集」“ Overtures! ”

Apple Music ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)

テミルカーノフのラフマニノフ2番

2024/12/09

Apple Music ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)

 

ユーリ・テミルカーノフ(Yuri Temirkanov,1938-2023)は数回、サンクトペテルブルク・フィル(旧レニングラード・フィル)やボルティモア交響楽団との実演を聴きました。

けれども、残念ながら、私が聴いた公演は、どれも緊張感を欠いた、ありきたりな演奏内容のものばかりでした。

 

ただ、レコーディングは別で、いくつか、とても気に入っている録音があります。

そのひとつが、このラフマニノフの交響曲第2番をサンクトペテルブルク・フィルと入れたもの。

 

ロシア的な濃厚さも感じられるのに、決して重くなりすぎず、すっきりとした切れ味で作品を鳴らしていくテミルカーノフの美点が感じられる演奏だと思っています。

アンドレ・プレヴィンやデイヴィッド・ジンマンの録音などと並んで、この曲を聴きたくなったときに手に取りたくなる、素敵な録音です。

 

ずいぶん前にカセットテープに録音したものを繰り返し聴いてきたのですが、テープがいよいよダメになって、今回、CDをようやく買い求めました。

最近、友人に「今はもうサブスク・オンリーなの?」と聞かれましたが、私はそんなことはなくて、サブスクを多用しつつも、特に気に入った録音はCDやレコードを求めて聴いています。

配信が終わるということはないと思うのですが、どうにも、やはり心に残る録音は、形のあるもので、手元に置いておきたいという気がします。

 

スタンフォード:交響曲第6番「G.F.ワッツの想い出に」

2024/08/24

 

( Apple Music↑ ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)

 

友人がアイルランドに留学中なので、ふとアイルランド出身の作曲家について考えました。

チャールズ・スタンフォード(Sir Charles Stanford, 1852-1924)は、まさにアイルランド、ダブリンにうまれた作曲家。

ホルスト、ヴォーン・ウィリアムズ、アーサー・ブリスらを教え導いた名教師でもあったひと。

 

そうして、彼の代表作のひとつとされる交響曲第3番「アイルランド風」を聴いてみるものの、以前聴いたときと同様、どこか私にはピンときません。

あのマーラーが複数回わざわざ指揮をしたという作品なので、私がまだスタンフォードの音楽言語をしっかりと受けとれていないのかもしれません。

 

ただ、カップリングされていた交響曲第6番「G.F.ワッツの想い出に」には惹かれるものがありました。

ヴィクトリア朝の画家ジョージ・フレデリック・ワッツ(George Frederic Watts, 1817-1904)の訃報を受けて、その絵画や彫像から着想を得て作曲されたという作品。

そうした経緯があってか、この曲には、スタンフォードの保守的な生真面目さを包みこむ、ある種のファンタジーが感じられます。

 

それに演奏もいいです。

ナクソス・レーベルでよく聴くデーヴィッド・ロイド=ジョーンズ(David Lloyd-Jones, 1934-2022)は、実に魅力的な指揮者だと思います。

このレーベルで素敵な録音に出会うと、かなりの確率で彼の指揮です。

実演に接してみたかった指揮者のひとりです。

 

スタンフォードがこの作品の源泉のひとつとした絵画“ Good Luck To Your Finishing ”

 

私が初めてワッツの絵画で目にしたのは“ Hope ”

クラシックのCDジャケットで、よく「レクイエム」などで引用される絵画。

 

ムーティ(指揮)ウィーン・フィルによる
ベートーヴェン:第九(2024Live)

 

( Apple Music↑ が独占配信中)

 

ムーティの記念碑的ベートーヴェン

 

1824年の5月7日、ウィーンでベートーヴェンの交響曲第9番が初演されました。

その日からぴったり200周年にあたる2024年5月7日、初演の地であるウィーンにおいて、帝王リッカルド・ムーティウィーン・フィルが「第九」の特別演奏会を行いました。

 

そのライヴ録音が、公演後1週間もたたないうちから配信されています。

 

ムーティは、ベートーヴェンの交響曲を比較的頻繁に指揮している指揮者のひとりなのに、レコーディングでは、若いころのフィラデルフィア管弦楽団との全集や、スカラ座との録音が数点あるくらい。

今回の演奏は、“ 今 ”のムーティだからこその、堂々たる、たっぷりとした響きをもつ、王道のなかの王道をいくベートーヴェン。

 

決して老年による弛緩した演奏などではなく、第1楽章の再現部でのティンパニーの大胆な扱いなどを聴けば、若き日に際だっていた情熱が見事に大成している姿をみることができます。

初演200周年という祝祭的な機会であると同時に、ムーティにとっても記念碑的な録音の登場だと思います。

 

「第九」の新譜でここまで満たされたのは、アッバード( Claudio Abbado, 1933-2014)が1996年にベルリン・フィルとレコーディングしたもの以来、ほんとうに久しぶり。

嬉しくなりました。

これは是非、CDなどで正式にパッケージ化してほしい録音。

 

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【2024年】クラシック音楽サブスクはApple Music Classicalがいちばんお薦め

 

スラットキン&セントルイス交響楽団による
チャイコフスキー:眠りの森の美女(全曲)

 

( Apple Music↑ ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)

 

間もなく80歳になるレナード・スラットキン(Leonard Slatkin, 1944-)の若き日の録音。

なんとなくジャケットのデザインにひかれて聴いてみた録音ですが、これがとっても素敵な演奏でした。

 

スラットキンは昔から大好きな指揮者のひとりです。

残念ながら、わたしがコンサート通いをはじめたころには全盛期を過ぎてしまっていて、数回、実演を聴きましたが、どれも弛緩した演奏で悔しい思いをしました。

 

私にとっては、どんなに才気あふれる音楽家であっても、晩年に至るまで魅力をたもちつづけるというのが、いかに難しいことなのかを教えてくれたひとりです。

 

この「眠りの森の美女」は、彼がとっても輝いていたセントルイス交響楽団時代(1979 – 1996年)の録音のひとつ。

この長大なバレエを、まったく飽きることなく聴かせます。

オーケストラのかがやき、その躍動が、コンビの全盛期をしのばせます。

 

フレッシュな果実のような、みずみずしい演奏の記録。

 

ノジー&ベルギー・ギィデ吹奏楽団による
「ショスタコーヴィチ:祝典序曲」ほか

 

( Apple Music↑ ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)

 

中学&高校と吹奏楽部に所属していたので、たまに無性に聴きたくるのが「吹奏楽」のアルバム。

ショスタコーヴィチの「祝典序曲」は、もともとはオーケストラ曲ですが、吹奏楽編曲で演奏されることも多く、私が最初に出会ったのも吹奏楽版でした。

 

演奏しているベルギー・ギィデ吹奏楽団 Royal Symphonic Band of the Belgian Guides は、吹奏楽における名門楽団で、ベルギー国内の音楽院を首席で卒業しないと入団できないという話を聴いたことがあります。

ノルベール・ノジー(Norbert Nozy)という指揮者の時代の録音は、魅力的なものが多く、これもその1枚。

 

ここに聴く演奏も、「立て板に水」という言葉がぴったりの一糸乱れぬアンサンブル。

多層的な響きのバランスには、聴いていて舌を巻きます。

 

このコンビのCDは、いまやほぼ廃盤状態。

サブスクだからこそ簡単に聴ける、ありがたい録音。

そのほかの選曲もよく、吹奏楽のひびきに、どっぷりと浸かれるアルバムです。

 

オンライン配信の聴き方

 

♪このブログではオンライン配信の音源も積極的にご紹介しています。

現状、Apple Music アップル・ミュージックがいちばんおすすめのサブスクです。

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