エッセイ&特集、らじお

サロネンのレスピーギ「ローマの松」が登場~Apple Musicで聴けるアルバム

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Apple Music、クラシック音楽やる気満々です。

「独占配信」も増えてきていて、注目の録音もちらほら。

今回は、エサ=ペッカ・サロネン指揮サンフランシスコ交響楽団のレスピーギ:交響詩「ローマの松」をテーマにお届けします。

MASSE
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スヴェトラ風エンディング!

サロネン
&サンフランシスコ交響楽団

サンフランシスコ交響楽団

 

サンフランシスコ交響楽団は、1911年に創立。

アメリカの西海岸サンフランシスコを本拠地とする名門楽団です。

 

フランスの巨匠ピエール・モントゥー(Pierre Monteux, 1875-1964)を指揮者に招いた時代から一流の楽団に。

若き日の小澤征爾さんが指揮していた時代もあります。

 

近年では、アメリカ出身のマイケル・ティルソン・トーマスが25年に渡って黄金時代をもたらしました。

マイケル・ティルソン・トーマスは、現在、脳腫瘍の闘病中で、音楽監督を退任後、名誉音楽監督となっています。

 

エサ=ペッカ・サロネン

 

マイケル・ティルソン・トーマスの後任となったのが、エサ=ペッカ・サロネン

サロネンは、1958年生まれのフィンランドの作曲家・指揮者。

2023年11月現在、65歳ということになります。

 

実は、作曲家として活動していたサロネンが指揮もするようになったのは、1983年、急病に倒れたマイケル・ティルソン・トーマスの代役として、急遽、フィルハーモニア管弦楽団の指揮台にあがったことがきっかけ(プログラムはマーラー:交響曲第3番)。

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サロネンとティルソン・トーマス。不思議と縁のあるふたりです。

 

その後、スウェーデン放送交響楽団、ロサンジェルス・フィルハーモニック、フィルハーモニア管弦楽団といった名門楽団で要職を歴任。

2020年から、マイケル・ティルソン・トーマスの後任として、サンフランシスコ交響楽団の音楽監督を務めています。

 

 

サロネンが指揮する
レスピーギ:「ローマの松」

レスピーギ:交響詩「ローマの松」

 

そのサロネン&サンフランシスコ交響楽団がオンライン配信限定でリリースしたもののひとつが、レスピーギ:交響詩「ローマの松」

「ローマの松」は、イタリアの作曲家オットリーノ・レスピーギ(Ottorino Respighi, 1879–1936)の代表作。

「ローマの噴水」「ローマの祭り」とあわせて、“ ローマ三部作 ”として知られます。

 

ボルゲーゼ荘の松、カタコンバ付近の松、ジャニコロの松、アッピア街道の松 といった、4つの部分でできています。

作曲者が“ 「ローマの松」においては、記憶や幻想を呼び起こすきっかけとして自然を利用した ”と述べているように、例えば、1曲目「ボルゲーゼ荘の松」では、松並木のしたで遊んでいる子どもたちの活発な情景が描かれるなど、松そのものではなくて、それら4つの松が呼び起す情景を描いています

 

 

サロネンの「ローマの松」
レビュー

 

サロネンがレスピーギ!

サロネンのレパートリーというと、シベリウスやニールセンなどの北欧ものや、ストラヴィンスキーを筆頭に近現代もの、それから、一時期から頻繁に指揮するようになったベートーヴェンといった印象。

それが、レスピーギをリリースした(!)ということに、まず驚きました。

 

こうした、ちょっと意外なレパートリーをすぐにリリースできるというのは、オンライン配信ならでは

やっぱり定番のもののほうが売れ行きが予測しやすいわけで、レコード会社を通したら、なかなかリリースできなかったはずです。

 

聴いてすぐ、オーケストラの機能性の良さを感じさせるのが、さすが、アメリカの名門楽団というところ。

冒頭から、とにかくすっきりとした響き、コンパクトに感じるくらい整理された響きが耳に届きます。

 

全体に、繊細な音づくりが特徴で、サロネンが弱音を大切に扱っているのがわかります。

トランペット・ソロも、クローズアップされることを避け、ほんのり香るように演奏されています。

 

といって、そのまま終わってしまうことがないのがサロネンの美点

終曲の「アッピア街道の松」に入ると、これまで内に秘められていたものが、だんだん外へと姿をあらわしてきます。

 

つまり、サロネンは、まるでボレロ( ♫ 鑑賞ガイド )のように、作品全体を1つのおおきなクレッシェンドとして捉えているようです。

こうした視点は、いかにも作曲家でもあるサロネンの知的な視線が感じられて、とっても面白いです。

 

いよいよ最後には、アメリカの楽団らしい、輝くようなオーケストラによる壮麗なフィナーレが築かれます。

こうして、しっかりとクライマックスを形づくれることが、やはり、彼が一流の指揮者たる所以だと思います。

 

しかも、そのクレッシェンドの頂点として、あのロシアの巨匠エフゲニー・スヴェトラーノフ(Yevgeny Svetlanov, 1928-2002)が最後の音を異様に引き延ばした、いわゆる“ スヴェトラ・クレッシェンド ”をすこし思い出すような、面白い終わり方になっています

 

作品を1つのクレッシェンドとして読み解いた、サロネンの「ローマの松」。

なぜ、珍しく彼がレスピーギをリリースしたのかがわかる、興味深いレコーディングです。

 

 

今回のテーマ音源はこちら

 

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無料体験を使えば、今回のサロネンの「ローマの松」も普通にアクセスできます。

 

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