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【2024年】行ってよかったクラシックコンサート!わたしのベスト10~2025年の参考に

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毎年恒例、「行ってよかったクラシックコンサート!わたしのベスト10」をお届けします!

今年は仕事におわれて、思うようにコンサートに通えず、さらに年末にいたってインフルエンザにり患してしまい、とっても楽しみにしていたジョナサン・ノットと東京交響楽団の「第九」も聴きに行けず…。

 

思うようにいかない一年でしたが、、考えてみれば、毎年そうかもしれませんね。

というわけで、2024年のベストコンサートの発表です!

ベストコンサート第10位~第6位

第10位

ミハイル・プレトニョフ(指揮)東京フィルのシベリウス:交響曲第2番

 

決して万人受けはしないであろう、屈折したシベリウス。

ロシア人の彼が、今、わざわざ、この作品で、こういう演奏を聴かせるというところにも、思いをはせずにいられなかった公演。

 

 

第9位

ジョナサン・ノットと東京交響楽団の「寄港地」

 

「イタリアのハロルド」を目当てに聴きに行った公演でしたが、実際には、イベールの「寄港地」が素晴らしかった公演。

このコンビの輝きに再会して、素直にうれしかったコンサート。

いっぽうで、彼らのコンサートでマンネリ化していたカーテンコールが、急に消えたことにも驚き。

 

第8位

コバケンの「幻想」~アンコールなんて無理な話でございます~

 

小林研一郎(指揮)東京フィルの埼玉での公演。

即興と思われる解説がとつぜん始まって、しかも、その効果で演奏そのものの質もぐっと押し上げてしまった「剛腕」ぶりに脱帽でした。

ほんとうに稀有な指揮者。

 

 

第7位

俊英ダニエル・ハーディング(指揮)都響のマーラー「巨人」

 

イギリスの秀才、ハーディングが東京都交響楽団にはじめて客演した公演。

冴えわたった知性、巧みなオーケストラ・コントロール、そして、現代的な抒情性。

なぜ世界中の一流オケが彼と仕事をしたがるのか、実演に接してよくわかりました。

 

第6位

タリス・スコラーズ~世界最高のアカペラ

 

ルネサンス期の音楽、声楽芸術を愛好する方なら知らないひとはいないアカペラ・グループである、タリス・スコラーズ。

このアンサンブルを率いるピーター・フィリップスの優れた手腕も味わえましたし、あの「ミゼレーレ」を体験できた、ということで印象深いのですが、レビューにも書いた通り、ちょっと会場の雰囲気がゆるんでしまったのが残念というか、申し訳なかったです。

いつか、もっともっと耳を澄まして聴きなおしたい、敬愛すべき音楽家たちです。

 

 

番外:ふたつのさよならコンサート

ここでちょっと、間奏曲を。

来年は聴けない、という点で、2024年の大切な思い出を2つ。

フランスの名匠の最後の来日

ミシェル・プラッソン (Michel Plasson, 1933年10月2日 – )が最後の日本公演を行いました。

フランスの歴代の名指揮者たちが放つ“ 豪 ”の精神を感じとれた、貴重な体験になりました。

それでも行ってよかった、プラッソンさよならコンサート~90歳マエストロ最後の来日

 

井上道義さんの引退

2024年末での引退を公表して、旺盛な活動を展開された井上道義さん。

私にとって最後の公演は、新日本フィルとのショスタコーヴィチ:「レニングラード」でした。

井上道義(指揮)新日本フィル~円満なる「最後のレニングラード」

 

 

わたしのベストコンサート第5位~第1位

第5位

朴葵姫(パク・キュヒ)ギター・リサイタル「BACH」~美しい音色、脱帽のプログラミング

 

最近、純クラシックなリサイタルが少ないように感じていた韓国のギタリスト、朴葵姫(パク・キュヒ)さんが行ったバッハをメインにすえた全国ツアー。

テーマであるバッハ作品も素晴らしかったですが、スカルラッティはさらに秀逸。

そして、ほんとうに“ 音 ”の美しいギタリストです。

今後も、こうした完全にクラシックに寄せたプログラムの公演を定期的におこなってほしいです。

 

 

第4位

ヴァン・カイック弦楽四重奏団のメンデルスゾーン~大成を予感させるフランスの新しいカルテット

 

何といっても、メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲第6番が忘れがたく、胸にささりました。

メンデルスゾーンが書いた、ほぼ最後の大曲。

姉ファニーの急死から受けた衝撃と悲痛な激情が、それでも、どこか優美さを残しつつ音楽となっていく悲しみ。

作品が背負った大きなものを、ヴァン・カイック弦楽四重奏団は痛いほどに伝えてくれました。

彼らが、今後も、その謙虚な姿勢を失わずに大成していきますように。

 

 

第3位

ハンスイェルク・シェレンベルガーのバッハ~名手たちの夕映え

 

かつてベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の顔といっていい存在だった、首席オーボエ奏者のハンスイェルク・シェレンベルガー。

私が聴いた今年の1月の時点で、御年75歳。

全盛期は過ぎ去って、技術的にも衰えははっきりと聴きとれましたが、「バッハ」の作品になった途端の、何かが憑りついたかのような集中と、音楽の凝縮。

音楽家のあるべき姿を見せつけられた、王者のリサイタル。

 

 

第2位

リッカルド・ムーティ(指揮)東京春祭、美しき「アイーダ」

 

イタリアの巨匠リッカルド・ムーティが、2024年は2回も来日してくださいました。

とはいえ、私は2回目の来日となったヴェルディ:「アッティラ」は途中で帰ってしまったのですが‥

でも、「アイーダ」は堪能しました。

クライマックスを後半の幕に持っていく、均整のとれたスタイルで、学ぶところがとても多かった公演です。

あまりに禁欲的なアプローチなので、ラダメス役の歌手がややふてくされて歌っていましたが。

 

第1位

ジョナサン・ノット&東響のR・シュトラウス「ばらの騎士」~音楽はここまで美しくなれるということ

 

圧倒的な感銘を受けました。

2024年の1位は、まったく迷うことなく、この公演に捧げます!

 

このブログといえば、このジョナサン・ノットと東京交響楽団のコンビ、というくらいに推しているわけですが、「1位」にするのは今回が初めて(!)と気づきました。

何度も書いていますが、私には、2022年のショスタコーヴィチ:交響曲第4番とブルックナー:交響曲第2番を境に、まるで急ブレーキを踏んだかのように、その演奏の輝きが減じていくように感じられていました。

このR・シュトラウスのオペラ・シリーズも2022年「サロメ」、2023年「エレクトラ」と聴きましたが、いずれも、このコンビらしからぬ出来映えに終始していたように聴きました。

 

実際、ジョナサン・ノットがどこかのインタビューで、東京交響楽団との公演で思い出深いものを選んでほしいと言われた際、2023年以降の演奏会をひとつも挙げていなったので、私の勝手な思い込みというわけでもないと思います。

 

そして、2026年での音楽監督退任発表。

もう過度な期待をするべきではないのか、という気持ちで出かけた「ばらの騎士」。

とんでもない!

第1幕が終わるころには夢のような幸福感につつまれて、終幕のころにはボロボロと涙がこぼれていました。

 

ジョナサン・ノットと東京交響楽団、やっぱり凄いコンビです。

彼らの黄金時代は、あと1年で幕を降ろすわけですが、その期間だけでいいので、何とか今の緊張感を維持して、走りぬいてほしいです。

いつか音楽ファンたちが「凄い時代があった。」と思い出すようなラストシーズンを期待しています。

 

まずは、素晴らしい「ばらの騎士」をありがとうございました!

 

東京交響楽団&ジョナサン・ノット、ユベール・スダーン~お薦めの現役アーティストたち

 

2024年もありがとうございます!

小澤征爾さんのこと

 

このブログでいちばん人気があるのが、「おすすめコンサート」のページです。

そのサムネイル画像は、海外の音楽ホールの写真を年によって選んで使用しているのですが、2024年用に選んだのが、セイジ・オザワ・ホールの写真でした。

これを選んだ瞬間、何か、ある種の予感のようなものがしたのをおぼえています。

なので、小澤征爾さんの訃報を知ったときには本当に驚きました。

と同時に、2024年を象徴するホールとして、結果、この写真にしておいてよかったとも思いました。

 

小澤征爾さんについての記事は以下で特集しました。

わたしが聴いた小澤征爾~「世界のオザワ」は本当にすごかったのか

 

よいお年をお迎えください

 

ブログ読者の方がコンサートの感想などを「問い合わせフォーム」から送ってくださって、それを読むのがとっても楽しいです。

みなさん「返信不要です」と付け加えてくださるのですが、私は返信がしたいので、順次、返信させていただいております。

そのうち何か気楽に送れるやり方を考えようと思っているのですが。

 

先日、ファビオ・ルイージ(指揮)NHK交響楽団の第九にがっかりしたという記事を書いたところ、なぜかGoogleが気に入ってくれて、アクセスが急激に伸びました。

ほめる内容だと特に伸びないんですが、どれだけ歪んだ世界なんでしょうか 笑

それはともかく、もしルイージの第九に感動された方がいらしたとしたら、それはとても大切な感情ですから、まずは自身の感じたままを大事になさってください。

例え、同じ日時、同じホール、まさかの隣の席で聴いていたとしても、私たちは、それぞれに違う音楽を受けとっているものです。

お互いに、「んーそうは思わないけれど、なるほど、でも、そういう聴き方もあるのか」と思う程度でいい話です。

全員がまったく同じに感動したり、まったく同じに拒否するようだったら、それはもう人間じゃありません。

 

というわけで、来年もいろいろ書くと思いますが、寛容な気持ちで読んでいただけたら嬉しいです。

皆さま、よいお年をお迎えください。

 

【2023年】行ってよかったクラシック・コンサート!わたしのベスト10~2024年の参考に

 

【2022年】行ってよかったクラシック・コンサート!わたしのベスト10~2023年の参考に

 

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現状、Apple Music アップル・ミュージックがいちばんおすすめのサブスクです。

【2024年】クラシック音楽サブスクはApple Music Classicalがいちばんお薦め

 

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