ジョナサン・ノット指揮する東京交響楽団を象徴する録音がついに登場。
2022年10月のコンサートでとりあげられた、ショスタコーヴィチの交響曲第4番の録音がリリースされました。
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音源紹介
「ショスタコーヴィチ:交響曲第4番」ジョナサン・ノット&東京交響楽団(Amazon)はCDでのリリースのほか、すでに、オンライン配信も始まっています。
( Apple Music↑ ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)
2022年10月16日、ミューザ川崎シンフォニーホールでのライヴ録音です。
ノット&東響のマイルストーン
このコンサートは当日に会場で聴いて、ほんとうに圧倒された公演。
ショスタコーヴィチの交響曲第4番について、これから先、あれほどの演奏に実演で出会えることはもうないかもしれないと思っているくらいです。
演奏については上記の公演レビューでつづっていますので繰り返しませんが、もちろん、実演の圧倒的な体験には及ばないにしても、あのとき会場で感じた切迫感、たいへんな緊張感が思い出される録音です。
このコンビの録音はいろいろと出るようになりましたが、この録音が現時点で彼らのベストだと感じています。
心配な「今」の東響
このショスタコーヴィチの公演の1週間後には、ブルックナーの交響曲第2番をメインにした公演がありました。
それもまた素晴らしい公演で、これもあとにレコーディングがリリースされると思うので楽しみに待っているところです。
ただ、それ以降の彼らの演奏については心配しています。
シュトラウスのオペラを含め、マーラー、チャイコフスキー、ブラームスなど、そして、直近のドビュッシーとヤナーチェクの公演まで、今シーズンだけでも、もう5回以上聴きに行っていますが、昨シーズンまでのような圧倒的で輝かしい音、繊細だけれども非常によく響く弱音といったものが、ほとんど聴かれなくなってしまいました。
会場で聴いていて、何か別のオーケストラを聴いているような感覚がするほどです。
昨シーズンから今シーズンにかけては、コンサートマスターの水谷晃さんの退団など、首席奏者クラスの出入りが目立つのも気になります。
さらに、発表された来シーズンのプログラム(公式ホームページ)を見ると、シーズンのクライマックスとなるような演目が見当たらず、「聴き逃せない」と思わせるような際だったプログラミングも見当たりません。
前音楽監督のユベール・スダーンが名曲全集シリーズで1回登場するだけなのにも驚きました。
客席からは見えない何かが、起こっているのでしょうか。
そうなってほしくないものの、もしかしたら、このショスタコーヴィチの録音は、ノット&東京交響楽団が最も強く輝いたときの記念碑的な録音になってしまうのかもしれません。
「今」の彼らの演奏を聴いていると、燦燦と輝いた太陽が沈んでいった、その残照を見ているような心地さえします。
ただの杞憂に終わってほしいです。
どうか、ふたたび、力強く太陽が昇りますように。
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