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週刊MASSE:11月1号
東京交響楽団が2027-28シーズンのプログラムを公開しましたので、気になる公演を勝手にピックアップしてみました。
いつもどおり主観と偏見で選んでいますが、結論からいえば、やはり音楽監督のロレンツォ・ヴィオッティの公演ばかりになってしまいます。
ヴィオッティと東響の公演は、音楽監督就任前に1回、音楽監督就任後に1回、合計2回聴いていますが、正直に言えば、まだブログにレビュー記事を書いておきたいほどの公演には出会えていません。
ですので、ここにご紹介する公演は、“ 期待を込めて ”選んだ公演になります。
ロレンツォ・ヴィオッティ&東響の5月公演
ストラヴィンスキー:交響曲ハ調
シューベルト:交響曲 第8番「ザ・グレイト」
メシアン:7つの俳諧(阪田知樹,piano)
ブルックナー:交響曲 第4番「ロマンティック」
20世紀のストラヴィンスキーやメシアンを前半に、後半にドイツロマン派の名曲を配したプログラム。
新鮮なコンビによるフレッシュな演奏に期待したい公演です。
◎後半に有名曲がおかれた、安定感のあるプログラム。
◎ヴィオッティ&東響という、新鮮なコンビの美点が発揮されてほしい公演。
◎初心者向け度:★★★☆☆
ロレンツォ・ヴィオッティ&東響の7月「夜の歌」
マーラー:交響曲第7番「夜の歌」
マーラーの交響曲のなかでも、やや難解な第7番「夜の歌」は、むしろ明るい芸風をもつ指揮者で聴く方がわかりやすい一面があります。
その典型がイタリアの名指揮者リッカルド・シャイーだと思います。
東響のあたらしいシェフである若きロレンツォ・ヴィオッティもまた、明るい音楽性の持ち主。
指揮者と作品の相性がよさそうな公演です。
◎マーラーの難解な作品を、明るい音楽性のヴィオッティで。
◎そうは言っても長時間の交響曲なので、完全初心者には向きません
◎初心者向け度:★★☆☆☆
ロレンツォ・ヴィオッティ&東響の9月
R.シュトラウス:13の吹奏楽器のためのセレナード
モーツァルト:交響曲 第39番
シューマン:交響曲 第3番「ライン」
ヴェルディ:レクイエム
9月のヴィオッティ&東響は、“ 変ホ長調 ”のドイツの名曲がずらっと並んだプログラムと、ヴェルディの「レクイエム」という大曲の2プログラム。
ドイツ・プログラムのほうは、冒頭にR・シュトラウスのセレナードを置いているところが、非常に良い味を出しています。
モーツァルトの交響曲第39番は、指揮者の能力がもろに露出する恐ろしい曲ですので、ヴィオッティの力の見せ所です。
シューマンの交響曲第3番「ライン」は、奇しくもほぼ1週間ずれで、前任のジョナサン・ノットが紀尾井室内管弦楽団で取り上げますので、東響のコンサートに長く通われている方は聴き比べも面白いかもしれません。
ヴェルディの「レクイエム」は、声楽に強いヴィオッティの本領発揮を期待したい公演です。
ただ、今の日本の9月はまだまだ酷暑。
作品の温度感が合わない気がするので、そこはちょっと違和感があります。
◎ドイツ・プログラム、ヴェルディの「レクイエム」、いずれも聴きどころは満載のプログラム。
◎9月の日本でヴェルディの「レクイエム」はちょっと季節はずれの感もあり。
◎初心者向け度:★★★☆☆
ロレンツォ・ヴィオッティ&東響の10月
ワーグナー:歌劇「ローエングリン」(演奏会形式)
《ガラ・祝祭コンサート》
~ヴェルディ、ジョルダーノ、マスネ、ワーグナー、チャイコフスキー、ドヴォルザークなど、オペラや歌曲の名作から珠玉のアリア
ヴィオッティと東響の今シーズンのハイライトは、この10月公演に置かれているように感じます。
まず、何といっても、ワーグナーの「ローエングリン」の演奏会形式上演。
上演時間およそ3時間半の長大なオペラを演奏会形式でやろうというのですから、かなり力が入っているはず。
そして、そのオペラの前哨戦としてなのか、《ガラ・祝祭コンサート》という日本ではあまりお目にかかれない類いの公演も期待されます。
こちらは正式なプログラムは当日発表というのも面白いです。
◎ヴィオッティ&東響による、今シーズンのハイライトとなるであろう力の入ったプログラム。
◎長大な「ローエングリン」は、ワーグナーのオペラに興味のあるひとに、「ガラ」公演は万人にお薦めの公演。
◎初心者向け度:★☆☆☆☆(ローエングリン)
◎初心者向け度:★★★★☆(祝祭ガラ)
ロレンツォ・ヴィオッティ&東響の「第九」
ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調「合唱つき」
前音楽監督ジョナサン・ノットにならってか、新しい音楽監督のロレンツォ・ヴィオッティもまた、毎年末「第九」を指揮しに来日してくれるのかもしれません。
毎年ちがったアプローチをとって、毎回話題を呼んだジョナサン・ノットの第九。
後任のヴィオッティにとっては、試金石になるような公演かもしれません。
今回は「東響コーラス創立40周年」、さらに何といっても「ベートーヴェン没後200年」という記念年。
それにふさわしい演奏を期待したい公演です。
◎ベートーヴェン没後200年の年に聴く、ヴィオッティ&東響の「第九」。
◎東響コーラスの記念年でもあるので、合唱団にも注目したい公演。
◎初心者向け度:★★★★☆
以上が東京交響楽団の来シーズンからのお薦め公演。
話題変わって、来年はバッハの「受難曲」をとりあげる注目公演がすでに2つありますので、さらにそちらをご紹介。
N響&トン・コープマン「マタイ受難曲」2月
2/21、22@NHKホール
バッハ:「マタイ受難曲」
古楽の巨匠トン・コープマンが来日、N響を指揮してバッハの最高傑作と名高い「マタイ受難曲」を演奏します。
実演に聴く「マタイ受難曲」は、それがまともに演奏さえすれば、本当に稀有な体験をあたえてくれます。
と、そこまではいいのですが、問題は演奏会場。
NHKホールは広すぎて、もともとクラシックに向かないホール。
通常のオーケストラ演奏であっても音が遠くなって仕方ないのに、バッハとなると、おそらく編成はより小編成になるはず。
となると、最前列など、よほど前の席で聴かない限り、この演奏はどうにも楽しめないのではないかと思います。
トン・コープマンほどの大家を呼んで、どうしてNHKホールなのか…
◎バッハの「マタイ受難曲」をトン・コープマンの指揮で聴ける貴重な機会。
◎ただし、ホールが大問題。限りなく前の席で聴かない限り、どうにもならないはず。
◎初心者向け度:★☆☆☆☆
ルネ・ヤーコプス&ビー・ロック・オーケストラ「ヨハネ受難曲」3月
3/8@東京オペラシティ
バッハ:ヨハネ受難曲
バロック・古典音楽の声楽分野の大家ルネ・ヤーコプスがふたたび来日します。
2年前におよそ30年ぶりの来日公演がおこなわれて話題になりましたが、早々に再来日が実現するようです。
今回披露される「ヨハネ受難曲」は、「マタイ受難曲」とおなじようにバッハが聖書にあるイエスの受難をあつかった傑作。
演奏時間はおよそ2時間なので、「マタイ受難曲」よりずっと短く、バッハの受難曲を体験するにはこちらのほうがハードルが低いかもしれません。
何といってもヤーコプスの音楽を日本で体験できるというのが貴重。
なぜ30年も日本と縁がなかったのかはわかりませんが、彼ももう80歳。
今後、どれくらい日本で聴ける機会があるか。
貴重な公演です。
それに、今回もまた1夜かぎりの公演かもしれません。
初心者でも大丈夫かと言われると、曲が曲だけに何とも言えないところですが、バッハの受難曲にふれてみようという気概があるなら、間違いのない公演のように思われます。
◎バロック・古典の声楽分野の大家であるルネ・ヤーコプスが再来日。
◎バッハ「ヨハネ受難曲」でヤーコプスの至芸を体験できる貴重な機会。
◎初心者向け度:★★★☆☆
MASSE(まっせ)
クラシック音楽を長く聴き続けています。コンサートにも足を運び、良かった演奏も、期待外れだった演奏も、自分の耳で聴いて感じたことを大切に書いています。「自分なら本当に聴きたいか」を基準におすすめ公演やレビューを発信しています。クラシック音楽ブログArtoneMagアートーンマグは2021年5月スタート、2023年4月に月間86,000pv到達。感想など「お問い合わせ」ページから送ってください。










