いざ初めてクラシック・コンサートに行ってみようとなったときに、まずぶつかる壁は「どのコンサートに行こうか?」。
そして、そのつぎに「チケットはどこで、どうやって買う?」ということでしょう。
今回はその2点を中心に、クラシック初心者の方でもわかりやすいように説明していきます。
服装などコンサート当日に気をつけたいことや、具体的なお薦めのコンサートについては『コンサートに行こう!お薦めの演奏会』のページから移動をおねがいします。
目次(押すとジャンプします)
コンサートは曲目で選ぶの?演奏者で選ぶの?
・コンサートに行くときに優先すべきは、「曲目」ではなくて「演奏者」です。
これはたくさんのコンサートに通った自身の経験から間違いありません。
天才たちが書いた名曲は、それを生きた音楽にできる優れた「演奏者」「音楽家」を必要とします。
よく知っている曲を集めたコンサートでも、演奏がつまらないとすぐに退屈になります。
逆に、知らない曲のプログラムであっても、優れた演奏家のコンサートはどこか心を揺さぶられるものがあります。
美味しいものが食べたいなら、料理のメニューではなく、どのお店で食べるのかが重要というのと同じです。
・オーケストラであれば、どこの楽団かということ以上に、その日は誰が指揮をするのか、「指揮者」に注目しましょう。
これは、指揮者次第で演奏会の質が大きく左右されてしまうからです。
すばらしいオーケストラでも、指揮者のせいで実力が発揮できないということが多々あります。
・では、いったい誰のコンサートに行くべきなのか?
これが誰にとっても大問題であって、ここをクリアできれば、あとはコンサートへ行くだけということになります。
でも、クラシック初心者がそれをゼロから決めるのはとっても難しいです。
ですので、このブログでは、「お薦めのコンサート情報」を随時更新しています。
私の主観で自由に選んでいますが、その分、いわゆる忖度なしです。
そちらを参考に、素敵なコンサートを選んでみてください。
コンサートの情報はどこで手に入れる?
・クラシックの情報も、今やネット上にあふれかえっています。
まずはこのブログのお薦め演奏会のページを参考にしてみてください(随時更新しています)。
・「ぶらあぼ」という雑誌も、とても便利でお薦めです!
これは、無料で配布されている月間情報誌で、主要なホールなどに置かれています。
さらに、この「ぶらあぼ」は公式ホームページ内にてオンラインで無料で読むことができます。
無料とは思えないほどの厚みがあって、かなりの情報はここで手に入ります。
・「音楽の友」という月刊誌もいいです。
音楽之友社が刊行している歴史のある月刊誌で、たくさんのコンサート情報がまとまっています。
こちらは有料ですが、多彩な特集記事も載っています。
・各オーケストラ・団体・個人の公式のホームページも使いたいところです。
日本のオーケストラはどこも公式のホームページをたいてい持っていて、オンラインでチケット購入できるところも多いです。
また、こうした公式サイトはコンサート情報もいち早く発表されたりするので、お気に入りのところが見つかったらブックマークしておきたいです。
・コンサート企画会社のホームページ。
コンサート企画会社のホームページは何といっても情報が速いですし、地方公演なども網羅されて載っています。
ただ、初心者だとまずそこへ行きつかないと思います。
このブログのコンサートのお薦め情報のページでは、できるだけ企画会社のホームページもリンクしておきますので活用してください。
・ホールの公式ホームページ。
ホールの公式ホームページもだんだん利便性が高くなってきていて、先行予約などを行うところも多くなってきています。
無料で会員登録できるホールも多いです。
行きやすいホールなどがあれば、ブックマークしておきましょう。
・コンサートホールの入り口で配られているチラシの束、もしくはコンサートホールの入り口付近のラックにあるチラシ。
コンサートへ行くと、入場するホール入口の前あたりでチラシが束になったものを配っていることが多いです。
荷物になるので不要な人はもらわなくていいのですが、気づいていなかったコンサートの情報などを得ることができたり、貴重な情報源になります。
たまに映画のポスター並みに美しいチラシを作っているところもあったりして、チラシと言えども色々と楽しみ方があります。
チケットはどこで買う?
・ほかのジャンルと同様、主要なプレイガイドがいちばん多い方法です。
チケットぴあ、イープラス、ローソンチケットなど。
・国内のオーケストラや団体・個人なら、その公式ホームページで直接買うことができたりします。
ホームページから直接チケットが買えてしまうサービスは年々増えています。
手数料などが一般のプレイガイドより安かったりする団体もあるので、よくチェックしてみてください。
・コンサート企画会社が直接チケットを販売している場合もあります。
各社のホームページから確認してみましょう。
・ホール窓口で買う。
そのホールの公演に限定される場合がほとんどですが、対面で相談できるので席に迷うときは便利です。
・いずれにせよ、最近はオンライン購入が多いと思いますが、座席の位置などを相談したい方は電話申し込みでオペレーターの方に相談してみるのもいいです。
親切なホールだと、「実はそこからはちょっと舞台が見にくいんです」とか「もう1列下がるだけで、ほとんど同じ場所でも1ランク安い席でご案内できます」など色々と教えてくださるところもあります。
最初から高い席で買った方がいい?
・まずは安い席からでいいです。
というのも、最初から高いチケットを買って、それがつまらない公演だったときの精神的なショックが大きいです。
二度と行きたくならないかもしれません。
それに、それだけ払ったんだからと、自分を納得させようとして、つまらなくなかったかのように自分の素直な気持ちをごまかしてしまうことにもつながりかねません。
無理のない範囲でコンサート通いを始めてみるのがいちばん大切です!
指揮者のチョン・ミョンフンさんがあるときインタビューで言っていましたが、「ほんとうに良いコンサートをできる確率は100回に1回ほど」だと。
これは、かなり正直なコメントだと思います。
そうなんです、クラシックのコンサートはハズレも多いんです。
そうした現実もあって、良いコンサートに当たる確率を高めるために、このブログでは随時「お薦めのコンサートのページ」で情報を発信しています。
・だいたい5~7千円をベースに考えてください。
ブログ内でもそうした価格帯を考えながら、コンサートを選んでご紹介していきます。
・学生の方は、学生割引がつかえる公演も少なくないので、ぜひ意識しておいてください。
私は学生のころ、世界最高のオーケストラ、ベルリン・フィルを学生割引で3千円で聴いたことがあります。
クラシックの世界は若い聴衆の育成に熱心なので、そういうことが起きます。
・最初は右も左もわからないと思うので、まずは安い席でいろいろな公演を体験して、自分なりの付き合いやすい、無理のないコンサートとの関係を作っていきましょう。
映画館で映画を観るように、気軽にコンサートホールへクラシックを聴きに行けるようになれば、人生により充実した時間を組み込むことができます。
オーケストラ初心者にお薦め、いちばん安いP席
・舞台を観客が囲む「ワインヤード型」といわれる一部の大ホールでないと設置されていないんですが、「P席」という、オーケストラの裏側の席、指揮者を正面から見る場所になる座席が意外とお薦めです。
サントリーホール(下の写真がそうです)やミューザ川崎、大阪のザ・シンフォニーホール、京都コンサートホール、北海道のkitara、新潟のりゅーとぴあなどがそうです。
・ピアノの公演だと反響版である屋根(ふた)の逆側になりますし、歌が入る公演ですと裏から声を聴くことになるので難しいんですが、単純にオーケストラの公演に初めて行ってみようという場合には、指揮者を正面から見れるこの席は、指揮者とオーケストラのやりとりを観察することも出来て、初心者でも、きっと面白いと思います。
・楽器の裏側から聴くことになるので、料金はいちばん安く設定される点もリーズナブルで初心者向きです。
定期会員券ってなに?
・国内オーケストラなどのチケットだと、「定期会員券」のような名称のチケットがあると思います。
「定期演奏会」というのは、特定のホールで定期的に行われる、各オーケストラがいちばんメインとしているコンサート・シリーズのこと。
年に数回行われる定期演奏会のセット券を買うと、その人は「定期会員」ということになります。
・といういわけで、定期会員にならない限りは、「一回券」という名称の通常チケットのほうを買いましょう。
チケットガードという新しいサービス
・ちけっとぴあが始めているのが「チケットガード」というサービス。
これは、急用や体調不良などでコンサートに行けなくなったときに、チケット代が保険金として返ってくるというサービス。
もちろん、一定の手数料が発生してしまうので、詳しくはリンク先のホームページをご覧いただきたいのですが、会社の出張などが重なりそうという場合などには利用してみるのもいいかと思います。
意外と穴場、地方公演
・クラシックは海外からのアーティストの来日公演が多いですが、東京・大阪などの大都市だけで公演するものもあれば、地方公演を行ってくれるアーティストも少なくありません。
上手に選べば、都市部の大ホールのチケットよりはるかに安いチケット代で良い席が買えてしまうことがあります。
・その情報をいちばん見つけやすいのは、チラシかコンサート企画会社のホームページです。
聴きたい公演が見つかったら、是非、そうした地方公演も検討してみましょう。
実は近所ですごい公演があったりするかもしれません。
チケットの先行予約
・現在はサービスが多様化していて、コンサート企画会社やホールが先行予約を実施したり、一般のプレイガイドが先行予約を実施したりと、いろいろな先行予約が存在しています。
コンサートによく通っている人間でも、それらをすべて把握するのはちょっと難しいくらいです。
なので、行きたいコンサートを見つけたら、とりあえず、そのコンサートのチケットの取り扱いがあるサイトはざっと見て回りましょう。
先行予約の有無はコンサートごとに、プレイガイドごとに違うので、面倒ですがいちいち確認するしかありません。
対策としては、「お気に入りアーティスト」などに登録しておくと、プレイガイドから先行予約をメールなどで知らせてもらえるので便利です。
・ただ、先行予約には手数料がいろいろ発生します。
というか、それがあるからこそ、各プレイガイドは先行予約サービスに熱心なわけです。
ちょっとわかりにくく書いてあるプレイガイドが多いので、そこのところはいつか是正されることを願っています。
だいたいチケット代のほかに500~1000円くらいは手数料がかかると予想しておいていいでしょう。
先行予約が実施されるものは、逆に言えば、完売する確率が高い公演でもあるので、その手数料を高いと見るか安いと見るか、個人の判断になります。
チケットが完売していた…
・オークションなどもありますが、まずは何より、普段使っていないプレイガイドやホールのチケットセンターなど、取り扱いのありそうなところをいろいろ見てみましょう。
あるプレイガイドでは完売しているのに、他のプレイガイドではチケットが普通に残っているというのはよくあることです。
学生割引など、各種の割引が豊富
・クラシックは昔から若い聴衆の育成を重要視しているので、学生割引や25歳以下への割引はすでにかなり多く用意されています。
学生は全席が半額というところもあるので、各ホームページなどでよく探してみましょう。
・最近充実してきているのが、高齢の方への割引と身体的ハンディキャップのある方への割引です。
こちらはまだ発展途上というところで、年々増えている印象です。
各ホームページやチラシなどで確認してみてください。
・意外な盲点として、日本自動車連盟JAFの割引があります。
国内オーケストラのチケットが10%引きになるものが、結構あります。
あまりそれを使われても困るのか、オーケストラ側のホームページにはそこまで大きく記載されていなかったり、さらにはオンライン予約ではなく、電話予約でのみ使用できるケースがほとんどです。
ですが、国内有数のオーケストラも対象になっていたりするので、JAF会員の方は是非JAFのサイト(公式ホームページ)で確認してみてください。
クラシックのチケットは、基本、前売りで買うもの
・クラシックのコンサートは前売りで買いましょう。
コンサートが近づけば近づくほど、残っているのは高い席ばかりになります。
クラシックのコンサート初心者がいきなり一番高い席を買うのは、上で述べたように、お金に余裕がある方をのぞいてお薦めできません。
まずは手ごろな価格で、なるべく早めに前売り券を手に入れておきましょう。
当日券はある?
・なるべく前売り券を買っておいたほうがいいですが、残席がある場合は、当日券も出ます。
販売方法はコンサートごとに違っていますが、ホールの窓口で開演の数時間前から発売されることが多いです。
・完売している公演は、当日券は基本ありません。
・詳細はコンサートに関係している企画会社、ホール、団体などのホームページに出ることが多いです。
また、当日券の有無をツイッターなどで発信するホール・団体も多くなっています。
・ただ、当日券が必ずあるわけではないので、聴きたい公演のチケットは、基本、前売りで手に入れましょう。
そこが映画館で映画を観たりするのと大きく違うところのひとつです。
前売りはいつ頃から発売される?
・クラシックの公演は、だいたい3~6か月前にはチケットが発売されます。
ちょっと早いと思うかもしれませんが、それでも人気の公演はあっという間に完売していまします。
・なので、ちょっと早めに情報を知ってチケットを買っておかなければ、なかなか良い公演のチケットは手に入りません。
ですので、このブログでは初心者でも情報が早めに見つけられるよう、けっこう先の公演まで「お薦めのコンサート」ページで情報を載せています。
そちらは随時更新していきますので、たまにのぞいてコンサートを探してみてください。
気になったら、早めにチケットを手に入れておきましょう!
ここまで知れば、あとはコンサートを見つけるだけです。
さっそく、「お薦めのコンサート」ページで興味のある公演、都合のよい日程の公演をさがしてみてください。
このページを読んでくださったみなさんが、素敵な音楽と出会えますように!