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【週刊MASSE】ムーティ&ルイージ・ケルビーニ菅のベートーヴェン「運命」配信

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2026/10/18

週刊MASSE:10月3号

ムーティのベートーヴェン

♪ ベートーヴェン:「コリオラン」序曲&交響曲第5番ハ短調

( Apple Music ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)

 

ひさびさに「ベートーヴェンを聴いた」という感覚につつまれる録音です。

イタリアの巨匠リッカルド・ムーティ(Riccardo Muti, 1941 ナポリ – )はコンサートでは多くベートーヴェンをとりあげている指揮者ですが、いざ録音となると、不思議とフィラデルフィア管弦楽団との全集くらいしか録音が出ていません。

 

近年でいえば、第九の初演200年を記念したウィーン・フィルとのライヴが配信で出たくらいです。

( Apple Music のみの独占配信で聴けます➡【2025年】クラシック音楽サブスクはApple Music Classicalがいちばんお薦め)

このウィーン・フィルとの第九が、近年のムーティの和声的な音楽作りが見事に結晶となった録音だとすると、今回のケルビーニ管弦楽団との5番は、もっとずっと若々しい、猛々しい表情になっています。

 

ルイージ・ケルビーニ管弦楽団というのは、ムーティが設立した、イタリアの若手音楽家たちによるオーケストラ。

 

このオーケストラを指揮するときのムーティは、なにをやるにしても、比較的ストレートな音楽運びをする印象があります。

おそらく、意識的にそうしているのだと思います。

若手音楽家たちの呼吸、その勢いを尊重しているのでしょう。

 

このベートーヴェン・アルバムも、とてもストレートで、あのイタリアの伝説的指揮者アルトゥーロ・トスカニーニ(Arturo Toscanini, 1867-1957)の伝統を感じさせるものになっています。

とくに驚いたのが第4楽章のテンポの速さ。

もちろん、古楽系の指揮者たちはもっとずっと速いテンポを設定することはありますが、ムーティがこんなに前のめりなテンポを設定するとは思いませんでした。

 

実はこの録音、いつのものなのか明記されていないのでわからないのですが、おそらくしばらく前の、ライヴ録音ではないかと想像しています。

それくらいテンションが高いですし、ムーティが前に前に音楽を押し進めているのがわかります。

 

ベートーヴェンを聴いて、こんなに素直にわくわくするのは久しぶりの感覚で、間違いなく、ムーティのベートーヴェン録音として、傑作の部類に入ると思います。

これをライヴで聴けた聴衆は幸せです。

 

ただ、この録音、ちょっと注意点もあります。

「RMMUSIC」とあるので、Riccardo Muti Musicというムーティの直接の関係団体がリリースしたようですが、ところどころ雑音やノイズが入りますし、第3楽章と第4楽章が切れていたり、雑なつくりが目立ちます。

いちばん可笑しいのは、拍手をカットするためなのか、最後の和音が鳴り終わるやいなや、無理やりフェイドアウトさせられています。

 

こういったように、録音クオリティがひじょうに大雑把。

イタリア人らしい、おおらかさが出ているようですが、これだけの出来映えのものをもったいない、誰かが修正してくれたらと思います。

アルバム名に『 Symphonic Masterworks, Vol.1 』とあるので、今後、ほかの有名曲も追加されていくのだと思います。

このコンビで、ベルリオーズの幻想交響曲やドヴォルザークの「新世界」なども演奏していたはずなので、楽しみに待ちたいと思います。

期待の大きなシリーズが始まりました。

 

井上喜惟さん&マーラー祝祭オーケストラの注目公演

以前、「なぜこんな凄い指揮者がアマチュア・オケで仕事を…?~マーラー祝祭オーケストラを聴いて」という記事でご紹介した井上喜惟さん&マーラー祝祭オーケストラが年末12/27に公演を行うようです。

マーラー:交響曲第4番ト長調
R.シュトラウス:4つの最後の歌
R.シュトラウス:組曲『ばらの騎士』から&第3幕フィナーレ

という、全曲、声楽が入る興味深いプログラムになっています。

当然、マーラーが聴きものなわけですが、今回はそれと同時に、R・シュトラウスの声楽作品、しかも年末に「ばらの騎士」のフィナーレが聴けるというのは、実に美しいプログラムになっていると思います。

ただ、これはあくまでアマチュア・オーケストラの公演ですので、その点はご注意ください。

指揮者の井上喜惟さんについても、以前の記事をごらんください。

◎井上喜惟さん&マーラー祝祭オーケストラによる、美しいプログラムの公演
◎コンサートに通いなれたひとほどお薦めの公演です。
◎初心者向け度:★★☆☆☆

 

 

何だかんだおすすめの千葉交響楽団ニューイヤーコンサート

千葉交響楽団が山下一史さんの指揮で、2027年もニューイヤーコンサートをおこないます。

ウィーンに行かずとも、最上のシュトラウス演奏のひとつは千葉県で聴けます。

声楽作品がかならずプログラムされるところも素晴らしく、これで、アンコールで着ぐるみやチアリーダーが出てきての野球の応援歌をやるという恒例行事さえなければ、もっとずっと声を大にしてお薦めしたい公演なのですが。

千葉ロッテマリーンズを応援しているクラシック・ファンの方は何の問題もなくお楽しみいただけます。

◎ウィーンに行かずとも、最上のシュトラウスは千葉県でも聴くことができます。
◎プログラムも声楽作品がうまく配置され、言うことなしです。
◎初心者向け度:★★★★☆
※アンコールだけ、ご注意ください。

 

➡初めて聴く「千葉交響楽団」ニューイヤーコンサート2023~ポルカ演奏が絶品~

 

MASSE(まっせ)

クラシック音楽を長く聴き続けています。コンサートにも足を運び、良かった演奏も、期待外れだった演奏も、自分の耳で聴いて感じたことを大切に書いています。「自分なら本当に聴きたいか」を基準におすすめ公演やレビューを発信しています。クラシック音楽ブログArtoneMagアートーンマグは2021年5月スタート、2023年4月に月間86,000pv到達。感想など「お問い合わせ」ページから送ってください。

 

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