【祝】2022年10月、指標にしていた月間30,000PV到達しました。ありがとうございます!
クラシック音楽のコンサートはもともと発売時期もいろいろですし、昨今はコロナ禍とウクライナ情勢で、情報公開がとてもゆっくりになっています。
ですので、このページは随時更新をしていきます。
どうぞ、ときおりご覧になってください。
初心者に体験していただきたい、本格的なクラシック・コンサートを選んでご紹介していきます。
こちらでは2023年の2月をご紹介していきます。
そのほかの月はそれぞれ別ページに記載していますので、『コンサートに行こう!お薦めの演奏会』のページから移動をおねがいします。
Contents
- 1 曲目ではなく、演奏者で選ぶのがクラシック・コンサート
- 2 主観で選んでいます
- 3 初心者の方へのアドバイス
- 4 お願い
- 5 2月のおすすめコンサート
- 6 🔰広上淳一 指揮 日本フィルハーモニー交響楽団(東京)
- 7 井上道義 指揮 日本フィルハーモニー交響楽団(東京)
- 8 高関健 指揮 東京シティ・フィルハーモニック(東京)
- 9 マティアス・バーメルト指揮 札幌交響楽団(北海道・東京)
- 10 マティアス・バーメルト指揮 札幌交響楽団(北海道)
- 11 クァルテットインテグラ(愛知)
- 12 🔰鈴木秀美(Vc&指揮) 神戸市室内管弦楽団(兵庫・東京)
- 13 ユベール・スダーン指揮 九州交響楽団(福岡)
- 14 ユベール・スダーン指揮 兵庫芸術文化センター管弦楽団(兵庫)
- 15 🔰カール=ハインツ・シュッツ(Fl) &吉野直子(Hrp) デュオ・コンサート(東京・和歌山・兵庫)
- 16 高関健 指揮 仙台フィル(宮城)
- 17 トン・コープマン オルガン・リサイタル(神奈川・広島)
- 18 トン・コープマン チェンバロ・リサイタル(埼玉・兵庫)
- 19 小林研一郎 指揮 群馬交響団(群馬・東京)
- 20 ヨスコア・プロジェクト2023 ハイドン:天地創造(東京)
- 21 マリアン・コンソート(東京)
- 22 アンナ・ラキティナ指揮 読売日本交響楽団(東京)
- 23 ★ミハイル・プレトニョフ指揮 東京フィル(東京)
- 24 ミハイル・プレトニョフ ピアノ・リサイタル(東京)
- 25 ★山下一史 指揮 愛知室内オーケストラ(愛知)
- 26 小菅優 ピアノ・リサイタル(茨城・翌月に各地で同プログラム有)
- 27 井上喜惟 指揮 マーラー祝祭オーケストラ(神奈川)
- 28 🔰小林研一郎 指揮 大阪フィルハーモニー piano, 松田華音(大阪)
- 29 ドーリック弦楽四重奏団(大阪・愛知・東京)
曲目ではなく、演奏者で選ぶのがクラシック・コンサート
初めてコンサートに行くとなると『モルダウ』や『運命』といった聴いたことがある曲目で選びたくなりますが、そうではなくて、まずは誰が演奏するのかで選びましょう。
わかりやすく例えると、美味しいものが食べたければ、メニューより前に、美味しいお店を探すことが大切なのと同じです。
とはいっても、初心者であればあるほど、演奏者や指揮者の名前なんて知らないと思います。
そこで、このブログでは、クラシック音楽が大好きな私が、あくまで主観的に、自分でもチケットを買いたいと思う、お薦めのコンサート情報を厳選して掲載しています。
場所もクラシック・コンサートが集中する東京、関東、首都圏にこだわらず、北海道、東北、中部、近畿、関西、四国、中国、九州、沖縄まで、自分がそこに住んでいたら「行ってみたい!」と思う、とにかく気になるものを素直にピックアップしています。
主観で選んでいます
判断基準は、あくまでも、自分がこれまで実際に聴いたときの体験などの「主観」にもとづいています。
その分、しがらみや忖度はありません。
クラシックをふだん聴かない方は名前も知らないような演奏家がずらっと並んでいるかもしれませんが、「クラシック音楽と向き合ってみたい!」という方に、多少なり参考になればうれしいです。
初心者の方へのアドバイス
とくに重要なことは、
- いきなり高いチケットを買わない
- 当日券ではなく、前売りで買う
の2点です。
クラシック・コンサート初心者がいきなり高い席を買うのはお薦めしません。
理由は簡単で、クラシックのコンサートはハズレも多いからです。
私は結構コンサートに通っている方だと思いますが、いまだに予想を裏切られて、「つまらなかった…」とがっかりして帰ってくることがあります。
クラシック初心者の方が、そうした「つまらない」コンサートに当たってしまい、「クラシックって、こんなもんか」と思われてしまうのが嫌で、少しでも当たりをひく確率が上がればと、このページを作っています。
また、「前売り」については、一般的には、だいたい3~6か月前くらいにチケットの発売が開始されます。
半年先というとずいぶん先に思えるかもしれませんが、人気の公演はそれでも完売してしまいますし、最後に残るのはたいてい高い席です。
「高いお金を出したのにハズレだった」としたら、二度と行きたくならないのが人情です。
ですので、初めのうちほど、まずは手ごろな価格で、なるべく早めに前売り券を手に入れておきましょう。
こうした話を、「コンサートの選び方&チケットの買い方【初めてのクラシック・コンサート】」というページにまとめています。
さらには、チケットを手に入れたあと初心者の方が気になるであろう、「クラシックコンサートに行くときの服装」のことなどは、「コンサート当日の不安を解消!服は何を着る?持ち物は?【初めてのクラシック・コンサート】」というページにまとめています。
お願い
コロナ禍とウクライナ情勢の影響で、公演の有無をふくめ、コンサートの日時、チケット発売日、曲目の変更、出演者の変更などなど、急な変更が日々いろいろ発生しているのが現状で、個人ではとても追い切れないものがあります。
ですので、こちらのページはあくまで大まかな地図としてお役立ていただいて、詳細は各公式サイト・各プレイガイドで必ず確認をお願いします。
個人で集めている情報ですので、記載ミスなどもあるかもしれません。
その際にはどうぞご容赦ください。
2月のおすすめコンサート
コンサートはだいたいの日付順で掲載しています。
🔰=「曲目もスタンダードで入門に最適」マーク
★=「今月、とくにコレに期待」マーク
青文字=リンク or このブログに関連記事があるものです。
演奏家の写真=関連のあるAmazon商品ページにリンク。著作権上問題のないものを使用しています。
また、このブログではオンライン配信の音源も積極的にご紹介しています。
オンライン配信の聴き方については、「クラシック音楽をオンライン(サブスク定額制)で楽しむ~音楽好きが実際に使ってみました~」のページでご紹介しています。
🔰広上淳一 指揮
日本フィルハーモニー交響楽団(東京)
2月1日(水)14:00@サントリーホール
(公演詳細ページ)
ドリーブ:バレエ組曲《シルヴィア》より 第4曲「バッカスの行進」
ミヨー:《スカラムーシュ》
ピアソラ:《エスクアロ(鮫)》/《オブリビオン(忘却)》/《リベルタンゴ》
(サクソフォーン:上野耕平)
ハチャトゥリヤン:バレエ組曲《ガイーヌ》より
ビゼー:組曲《アルルの女》第2番( ♫鑑賞ガイド )
お薦めPOINT♪
日本を代表する指揮者のひとり、広上淳一さんが指揮する名曲コンサートです。
「剣の舞」で有名な《ガイーヌ》やビゼーの名曲《アルルの女》など、親しみやすい小品がいろいろと演奏されます。
人気サックス奏者の上野耕平さんも登場して、華やいだコンサートになるはずです。
“ たのしい ”コンサートに行ってみたい方にお薦めです。
( Apple Music↑ ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)
井上道義 指揮
日本フィルハーモニー交響楽団(東京)
2/4(土)14:00@府中の森芸術劇場どりーむホール
(公演詳細ページ)
《プロコフィエフ名曲選》
ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ長調 op.19
(Vn, 服部百音 )
バレエ音楽《シンデレラ》より ~井上道義セレクション~
お薦めPOINT♪
《悲運が生んだ奇蹟》と題して、ロシアの大作曲家プロコフィエフ(1891-1953)の作品が特集されます。
特に注目は、後半のバレエ音楽《シンデレラ》抜粋。
ディズニー映画の「シンデレラ」路線を想像すると肩透かしをくらいますが、こちらはいかにもロシアらしい、ほの暗い抒情性に満ちたバレエ音楽になっています。
このコンサートでは、2024年末での引退を表明している指揮者の井上道義さんが登場。
「シンデレラ」は、井上道義さんがセレクションした独自の編纂版が演奏されるそうです。
プロコフィエフの作品、あるいは、バレエ音楽がお好きな方にお薦めしたい公演です。
高関健 指揮
東京シティ・フィルハーモニック(東京)
2/4(土)15:00@ティアラこうとう
(公演詳細ページ)
バルトーク:弦楽のためのディヴェルティメント
モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番ハ長調K.467
(piano, 佐川 和冴)
ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調Op88
お薦めPOINT♪
メインには、チェコの作曲家ドヴォルザークの旋律美がいちばんはっきりと表れている交響曲第8番が置かれています。
第3楽章に一度耳にすると忘れられない美しいメロディーをもち、いっぽう、フィナーレ第4楽章ではフル・オーケストラがエネルギッシュに躍動する、クラシックのなかでも指折りの人気作品です。
そして、この公演は、高関健さんと東京シティ・フィルという、手堅いコンビの演奏会です。
私は2022年に初めてこのコンビの演奏を聴きました( ♪公演レビュー)が、その実直でまじめな音楽づくりにとても好感を持ちました。
この公演では、前回とても印象深かったモーツァルト作品も演奏されます。
フレッシュで、清々しい音楽体験をしたい方にお薦めの公演です。
マティアス・バーメルト指揮
札幌交響楽団(北海道・東京)
2月4日(土)17:00@札幌コンサートホール Kitara
2月5日(日)13:00@札幌コンサートホールKitara
(公演詳細ページ)
2月9日(木)19:00@サントリーホール(東京)
(公演詳細ページ)
武満徹:雨ぞふる
モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲
(Fl, カール=ハインツ・シュッツ
Hrp,吉野直子)
シューベルト:交響曲第8番ハ長調「ザ・グレイト」( ♫鑑賞ガイド )
お薦めPOINT♪
メインは、シューベルトの交響曲第8番「ザ・グレイト」です。
有名な「未完成」のあとに書かれたものの、まともに演奏されないまま埋もれてしまい、シューベルトの死後、大作曲家シューマンがシューベルトの仕事部屋を訪れたときに楽譜を発見、友人で大作曲家&大指揮者だったメンデルスゾーンに初演を依頼して、ようやく、世に知られるようになったというエピソードを持っている傑作です。
シューマンが「天国的な長さ」と絶賛した、クラシックの名曲中の名曲です。
マティアス・バーメルトはスイス出身の名指揮者で、御年80歳。
マニアックな作品の数々の名録音で有名でしたが、札幌交響楽団とのプログラミングを見ていると王道のスタンダードナンバーも多く、ただ、この公演では、冒頭に武満徹(1930-1996)の作品が置かれているのがアクセントになっています。
すでに首席指揮者としての任期を2024年まで延長していて、コンビネーションがうまくいっていることをうかがわせます。
本拠地、札幌での公演のほかに、同じプログラムで東京公演も行われます。
マティアス・バーメルト指揮
札幌交響楽団(北海道)
2/14(火)19:00@六花亭札幌本店 ふきのとうホール
(公演詳細ページ)
ハイドン:交響曲第8番「晩」、第7番「昼」、第6番「朝」
お薦めPOINT♪
上記のコンビによる、ハイドン・コンサートも告知されています。
プログラムされている「朝」「昼」「晩」は、交響曲の父と讃えられているハイドンが、当時仕えていた音楽好きの公爵のアイディアで書いたとされる三部作です。
ハイドンは、番号つきのもので104曲も交響曲があって、後半の作品ほど演奏頻度も高いですが、例外的に、この三部作は今も人気がある作品です。
客席数が200席ちょっとという小ホールで聴くハイドンは、また大ホールで聴くのとはちがった味わいがあるはず。
クァルテットインテグラ(愛知)
2/5(日)14:00@宗次ホール
(公演詳細ページ)
ハイドン:弦楽四重奏曲第59番「騎手」
バルトーク:弦楽四重奏曲第1番
シューベルト:弦楽四重奏曲第13番「ロザムンデ」
お薦めPOINT♪
クァルテット・インテグラ(Vn:三澤響果/菊野凜太郎、Va:山本一輝、Vc:築地杏里)は日本の若手弦楽四重奏団。
まだ実演を聴いていないのであくまで勘ですが、このカルテットは“ 本物 ”なんじゃないかと思っています。
このブログでは、室内楽については、今後、このカルテットを推していくことになる予感がしている期待の音楽家たちです。
🔰鈴木秀美(Vc&指揮)
神戸市室内管弦楽団(兵庫・東京)
2/11(土・祝)15:00@神戸市文化会館
(公演詳細ページ)
2/13(月)19:00@紀尾井ホール
(公演詳細ページ)
モーツァルト:セレナーデ第13番「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」 KV525
モーツァルト:セレナーデ第12番ハ短調「ナハトムジーク」KV388(384a)
シュニトケ:モーツァルト・ア・ラ・ハイドン
プロコフィエフ:交響曲第1番ニ長調「古典」
お薦めPOINT♪
古楽器演奏のパイオニア、鈴木秀美さんが率いる、神戸市室内管弦楽団の公演で、東京公演もあります。
前半にモーツァルト、後半は20世紀の作曲家が古典的な視座にたって作曲した音楽、というように、作品が上手に対比されていて、とても凝ったプログラミングになっています。
いっぽうで、名曲「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」に始まって、プロコフィエフの親しみやすい「古典交響曲」で終わるという、初心者でも無理なく楽しめる構成にもなっています。
室内楽編成のオーケストラで名曲を楽しんでみたい方にお薦めの公演です。
ユベール・スダーン指揮
九州交響楽団(福岡)
2月11日(土・祝)15:00@アクロス福岡シンフォニーホール
(公演詳細ページ)
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番ニ短調
(piano, 三浦謙司)
シューベルト:交響曲第8番ハ長調「グレート」( ♫鑑賞ガイド )
お薦めPOINT♪
メインは、シューベルトの交響曲第8番「ザ・グレイト」です。
現在ではシューベルトの傑作中の傑作とされている作品ですが、シューベルト存命中はまともに演奏されないままで埋もれてしまい、死後、大作曲家シューマンがシューベルトの仕事部屋を訪れたときに楽譜を発見して、指揮者としても有名だった作曲家メンデルスゾーンに依頼して、シューベルトの没後10年して、ようやく初演されたというエピソードを持っています。
この公演では、御年76歳、オランダの名指揮者ユベール・スダーンが登場です。
スダーンは少し存在が地味というか、スター街道を歩んできた指揮者という感じではありませんが、実際には、たいへんな名指揮者です。
シューベルトが完成させた最後の交響曲、作曲家シューマンが“ 天国的な長さ ”と絶賛した傑作交響曲を、どのように展開させるのか、注目の公演です。
ユベール・スダーン指揮
兵庫芸術文化センター管弦楽団(兵庫)
2/17(金)15:00@芸術文化センターKOBELCO
(公演詳細ページ)
2/18(土)15:00@芸術文化センターKOBELCO
(公演詳細ページ)
2/19(日)15:00@芸術文化センターKOBELCO
(公演詳細ページ)
ハイドン:交響曲第6番《朝》
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番ハ短調
(piano, 児玉麻里)
シューベルト:交響曲第8番《ザ・グレイト》( ♫鑑賞ガイド )
お薦めPOINT♪
オランダ出身の名指揮者ユベール・スダーンが登場します。
メインは、上記、九州交響楽団と同じく、シューベルト:交響曲第8番「ザ・グレイト」が選ばれています。
定評のある古典的なプログラムが組まれていて、曲目もどれもお薦めです。
ベートーヴェンでは、ピアノに児玉麻里さんが登場ということで、その点でも、全編聴きどころのコンサートになりそうです。
スタンダードなクラシック作品を、じっくりと味わいたい方にお薦めの公演です。
🔰カール=ハインツ・シュッツ(Fl)
&吉野直子(Hrp)
デュオ・コンサート(東京・和歌山・兵庫)
2/7(火)19:00@東京文化会館 小ホール
(公演詳細ページ)
2/10(金)19:00@和歌山城ホール
(公演詳細ページ)
2/12(日)14:00@兵庫芸術文化センター
(公演詳細ページ)
バッハ:フルートソナタ ト短調BWV1020
フォーレ:シシリエンヌ
ドビュッシー:亜麻色の髪の乙女 など
お薦めPOINT♪
名門ウィーン・フィルのフルート奏者であるカール=ハインツ・シュッツと、世界を代表するハープ奏者のひとりである吉野直子さんのデュオ・コンサート。
いわゆる、名曲コンサートのような選曲になっていて、クラシック音楽の名曲をいろいろと聴くことができます。
また、『ロメオとジュリエット』『道』など映画音楽で有名な作曲家ニーノ・ロータの「フルートとハープのためのソナタ」、それから、R・シュトラウスの歌曲もプログラムに入っていて、ただの名曲コンサートに終始していないのもさすがのプログラム。
超一流のソリストたちの共演を体験できるコンサートです。
高関健 指揮
仙台フィル(宮城)
2/17(金)19:00@日立システムズホール仙台・コンサートホール
2/18(土)15:00@日立システムズホール仙台・コンサートホール
(公演詳細ページ)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
(piano, 小山 実稚恵)
ショスタコーヴィチ:交響曲第10番ホ短調
お薦めPOINT♪
大作が並べられた、かなり重量級のプログラムです。
後半の作品の作曲家ドミトリー・ショスタコーヴィチ(1906-1975)は、ソビエト時代のロシアの大作曲家で、スターリンから圧力をかけられながらも独自の芸術を形作りました。
交響曲第10番は1953年に書かれ、スターリンが他界したあと、最初に発表された交響曲です。
複雑な内容を持っていますが、ショスタコーヴィチの全15曲の交響曲のなかで、第5番などと並んで、特に人気がある作品のひとつです。
指揮の高関健さんは、とても実直でまじめな指揮をされる方。
彼が、このショスタコーヴィチの10番という大作とどう向き合うのか。
ショスタコーヴィチの交響曲が、また生々しいリアリティを持って響く時代になってしまいました。
トン・コープマン
オルガン・リサイタル(神奈川・広島)
2/18(土)14:00@ミューザ川崎
(公演詳細ページ)
2/21(火)18:45@エリザベト音楽大学セシリアホール(広島)
(公演詳細ページ)
J.S.バッハ:前奏曲とフーガ ハ短調 BWV 546
J.S.バッハ:バビロン川のほとりに BWV 653
J.S.バッハ:パッサカリア BWV 582 ほか
お薦めPOINT♪
名オルガニスト・名チェンバリストにして名指揮者のトン・コープマンの来日が予告されています。
御年78歳、バロック音楽の権威です。
以前、オルガン・リサイタルを実演で聴いたときに、演奏会後、たまたまどこか他の場所へ移動するコープマンとすれ違ったのですが、そのときの彼の目、大きく見開かれて、活力が溢れ出ているかのような強い眼光は、未だに忘れられません。
川崎公演では、2/16(木) 19:00~「トン・コープマンのバロック音楽談義 Vol.3」という企画も開催予定のようです。
トン・コープマン
チェンバロ・リサイタル(埼玉・兵庫)
2/19(日)15:00@所沢ミューズ・キューブホール
(公演詳細ページ)
2/23(木・祝)14:00@神戸新聞松方ホール
(公演詳細ページ)
バッハ:パルティータ第3番・平均律クラヴィーア曲集第2集から
フローベルガー、ブクステフーデの作品、
バッハ:フランス組曲第5番
お薦めPOINT♪
上でご紹介したトン・コープマン、こちらの公演ではチェンバロを披露します。
チェンバロのリサイタルというのは、そもそもそこまで多いわけではないですし、こうした世界的名手の公演となると数が非常に限られます。
この繊細な楽器に興味がある方には、とてもお薦めの公演です。
トン・コープマンについては、「コロナ禍での音楽~黒いマスクで光を求めた、やわらかで輝かしいバッハの名演奏をYouTubeで」という記事のなかでもご紹介しています。
小林研一郎 指揮
群馬交響団(群馬・東京)
2/18(土)15:00@サントリーホール
(公演詳細ページ)
2/19(日)16:00@高崎芸術劇場
(公演詳細ページ)
《オール・チャイコフスキー・プログラム》
ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op35
(Vn, 神尾真由子)
交響曲第6番ロ短調Op74《悲愴》
お薦めPOINT♪
大作曲家ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1893)が「私は、この交響曲に自分の魂のすべてを注ぎこみました」と手紙に書いたという、交響曲第6番「悲愴」がメインに置かれています。
交響曲はふつう華やかなフィナーレを持っていますが、この曲は「悲愴」という題名の通り、非常に深刻な表情をもった、遅いテンポのフィナーレを持っていて、最後には消え入るように曲が終わっていきます。
チャイコフスキーは、この曲を初演した9日後にコレラで急死。
「悲愴」という題名の音楽を発表した直後ということもあって、その突然の死はいまも様々な憶測を呼んでいます。
この公演では、群馬交響楽団の桂冠指揮者になった小林研一郎さんが登場。
《悲愴》交響曲は、まさにこうした冬の時期に聴きたい音楽。
濃厚で、劇的な、そしてカンタービレに溢れた名演奏が期待されます。
ただ、当たりはずれのある名指揮者なので、どちらが出るかは本番までわかりません。。。
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ヨスコア・プロジェクト2023
ハイドン:天地創造(東京)
2/19(日)14:00@東京オペラシティ
(公演詳細ページ)
ハイドン:オラトリオ「天地創造」
お薦めPOINT♪
オラトリオ「天地創造」は、フランツ・ヨーゼフ・ハイドン(1732-1809)が番号付きだけでも100曲以上ある交響曲群を書き終わったあとに、自身の芸術の集大成であるかのように作曲したオラトリオの傑作。
その題名のとおり、天地の創造について第1日目から順に物語られる、大規模な、宗教的内容をもつ音楽です。
「オランダ・バッハ協会」という名門アンサンブルを35年にわたって率いた、指揮者ヨス・ファン・フェルトホーフェンが、日本で5年に渡るプロジェクトを開始します。
今後5年間で、ハイドン:天地創造、メンデルスゾーン:エリア、ブラームス:ドイツ・レクイエム、モーツァルト:大ミサ曲ハ短調&バッハ:マニフィカト、バッハ:ヨハネ受難曲という、宗教合唱曲の大作をとりあげるそうです。
彼のもとに結成されるのが、100名から成るアマチュア合唱団、「ヨス・ファン・フェルトホーフェン合唱団」(通称ヨスコアとのこと)。
オーケストラは、2021年に結成されたばかりのレ・ヴァン・ロマンティーク・トウキョウ。
オランダ古楽界の重鎮が、日本で展開する興味深いプロジェクトの第1弾、ハイドン:オラトリオ「天地創造」に注目です。
マリアン・コンソート(東京)
2/20(月)14:00@豊洲シビックセンターホール
2/21(火)19:00@東京文化会館小ホール
(公演詳細ページ)
ウィリアム・バード「4声のミサ曲」などのア・カペラ作品
お薦めPOINT♪
マリアン・コンソートという、イギリスの若手ア・カペラ・グループ6名の初めての来日公演。
このブログで中心的にあつかっているクラシック音楽より前の、ルネサンス期の合唱作品のコンサートです。
こちらのアルバム「 SINGING IN SECRET 」に収録された作品などが歌われます。
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アンナ・ラキティナ指揮
読売日本交響楽団(東京)
2月22日(水)19:00@サントリーホール
(公演詳細ページ)
エレナ・ランガー:歌劇「フィガロの離婚」組曲(日本初演)
エスケシュ:ヴァイオリン協奏曲(日本初演)→ベルク:ヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出に」
(Vn, ルノー・カプソン)
チャイコフスキー:交響曲第1番ト短調「冬の日の幻想」
お薦めPOINT♪
大作曲家マーラーの未亡人アルマ・マーラーが、建築家ヴァルター・グロピウスと再婚してもうけた娘マノンが、18歳の若さで急死。
マノンをとても可愛がっていた大作曲家アルバン・ベルク(1885-1935)は、この訃報に際し、マノンのことを想って「ある天使の想い出に」と献辞をつけたヴァイオリン協奏曲を書きあげました。
こうしたエピソードもあいまって、ベルクの作品のなかでは非常に演奏頻度の高い作品ですが、ただ、12音技法という作曲技法でつくられていて、決して親しみやすい音楽というわけではありません。
初心者のかたは注意してください。
指揮台には、ヨーロッパを中心に活躍している、女性指揮者アンナ・ラキティナが登場します。
男性中心だった指揮の世界も女性の活躍が目立ってきていて、彼女はその若手世代の最前線にいる方。
プログラムがかなり凝っていて初心者向けではありませんが、ヨーロッパの最前線を体験したい方にお薦めの公演。
プログラム変更で、ヴァイオリン協奏曲がベルクの傑作「ある天使の思い出に」に変わりましたが、フランスの名手ルノー・カプソンのベルクというのは、やはり楽しみです。
カプソンには、この曲のウィーン・フィルとの共演盤があります。
( Apple Music↑ ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)
★ミハイル・プレトニョフ指揮
東京フィル(東京)
2/22(水)19:00@東京オペラシティ
(公演詳細ページ)
2/24(金)19:00@サントリーホール
(公演詳細ページ)
2/26(日)15:00@オーチャードホール
(公演詳細ページ)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番《皇帝》
(piano, イム・ユンチャン)
チャイコフスキー:マンフレッド交響曲
お薦めPOINT♪
メインは、ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1893)円熟期の番外の交響曲「マンフレッド交響曲」です。
チャイコフスキーの交響曲というと、第4番~第6番「悲愴」が後期3大交響曲としてクラシックの人気作品になっていますが、その第4番と第5番のあいだに書かれたのが、このちょっと変わった立ち位置の交響曲です。
イギリスのバイロンが書いた、破滅的な内容をもつ長編詩「マンフレッド」にもとづいた標題音楽で、チャイコフスキーの描く、デモーニッシュでドラマティックな音の物語を体験できる作品です。
指揮は、ロシア出身の名ピアニストにして名指揮者のミハイル・プレトニョフが登場します。
私は2022年に、『カルメン組曲』&『白鳥の湖』抜粋のコンサートで、この方の指揮者としての素晴らしさを再確認しました(♪公演レビュー)。
現在のロシア政府と一定の距離を置き続けているせいで、自身が創設したロシア・ナショナル管弦楽団の指揮者を解任されたのではという憶測がされているプレトニョフですが、2023年もロシアの音楽をメインに据えています。
今、チャイコフスキーの『マンフレッド交響曲』という、人間の苦悩を描いた作品をとりあげるあたり、彼の芸術家としての審美眼を感じます。
2023年の様々な公演のなかでも、特に期待の公演のひとつです。
( Apple Music↑ ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)
ミハイル・プレトニョフ
ピアノ・リサイタル(東京)
2月28日(火) 19:00@東京オペラシティ
(公演詳細ページ)
スクリャービン:24の前奏曲 Op. 11
ショパン:24の前奏曲 Op. 28
お薦めPOINT♪
指揮者として東京フィルの指揮台に立つプレトニョフは、今回はピアニストとしてリサイタルも告知されました。
現在は指揮活動のほうが目立つプレトニョフですが、若き日にチャイコフスキー・コンクールで頂点に輝いて、それ以降、何より世界最高のピアニストのひとりとして活躍してきたひとです。
円熟期をむかえているのか、芸風が落ち着いてきた印象のプレトニョフ。
スクリャービンとショパンの24の前奏曲をならべたこのプログラムで、いったいどのような芸術を展開するのでしょうか。
( Apple Music↑ ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)
★山下一史 指揮
愛知室内オーケストラ(愛知)
2/23(木・祝)14:00@三井住友海上しらかわホール
(公演詳細ページ)
パリー:イギリス組曲 ト長調
シューベルト:アルペジョーネ・ソナタ イ短調 D821(弦楽合奏版)
(va, アミハイ・グロス)
バルトーク:舞踏組曲 Sz.77
プロコフィエフ:交響曲第1番 ニ長調 作品25「古典」
お薦めPOINT♪
刺激的なプログラムを展開している、山下一史さん&愛知室内オーケストラ(楽団の公式HP)の公演。
シューベルトの名曲、アルペジオーネ・ソナタでは、名門ベルリン・フィルのヴィオラ奏者アミハイ・グロスが登場。
こうした室内楽の名曲の編曲版をはさむあたり、そして、冒頭のイギリスの作曲家パリーの作品といい、プログラミングのセンスの良さが光ります。
締めには、プロコフィエフの親しみやすい古典交響曲が置かれていて、まさに、万人が楽しめるような、幅広い客層に向けた絶妙なプログラミングになっています。
2023年シーズンも、愛知室内オーケストラは注目公演の連続です(公式HP)。
2022年12月リリース「シューマン:交響曲第2番 山下一史&愛知室内オーケストラ」Amazon
小菅優
ピアノ・リサイタル(茨城・翌月に各地で同プログラム有)
2/26(日)@水戸芸術館
(公演詳細ページ)
J.S.バッハ:ソナタ BWV963
ベートーヴェン:選帝侯ソナタ第2番 ヘ短調 WoO47-2
プロコフィエフ:ピアノソナタ第1番 ヘ短調
ブラームス:ピアノソナタ第3番 ヘ短調
お薦めPOINT♪
日本を代表するピアニストのひとり、小菅優さんのリサイタル。
ブラームスの3番をメインに据えた、堂々たるプログラミングです。
『小菅優リサイタルシリーズ第1回』と銘打たれているので、水戸芸術館で連続でリサイタルが組まれていくのかもしれません。
じっくりとピアノ作品に向き合いたい方にお薦めです。
3月には、全国各地で同じプログラムの公演が予告されています。
井上喜惟 指揮
マーラー祝祭オーケストラ(神奈川)
2/26(日)@ミューザ川崎
(公演詳細ページ)
ラフマニノフ:交響詩《死の島》
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第4番
(piano, 秋葉敬浩)
ハチャトゥリアン:交響曲第2番《鐘》
お薦めPOINT♪
これはアマチュア・オーケストラの公演で、曲目を含め、初心者向けではありません。
コンサートにそれなりに通っておられる方、クラシック玄人の方にこそお薦めしたい公演です。
指揮者の井上喜惟さんが描き出す、対位法の信じがたい調和、抑制と均衡から生まれる多層的な音楽を体験してください。
🔰小林研一郎 指揮
大阪フィルハーモニー
piano, 松田華音(大阪)
2/26(日)14:00@ザ・シンフォニーホール
(公演詳細ページ)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調
チャイコフスキー:交響曲 第6番 ロ短調 「悲愴」
お薦めPOINT♪
これは、指揮者、オーケストラ、ソリスト、そして、ポピュラーな曲目と、どれもが揃ったお薦めのコンサート。
ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番は、ピアノ協奏曲の代名詞とも言える名曲のひとつ。
その濃厚なロシア・ロマンティシズムを、小林研一郎さんの指揮と松田華音さんのピアノの共演で聴ける期待の選曲。
さらには後半、コバケンさんお得意のチャイコフスキーからは第6番《悲愴》が選ばれていて、プログラムは言うことなしのコンサート。
あとはもう、演奏者がその期待に応えられるかどうか、それだけです。
( Apple Music↑ ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)
ドーリック弦楽四重奏団(大阪・愛知・東京)
2/26(日)15:00@ザ・フェニックスホール
(公演詳細ページ)
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第11番ヘ短調「セリオーソ」
ハイドン:弦楽四重奏曲ニ長調op.50-6
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第12番変ホ長調op.127
3/5(日)14:00@宗次ホール
(公演詳細ページ)
3/7(火)19:00@紀尾井ホール
(公演詳細ページ)
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第2番ト長調op.18-2
ベルク:弦楽四重奏曲 op.3
スメタナ:弦楽四重奏曲第1番ホ短調《 わが生涯より》
3/9(木)19:00@サントリーホール(小ホール)
(公演詳細ページ)
<河村尚子サントリー音楽賞受賞記念コンサート>
シューマン:ピアノ五重奏曲変ホ長調Op44ほか
お薦めPOINT♪
こちらの公演については、3月のページであわせてご紹介しています。
♫ほかの月については、「コンサートに行こう!お薦め演奏会」ページからおねがいします。
♫クラシック音楽にまつわるTシャツ・トートバッグなどをリリースしています。