【祝】2022年10月、指標にしていた月間30,000PV到達しました。ありがとうございます!
クラシック音楽のコンサートはもともと発売時期もいろいろですし、昨今はコロナ禍とウクライナ情勢で、情報公開がとてもゆっくりになっていますので、このページは随時更新をしていきます。
どうぞ、ときおりご覧になってください。
「クラシックを聴きはじめたけれど、コンサートにはいったことがない」というようなクラシック初心者にこそ体験していただきたい、本格的なクラシック・コンサートを厳選していきます。
こちらでは2023年の1月をご紹介していきます。
そのほかの月はそれぞれ別ページに記載していますので、『コンサートに行こう!お薦めの演奏会』のページから移動をおねがいします。
Contents
- 1 曲目ではなく、演奏者で選ぶのがクラシック・コンサート
- 2 主観で選んでいます
- 3 初心者の方へのアドバイス
- 4 お願い
- 5 1月のおすすめコンサート
- 6 クァルテット・インテグラ(東京)
- 7 🔰下野竜也 指揮 九州交響楽団 ニューイヤーコンサート(福岡)
- 8 🔰山下一史 指揮 広島交響楽団 松田華音(piano) ニューイヤーコンサート(広島)
- 9 🔰★尾高忠明 指揮 大阪フィル(大阪)
- 10 🔰尾高忠明 指揮 大阪フィル(京都)
- 11 🔰小林研一郎 指揮 ハンガリー国立フィル(東京・福岡・愛知・神奈川・大阪)
- 12 カーチュン・ウォン指揮 日本フィルハーモニー交響楽団(東京)
- 13 トゥガン・ソヒエフ指揮 NHK交響楽団(東京・群馬)
- 14 🔰★高関健 指揮 富士山静岡交響楽団 新春富士ニューイヤーコンサート(静岡)
- 15 ファジル・サイ ピアノ・リサイタル(埼玉・東京・福岡)
- 16 ★ユベール・スダーン指揮 東京佼成ウインドオーケストラ(東京)
- 17 ダグラス・ボストック指揮 オオサカ・シオン・ウィンド・オーケストラ(大阪)
- 18 ★松田華音 ピアノ・リサイタル(栃木)
- 19 🔰尾高忠明 指揮 大阪フィルハーモニー(大阪)
- 20 大友直人 指揮 東京交響楽団(神奈川)
- 21 牧野時夫 指揮 北海道農民管弦楽団(北海道)
曲目ではなく、演奏者で選ぶのがクラシック・コンサート
初めてコンサートに行くとなると『モルダウ』や『運命』といった聴いたことがある曲目で選びたくなりますが、そうではなくて、まずは誰が演奏するのかで選びましょう。
わかりやすく例えると、美味しいものが食べたければ、メニューより前に、美味しいお店を探すことが大切なのと同じです。
とはいっても、初心者であればあるほど、演奏者や指揮者の名前なんて知らないと思います。
そこで、このブログでは、クラシック音楽が大好きな私が、あくまで主観的に、自分でもチケットを買いたいと思う、お薦めのコンサート情報を厳選して掲載しています。
場所もクラシック・コンサートが集中する東京、関東、首都圏にこだわらず、北海道、東北、中部、近畿、関西、四国、中国、九州、沖縄まで、自分がそこに住んでいたら「行ってみたい!」と思う、とにかく気になるものを素直にピックアップしています。
主観で選んでいます
判断基準は、あくまでも、自分がこれまで実際に聴いたときの体験などの「主観」にもとづいていて、その分、しがらみや忖度はありません。
クラシックをふだん聴かない方は名前も知らないような演奏家がずらっと並んでいるかもしれませんが、「クラシック音楽と向き合ってみたい!」という方に多少なり参考になったらうれしいです。
初心者の方へのアドバイス
とくに重要なことは、
- いきなり高いチケットを買わない
- 当日券ではなく、前売りで買う
の2点です。
クラシック・コンサート初心者がいきなり高い席を買うのはお薦めしません。
理由は簡単で、クラシックのコンサートはハズレも多いからです。
私は結構コンサートに通っている方だと思いますが、いまだに予想を裏切られて、「つまらなかった…」とがっかりして帰ってくることがあります。
クラシック初心者の方が、そうした「つまらない」コンサートに当たってしまい、「クラシックって、こんなもんか」と思われてしまうのが嫌で嫌で、少しでも当たりをひく確率が上がればと、このページを立ち上げています。
また、「前売り」については、一般的には、だいたい3~6か月前くらいにチケットの発売が開始されます。
半年先というとずいぶん先に思えるかもしれませんが、人気の公演はそれでも完売してしまいますし、最後に残るのはたいてい高い席です。
「高いお金を出したのにハズレだった」としたら、二度と行きたくならないのが人情です。
ですので、初めのうちほど、まずは手ごろな価格で、なるべく早めに前売り券を手に入れておきましょう。
こうした話を、「コンサートの選び方&チケットの買い方【初めてのクラシック・コンサート】」というページにまとめています。
さらには、チケットを手に入れたあと初心者の方が気になるであろう、「クラシックコンサートに行くときの服装」のことなどは、「コンサート当日の不安を解消!服は何を着る?持ち物は?【初めてのクラシック・コンサート】」というページにまとめています。
お願い
コロナ禍とウクライナ情勢の影響で、公演の有無をふくめ、コンサートの日時、チケット発売日、曲目の変更、出演者の変更などなど、急な変更が日々いろいろ発生しているのが現状で、個人ではとても追い切れないものがあります。
ですので、こちらのページはあくまで大まかな地図としてお役立ていただいて、詳細は各公式サイト・各プレイガイドで必ず確認をお願いします。
個人で集めている情報ですので、記載ミスなどもあるかもしれません。
その際にはどうぞご容赦ください。
1月のおすすめコンサート
コンサートはだいたいの日付順で掲載しています。
🔰=「曲目もスタンダードで入門に最適」マーク
★=「今月、とくにコレに期待」マーク
青文字=このブログに関連記事があるものです。予習などにお役立てください。
演奏家の写真=関連のあるAmazon商品ページにリンク、著作権上問題のないものを使用しています。
また、このブログではオンライン配信の音源も積極的にご紹介しています。
オンライン配信の聴き方については、「クラシック音楽をオンライン(サブスク定額制)で楽しむ~音楽好きが実際に使ってみました~」のページでご紹介しています。
クァルテット・インテグラ(東京)
1/6(金)19:00@サントリーホール(小ホール)
(公演詳細ページ)
ハイドン:弦楽四重奏曲第74番 ト短調「騎手」
ラヴェル:弦楽四重奏曲 ヘ長調
バルトーク:弦楽四重奏曲第6番
1/28(土)14:00@第一生命ホール
(公演詳細ページ)
べートーヴェン:弦楽四重奏曲 第1番 ヘ長調 Op.18-1
バルトーク:弦楽四重奏曲 第1番 Sz.40 BB52
ブラームス:弦楽四重奏曲 第1番 ハ短調 Op.51-1
お薦めPOINT♪
クァルテット・インテグラ(Vn:三澤響果/菊野凜太郎、Va:山本一輝、Vc:築地杏里)は日本の若手弦楽四重奏団。
実演を聴いてからこのページに載せようと思っていたのですが、なかなか都合がつかないのでご紹介を先に。
実演を聴いていないのであくまで勘ですが、このカルテットは“ 本物 ”なんじゃないかと予想しています。
オーケストラではノットと東京交響楽団を推しているこのブログですが、室内楽については、今後、このカルテットを推していくことになる気がしています。
🔰下野竜也 指揮
九州交響楽団
ニューイヤーコンサート(福岡)
1/7(土)17:00@北九州芸術劇場
(公演詳細ページ)
1/8(日)15:00@北九州芸術劇場
(公演詳細ページ)
パッヘルベル/カノン
J.シュトラウスⅡ/喜歌劇「こうもり」より“伯爵様、あなたの様な方は”
(soprano, 鈴木 玲奈)
J.シュトラウスⅡ/ワルツ「美しく青きドナウ」 ほか
お薦めPOINT♪
日本を代表する指揮者のひとり、下野竜也さんが九州交響楽団のニューイヤーコンサートを指揮します。
曲目はまだ一部しか発表されていませんが、パッヘルベルの「カノン」がプログラムされているところに惹かれました。
この曲、現在は活躍中の指揮者があまりレパートリーに入れない傾向のある名曲で、下野竜也さんのような、かなり玄人好みのプログラムを組む方が取り上げるのは意外で、期待がふくらみます。
とても誠実な指揮をされる方なので、新年早々、とても素敵な名曲コンサートになるはずです。
🔰山下一史 指揮
広島交響楽団
松田華音(piano)
ニューイヤーコンサート(広島)
1月7日(土)15:00@広島文化学園HBGホール
(公演詳細ページ)
J.シュトラウスⅡ:喜歌劇「こうもり」序曲
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調
ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調
お薦めPOINT♪
ピアノ独奏に松田華音さん(公演レビュー)、指揮に山下一史さんが登場してのニューイヤーコンサートです。
ニューイヤーっぽいのはシュトラウス作品だけかもしれませんが、どれも爽やかさのある人気作品なので、新年早々に聴くのにちょうどいいと思います。
それから、これは広島交響楽団さんの関係者の方がご覧になってたらなんですが、演奏会ごとに独立したページがあったほうが探しやすく、且つ、見やすいと思います。
ホームページをリニューアルされるときがありましたら、是非お願いします。
🔰★尾高忠明 指揮
大阪フィル(大阪)
1/9 (月) 15:00@フェスティバルホール
(公演詳細ページ)
スッペ:喜歌劇「軽騎兵」序曲
J.シュトラウスⅡ世:ポルカ「狩り」
レハール:ワルツ「金と銀」
ヨゼフ・シュトラウス:ポルカ「憂いもなく」
J.シュトラウスⅡ世:ポルカ「クラップフェンの森で」
J.シュトラウスⅡ世:ワルツ「ウィーンの森の物語」
エルガー:行進曲「威風堂々」第4番&第1番
シベリウス:組曲「カレリア」~ 第3曲 “行進曲風に”
ラヴェル:ボレロ( ♫鑑賞ガイド )
お薦めPOINT♪
尾高忠明さんと大阪フィルによる、これ以上ないくらい楽しそうな曲目がならんだニューイヤーコンサートです。
しっかりエルガーが入っているあたりは、イギリスで活躍された尾高忠明さんの面目躍如たるところだと思います。
とっても楽しい時間が約束されているようなプログラミング。
クラシック初心者の方にも安心してお薦めできる演奏会です。
🔰尾高忠明 指揮
大阪フィル(京都)
1/12 (木) 19:00@宇治市文化センター
(公演詳細ページ)
芥川也寸志:交響管弦楽のための音楽
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲
(Vn, 金川真弓)
ドヴォルザーク:交響曲 第9番「新世界より」
お薦めPOINT♪
尾高忠明&大阪フィルのコンビによる、京都でのニューイヤーコンサート。
新年にふさわしく、ドヴォルザークの傑作「新世界から」が選曲されています。
そのまえには、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲ですから、「名曲コンサート」といってもいいかもしれません。
冒頭に芥川也寸志(芥川龍之介の三男で日本を代表する作曲家)の「交響管弦楽のための音楽」が置かれているのも魅力的。
2楽章構成で、陰影のある第1楽章につづいて、第2楽章では推進力溢れるエネルギッシュな音楽が展開される名作です。
🔰小林研一郎 指揮
ハンガリー国立フィル(東京・福岡・愛知・神奈川・大阪)
1/16(月)19:00@サントリーホール
1/17(火)19:00@サントリーホール
(公演詳細ページ)
1/18(水)19:00@アクロス福岡
(公演詳細ページ)
1/19(木)@愛知県芸術劇場
1/21(土)@鎌倉芸術館
(公演詳細ページ)
1/22(日)@ザ・シンフォニーホール
ドヴォルザーク:交響曲第9番《新世界から》
チャイコフスキー:交響曲第5番 など
お薦めPOINT♪
炎のマエストロこと、小林研一郎さんがとりわけ深いつながりを持っているオーケストラのひとつ、ハンガリー国立フィルと公演を行います。
御年82歳の小林研一郎さんは、現在のトレンドである、透明感のある、スッキリとした演奏スタイルとは逆行する、深くて、劇的な音楽を信条とする、近年では他に求めがたい音楽を展開している指揮者です。
ただ、なかなか難しいところがあって、2022年の春に聴いたときには(日本フィルとのシューマン&ブラームス、東京交響楽団とのドヴォルザークのレビューを別ページに書いています)、こんな凄い指揮者をしばらく聴かずに過ごしていたのを後悔したくらいでしたが、秋に別の公演を聴きに行ってみると、今度は別人のようにメリハリを欠いて、すっかり弛緩した演奏に終始してしまっていました。
つまり、公演によって、出来不出来のムラがとても大きいようです。
各公演では、ドヴォルザークの《新世界から》やチャイコフスキーの交響曲第5番など、お得意のレパートリーが選曲されたようですので、ハンガリーのオーケストラの底力で、良い方のコバケンさんの芸術が見事に発揮される公演を期待したいです。
チケットの価格も、昨今の海外オーケストラのなかでは良心的価格です。
当たりはずれが読めないものの、当たれば、新年早々忘れがたい公演になるはずです。
カーチュン・ウォン指揮
日本フィルハーモニー交響楽団(東京)
1/20(金)19:00@サントリーホール
1/21(土)14:00@サントリーホール
(公演詳細ページ)
伊福部昭:シンフォニア・タプカーラ
バルトーク:管弦楽のための協奏曲
1/28(土)17:00@横浜みなとみらいホール
(公演詳細ページ)
1/29(日)14:00@東京芸術劇場
(公演詳細ページ)
〈オール・ラフマニノフ・プログラム〉
ピアノ協奏曲第3番ニ短調
(piano:小菅優)
交響曲第2番ホ短調
お薦めPOINT♪
2023年9月からこのオーケストラのあたらしい首席指揮者になることが決まっている、シンガポール出身のカーチュン・ウォンの登場。
プログラムを見ても、その上昇気流が感じられる意欲的なものばかりです。
伊福部昭の《シンフォニア・タプカーラ》は、映画「ゴジラ」の音楽で有名な伊福部昭(1914-2006)さんの傑作。
この交響曲こそ、日本に生まれた最も優れた音楽のひとつだと私は思っていて、「ゴジラ」よりもこの交響曲をみなさんに聴いてほしいです。
この日は、バルトークの傑作、《管弦楽のための協奏曲》との組み合わせで、“ 民俗 ”色が前面に打ち出されたプログラミングが興味深いです。
いっぽうのオール・ラフマニノフ・プログラムでは、前半に、日本を代表するピアニストの小菅優さんを迎えてのピアノ協奏曲第3番、さらに後半には、交響曲第2番という大曲が組まれていて、前半も後半も聴きどころしかない、注目のプログラミングになっています。
( Apple Music↑ ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)
トゥガン・ソヒエフ指揮
NHK交響楽団(東京・群馬)
1/20(金)19:30@NHKホール
(公演詳細ページ)
1/21(土)14:00@NHKホール
(公演詳細ページ)
ラフマニノフ:幻想曲『岩』
チャイコフスキー:交響曲第1番ト短調『冬の日の幻想』
1/25(水)19:00@サントリーホール
(公演詳細ページ)
1/26(木)19:00@サントリーホール
(公演詳細ページ)
1/28(土)14:00@高崎芸術劇場
(公演詳細ページ)
バルトーク:ヴィオラ協奏曲
(va、アミハイ・グロス)
ラヴェル:『ダフニスとクロエ』組曲第1&2番
ドビュッシー:交響詩『海』
お薦めPOINT♪
ロシアの実力派指揮者トゥガン・ソヒエフの登場です。
一連のウクライナ情勢の混乱のなか、彼はロシアのボリショイ劇場のポストとフランスのトゥールーズ・キャピトル管弦楽団の両方のポストを辞任するという決断にいたって話題となりました。
今回の来日では3種類のプログラムが用意されていますが、上記の2公演はまさにそのロシア音楽とフランス音楽をメインにしたものになっています。
私はトゥールーズ・キャピトル管弦楽団を指揮する彼の公演を聴いたことがありますが、知情意のバランスの取れた、実に高水準な音楽を約束してくれる、信頼できる音楽家だと感じています。
チャイコフスキーの『冬の日の幻想』がメインの日は、N響が数年前から始めている少し短めのコンサートで、料金もすこし抑えられています。
ただ、会場のNHKホールは、紅白歌合戦でも使用される、クラシックのには不向きな大きすぎるホール。
このホールの公演を楽しむには、とにかく前の方の席を買うしかありませんので、注意してください。
一方のラヴェルとドビュッシーがメインの日は、サントリーホールですので問題はないのですが、それゆえに人気が高く、一般発売の時点では高い席しか残っていません。
この日の前半には、ハンガリーの大作曲家バルトークの遺作「ヴィオラ協奏曲」を、名門ベルリン・フィルの首席ヴィオラ奏者アミハイ・グロスが弾くということで、プログラムもソリストも申し分ないコンサート。
N響は魅力的な公演があっても、実際に聴きに行こうとすると留意すべき条件がいろいろ出てくるので、実に悩ましいかぎりです。
高崎公演のような、地方公演が意外とねらい目だったりします。
( Apple Music↑ ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)
🔰★高関健 指揮
富士山静岡交響楽団
新春富士ニューイヤーコンサート(静岡)
1/22日(日)14:30@富士市文化会館ロゼシアター 大ホール
(公演詳細ページ)
モーツァルト:歌劇「魔笛」序曲
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第21番 ハ長調 K.467
(piano、松田 華音)
J.シュトラウス2世:
喜歌劇「ジプシー男爵」序曲
「アンネン・ポルカ」
ポルカ「百発百中」
ワルツ「芸術家の生涯」
「チック・タック・ポルカ」
喜歌劇「騎士パズマン」より“チャールダーシュ”
ワルツ「ウィーンの森の物語」
お薦めPOINT♪
比較的あたらしいオーケストラ、富士山静岡交響楽団のニューイヤーコンサート。
「ニューイヤーコンサート」と題されたコンサートでは、基本的に、「美しき青きドナウ」などで有名なヨハン・シュトラウスの一族の作品がメインに演奏されます。
これは、音楽の都ウィーンにある名門ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団が、シュトラウス一族のワルツを集めたニューイヤーコンサートを元旦に行うことから広まりました。
日本でも、この種のコンサートは、この時期、いろいろなところで開催されます。
この富士山静岡交響楽団については、何といっても、指揮に高関健さん、ピアノのソリストに松田華音さんを迎えているところがお薦めのポイント。
高関健さんは2022年に遅ればせながら初めて実演を聴いて(公演レビュー)、その実直で、誠実な音楽づくりから、彼が比較的若いオーケストラから絶大な信頼を得ている理由がとてもよくわかりました。
ニューイヤーコンサートらしい、シュトラウスの数々の名作を、良心的な指揮者と進境著しいオーケストラのコンビで聴ける、たのしみなコンサートです。
ファジル・サイ
ピアノ・リサイタル(埼玉・東京・福岡)
1/28(土)14:00@所沢ミューズ(埼玉)
(公演詳細ページ)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番「月光」
シューベルト:ピアノ・ソナタ第19番 ハ短調 D.958
ドビュッシー:≪ベルガマスク組曲≫
ラヴェル:≪鏡≫
1/29(日)15:00@すみだトリフォニー
(公演詳細ページ)
1/31(火)19:00@アクロス福岡
(公演詳細ページ)
シューベルト:ピアノソナタ 第19番
J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲
お薦めPOINT♪
トルコ出身の異才ピアニスト、ファジル・サイによるリサイタル。
Jazz風のトルコ行進曲や《春の祭典》の多重録音で有名になった、異端のピアニスト的な彼も、来日時はすでに52歳。
個性的で、天衣無縫な独自の音楽づくりが、年齢とともに成熟の度合いを増しているはずで、それは今回のプログラミングにもあらわれているように思います。
( Apple Music↑ ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)
★ユベール・スダーン指揮
東京佼成ウインドオーケストラ(東京)
1/28日(土)14:00@なかのZERO 大ホール
(公演詳細ページ)
R.シュトラウス:13管楽器のためのセレナード 変ホ長調
F.チェザリーニ:アルプスの詩
R.シュトラウス(M.ハインズレイ 編):交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」
R.シュトラウス(酒井 格 編):歌劇「ばらの騎士」組曲
お薦めPOINT♪
コンサートにいろいろと通っていると、この人はいつ何を聴いても信頼できるひとだなぁと思わせてくれる音楽家に稀に出会えます。
ユベール・スダーンはまさにその一人で、彼のコンサートに行って、終わりまで全部つまらなかったという体験はまだ一度もしたことがありません。
それどころか、必ず1曲はうならされたり、脱帽させられる音楽を味わえています。
そうした現代を代表する名指揮者が、吹奏楽でおなじみの東京佼成ウインドオーケストラの指揮台にあがります。
吹奏楽の世界で有名なチェザリーニ作品を、R・シュトラウスの傑作ではさんだ選曲、さらには、前半にはオリジナル、後半には編曲ものと、よくよく練られたプログラムになっていて、期待がふくらみます。
ダグラス・ボストック指揮
オオサカ・シオン・ウィンド・オーケストラ(大阪)
1/28(土)14:00@ザ・シンフォニーホール
(公演詳細ページ)
《オール・ホルスト・プログラム》
吹奏楽のための第1組曲
吹奏楽のための第2組曲
バッハ-ジーグ風フーガ(BWV577による)
2つの無言歌 作品22-第2曲「行進の歌」
組曲「惑星」 全曲
(chor, 相愛大学声楽アンサンブル )
お薦めPOINT♪
オオサカ・シオン・ウィンド・オーケストラ(旧 大阪市音楽団)による、オール・ホルスト・プログラム。
吹奏楽の古典的傑作、組曲第1&2番の両方がとりあげられるほか、“木星(ジュピター)”がとびぬけて有名な組曲『惑星』については、声楽もしっかり導入されて全曲演奏とのこと。
イギリス出身の指揮者ダグラス・ボストックによる、ホルスト尽くしのプログラムです。
吹奏楽ファン、さらには、ホルストをもっとよく知りたいひとにお薦めの公演です。
★松田華音
ピアノ・リサイタル(栃木)
1/29(日)15:00@宇都宮市文化会館
(公演詳細ページ)
スクリャービン:2つのマズルカOp.40
スクリャービン:2つの詩曲Op.32
スクリャービン:ワルツ変イ長調Op.38
チャイコフスキー:18の小品Op.72~第2番「子守歌」、第3番「穏やかなおしかり」、第8番「対話」
ラフマニノフ:楽興の時Op.16 第4番、第5番、第6番
チャイコフスキー:ピアノ・ソナタOp.37
お薦めPOINT♪
ロシアで頭角を現して、ドイツ・グラモフォンという、クラシック界の権威のようなレコードレーベルからCDを出している松田華音さんの公演。
三重県のワンコインコンサートに出演したりと、東京以外での地方公演も積極的にこなされている印象がうれしいかぎりです。
プログラムは、以前このブログで公演レビューを載せたときと同じ、オール・ロシア・プログラムです。
一見、あまりに知らない曲が多くて敬遠されるかもしれませんが、特にチャイコフスキーのグランドソナタはそうそう出会えないような素晴らしい演奏を聴くことができるはずです。
( Apple Music↑ ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)
🔰尾高忠明 指揮
大阪フィルハーモニー(大阪)
1/29(日)14:00@ザ・シンフォニーホール
(公演詳細ページ)
ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調「運命」( ♫ 鑑賞ガイド )
R・シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」
お薦めPOINT♪
日本を代表する指揮者のひとり、尾高忠明さんが手兵の大阪フィルと行うコンサートです。
ベートーヴェンの「運命」という誰でも知っている名曲を、その存在感がいっそう強まっている尾高さんがどのように指揮するのか注目されます。
後半のR・シュトラウス「英雄の生涯」は、雄大であるうえに繊細なオーケストラ・コントロールが求められる音楽で、まさに尾高さんにぴったりな音楽。
堅実でありながらも、躍動的な演奏が楽しめるはずです。
大友直人 指揮
東京交響楽団(神奈川)
1/29(日)14:00@ミューザ川崎
(公演詳細ページ)
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲
(piano、上原彩子)
エルガー:交響曲第2番変ホ長調
お薦めPOINT♪
『威風堂々』や『愛の挨拶』といった名曲で有名なエルガーには、交響曲が2曲あります。
どちらも名曲ですが、残念ながら、イギリス以外ではそこまで頻繁には演奏されません。
日本人指揮者のなかでは珍しくイギリス音楽に造詣が深い大友直人さんが、その交響曲第2番を披露します。
“ 大英帝国の夕映え ”を描いているのではとされる抒情的な名作を、ここ日本で「生」で体験できる、貴重なコンサート。
そして、オーケストラはジョナサン・ノットとユベール・スダーンのもとで上昇気流にある東京交響楽団ですから、言うことはありません。
牧野時夫 指揮
北海道農民管弦楽団(北海道)
1/29(日)@北広島市芸術文化ホール(花ホール)
(公演詳細ページ)
ドボルザーク:序曲「謝肉祭」
ヴァンハル:コントラバス協奏曲
(CB:鈴木 初)
ブラームス:交響曲第4番ホ短調
お薦めPOINT♪
こちらはアマチュア・オーケストラの公演で、しかも、私はまだ実演を聴いたことがありません。
主催であり指揮者をされている牧野時夫さんが、「農業が土を耕す行為であれば、音楽は心を耕す行為である」というモットーのもと、宮沢賢治の理想を実現させた、農家のひとたちによるオーケストラです。
私はずっと前にテレビのドキュメンタリーで知ったオーケストラで、北海道に行ったら絶対に聴いてみたいオーケストラです。
“ 理想 ”がはっきりとあるという点で、オーケストラの原点を感じさせる存在であり、あまり小ぎれいになることなく、“ 土 ”の音をいつまでも聴かせてほしい楽団です。
♫ほかの月については、「コンサートに行こう!お薦め演奏会」ページからおねがいします。
♫クラシック音楽にまつわるTシャツ・トートバッグなどをリリースしています。