【祝】2022年10月、指標にしていた月間30,000PV到達しました。ありがとうございます!
クラシック音楽のコンサートはもともと発売時期もいろいろですし、昨今はコロナ禍とウクライナ情勢で、情報公開がとてもゆっくりになっています。
なので、このページは随時更新をしていきます。
どうぞ、ときおりご覧になってください。
初心者に体験していただきたい、本格的なクラシック・コンサートを選んでご紹介しています。
こちらでは2023年の3月をご紹介。
そのほかの月はそれぞれ別ページに記載していますので、『コンサートに行こう!お薦めの演奏会』のページから移動をおねがいします。
Contents
- 1 曲目ではなく、演奏者で選ぶのがクラシック・コンサート
- 2 主観で選んでいます
- 3 初心者の方へのアドバイス
- 4 お願い
- 5 3月のおすすめコンサート
- 6 フィリップ・ジャルスキー &アンサンブル・アルタセルセ(東京)
- 7 山下一史 指揮 大阪交響楽団(大阪)
- 8 ★東京交響楽団メンバーによる モーツァルト・マチネ(神奈川)
- 9 小菅優 ピアノ・リサイタル(茨城・千葉・三重・東京・大分・広島・兵庫)
- 10 ドーリック弦楽四重奏団(大阪・愛知・東京)
- 11 ★レ・ヴァン・フランセ 木管アンサンブル(愛知・千葉・東京・大阪・神奈川)
- 12 小林研一郎 指揮 稲門グリークラブ(東京)
- 13 ★山下一史 指揮 愛知室内オーケストラ(愛知)
- 14 カーチュン・ウォン指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団(大阪)
- 15 井上道義 指揮 九州交響楽団(福岡)
- 16 🔰★川口成彦フォルテピアノリサイタル(香川)
- 17 ★東京・春・音楽祭 &リッカルド・ムーティのイタリア・オペラ・アカデミーin東京2023
- 18 ウラディーミル・フェドセーエフ指揮 NHK交響楽団(兵庫・和歌山・大阪・広島)
- 19 広上淳一 指揮 オーケストラ・アンサンブル金沢(石川・東京)
- 20 準メルクル指揮 兵庫芸術文化センター管弦楽団(兵庫)
- 21 ★上岡敏之 指揮 新日本フィル創立50周年記念(東京)
- 22 ★井上道義 指揮 音楽大学フェスティバル・オーケストラ(東京、神奈川)
- 23 🔰小曽根真(ピアノ) 大植英次 指揮 群馬交響楽団(群馬・長野)
曲目ではなく、演奏者で選ぶのがクラシック・コンサート
初めてコンサートに行くとなると『モルダウ』や『運命』といった聴いたことがある曲目で選びたくなりますが、そうではなくて、まずは誰が演奏するのかで選びましょう。
わかりやすく例えると、美味しいものが食べたければ、メニューより前に、美味しいお店を探すことが大切なのと同じです。
とはいっても、初心者であればあるほど、演奏者や指揮者の名前なんて知らないと思います。
そこで、このブログでは、クラシック音楽が大好きな私が、あくまで主観的に、自分でもチケットを買いたいと思う、お薦めのコンサート情報を厳選して掲載しています。
場所もクラシック・コンサートが集中する東京、関東、首都圏にこだわらず、北海道、東北、中部、近畿、関西、四国、中国、九州、沖縄まで、自分がそこに住んでいたら「行ってみたい!」と思う、とにかく気になるものを素直にピックアップしています。
主観で選んでいます
判断基準は、あくまでも、自分がこれまで実際に聴いたときの体験などの「主観」にもとづいています。
その分、しがらみや忖度はありません。
クラシックをふだん聴かない方は名前も知らないような演奏家がずらっと並んでいるかもしれませんが、「クラシック音楽と向き合ってみたい!」という方に多少なり参考になればと選んでのものです。
初心者の方へのアドバイス
とくに重要なことは、
- いきなり高いチケットを買わない
- 当日券ではなく、前売りで買う
の2点です。
クラシック・コンサート初心者がいきなり高い席を買うのはお薦めしません。
理由は簡単で、クラシックのコンサートはハズレも多いからです。
私は結構コンサートに通っている方だと思いますが、いまだに予想を裏切られて、「つまらなかった…」とがっかりして帰ってくることがあります。
クラシック初心者の方が、そうした「つまらない」コンサートに当たってしまい、「クラシックって、こんなもんか」と思われてしまうのが嫌で、少しでも当たりをひく確率が上がればと、このページを作っています。
また、「前売り」については、一般的には、だいたい3~6か月前くらいにチケットの発売が開始されます。
半年先というとずいぶん先に思えるかもしれませんが、人気の公演はそれでも完売してしまいますし、最後に残るのはたいてい高い席です。
「高いお金を出したのにハズレだった」としたら、二度と行きたくならないのが人情です。
ですので、初めのうちほど、まずは手ごろな価格で、なるべく早めに前売り券を手に入れておきましょう。
こうした話を、「コンサートの選び方&チケットの買い方【初めてのクラシック・コンサート】」というページにまとめています。
さらには、チケットを手に入れたあと初心者の方が気になるであろう、「クラシックコンサートに行くときの服装」のことなどは、「コンサート当日の不安を解消!服は何を着る?持ち物は?【初めてのクラシック・コンサート】」というページにまとめています。
お願い
コロナ禍とウクライナ情勢の影響で、公演の有無をふくめ、コンサートの日時、チケット発売日、曲目の変更、出演者の変更などなど、急な変更が日々いろいろ発生しているのが現状で、個人ではとても追い切れないものがあります。
ですので、こちらのページはあくまで大まかな地図としてお役立ていただいて、詳細は各公式サイト・各プレイガイドで必ず確認をお願いします。
個人で集めている情報ですので、記載ミスなどもあるかもしれません。
その際にはどうぞご容赦ください。
3月のおすすめコンサート
コンサートはだいたいの日付順で掲載しています。
🔰=「曲目もスタンダードで入門に最適」マーク
★=「今月、とくにコレに期待」マーク
演奏家の写真=関連のあるAmazon商品ページにリンク、著作権上問題のないものを使用しています。
また、このブログではオンライン配信のものも多くご紹介しています。
オンライン配信の聴き方については、「クラシック音楽をオンライン(サブスク定額制)で楽しむ~音楽好きが実際に使ってみました~」のページにまとめています。
フィリップ・ジャルスキー
&アンサンブル・アルタセルセ(東京)
3/1(水)19:00@東京オペラシティ
(公演詳細ページ)
モンテヴェルディ、ロッシ、サルトーリオによる《オルフェーオ》
お薦めPOINT♪
フランス出身、現代を代表するカウンターテナー、フィリップ・ジャルスキーが、自身で結成したアンサンブルを率いて来日予定です。
カウンターテナーというのは、女性のアルトの音域を歌う男性歌手のこと。
バロック音楽の最前線の演奏を体験したい方にお薦めの公演です。
( Apple Music↑ ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)
山下一史 指揮
大阪交響楽団(大阪)
3/3(金)19:00@ザ・シンフォニーホール
(公演詳細ページ)
シューマン:「マンフレッド」序曲
シューマン:ピアノ協奏曲イ短調Op54
(piano, 河村 尚子)
メンデルスゾーン:交響曲第5番二短調「宗教改革」( ♫鑑賞ガイド )
お薦めPOINT♪
まん中に置かれているシューマン:ピアノ協奏曲は、数あるクラシックのピアノ協奏曲のなかでも、特に人気の作品です。
冒頭にオーボエが「ドーシーララ C-H-A」で始まる旋律を奏でますが、これは奥さんの名前クララClaraをドイツ音名に変奏させたもの。
シューマンのクララへ寄せる愛が結晶となった、ロマンティックな作品です。
メインのメンデルスゾーン:交響曲第5番「宗教改革」は、爽やかな響きと劇的な構成が特徴な作品で、終楽章に、宗教改革で名高いマルティン・ルター本人が作曲したメロディーが登場します。
近年とくに活躍の目立つ山下一史さんの指揮ですから、シューマンとメンデルスゾーンというロマン派の音楽家たちの情感が感じられるコンサートになるはずです。
ピアノのソリストも、河村尚子さんですから、曲目・ソリスト・指揮者、どれもが揃ったお薦めの公演。
重すぎない、総じて爽やかなプログラムです。
( Apple Music↑ ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)
★東京交響楽団メンバーによる
モーツァルト・マチネ(神奈川)
3/4(土)11:00@ミューザ川崎
(公演詳細ページ)
モーツァルト:クラリネット五重奏曲 イ長調
チャイコフスキー:弦楽セレナード ハ長調( ♫鑑賞ガイド )
お薦めPOINT♪
土曜日のお昼前におこなわれる、1時間くらいのショートコンサートである、モーツァルト・マチネ・シリーズ。
今回はちょっと珍しい、指揮者なしでの、東京交響楽団メンバーによるアンサンブルの公演です。
1曲目は、クラリネット:近藤千花子、第1ヴァイオリン:小林壱成、第2ヴァイオリン:水谷晃、ヴィオラ:西村眞紀、チェロ:伊藤文嗣という、楽団の首席奏者&コンサートマスターで構成したメンバーでのモーツァルトのクラリネット五重奏曲。
モーツァルトが晩年に書いた傑作で、澄み切った、透明な音楽がこころに残る、室内楽曲の王様のような作品のひとつです。
後半は、チャイコフスキー「弦楽セレナーデ」。
弦楽器の合奏で演奏される音楽で、テレビCMなどでもよく使われるくらい、チャイコフスキーの作品のなかでも特に旋律線が美しい作品です。
音楽監督ジョナサン・ノットとのタッグで快進撃をつづけている東京交響楽団。
指揮者なしでも、“ 東京交響楽団の魅力 ”は発揮されるのか、自発性ゆたかな彼らだけに注目の公演です。
小菅優
ピアノ・リサイタル(茨城・千葉・三重・東京・大分・広島・兵庫)
2/26(日)@水戸芸術館
(公演詳細ページ)
3/4(土)スターツおおたかの森(流山)
(公演詳細ページ)
3/5(日)14:00@三重県文化会館
(公演詳細ページ)
3/10(金)16:00和光大学ポプリホール鶴川
(公演詳細ページ)
3/12(日)14:00@しいきアルゲリッチハウス・サロン(大分)
(公演詳細ページ)
3/18(土)14:00@ふくやま芸術文化ホール(広島)
(公演詳細ページ)
3/19(日)14:00@兵庫県立芸術文化センター
(公演詳細ページ)
3/23(木)19:00@東京オペラシティ
(公演詳細ページ)
J.S.バッハ:ソナタ BWV 963
ベートーヴェン:選帝侯ソナタ第2番 ヘ短調
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第1番 ヘ短調
ブラームス:ピアノ・ソナタ第3番 ヘ短調
お薦めPOINT♪
日本の実力派ピアニスト、小菅優さんのリサイタル。
同じプログラムのものが、かなり色々な地域でおこなわれるようで、上記はあくまで私が調べられた範囲なので、これら以外の場所でも公演があるかもしれません。
メインのブラームス:ピアノソナタ第3番は、ヨハネス・ブラームス(1833-1897)が残した全3曲のピアノソナタの最後の作品です。
最後といっても、これを書いた時点で、ブラームスはまだ20歳でした。
ピアノ・ソナタというジャンルでは、ブラームスが敬愛していた先輩ベートーヴェン(1770-1827)が生涯にわたって32曲もの偉大なピアノ・ソナタを完成させていて、若きブラームスはそれに続こうとしたのでしょうが、3曲を書いた時点で、このジャンルで自分に成すべきことは残されていないと感じて止めてしまったのかもしれません。
それでも、この第3番はその完成度と内容の高さから、現在でも、ブラームスのピアノ・ソナタのなかで、いちばん多く演奏されています。
小菅優さんは、バッハ、ベートーヴェン、ブラームスというドイツ三大Bで、プロコフィエフをはさんだ、重厚なプログラムを組んでいます。
連続シリーズの第1回で、「若さと意欲に溢れるもの」を選んだそうで、「開花」と名づけられています。
ピアノ芸術を正面から体験したいかたにお薦めの公演。
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ドーリック弦楽四重奏団(大阪・愛知・東京)
2/26(日)15:00@ザ・フェニックスホール
(公演詳細ページ)
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第11番ヘ短調「セリオーソ」
ハイドン:弦楽四重奏曲ニ長調op.50-6
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第12番変ホ長調op.127
3/5(日)14:00@宗次ホール
(公演詳細ページ)
3/7(火)19:00@紀尾井ホール
(公演詳細ページ)
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第2番ト長調op.18-2
ベルク:弦楽四重奏曲 op.3
スメタナ:弦楽四重奏曲第1番ホ短調《 わが生涯より》
3/9(木)19:00@サントリーホール(小ホール)
(公演詳細ページ)
<河村尚子サントリー音楽賞受賞記念コンサート>
シューマン:ピアノ五重奏曲変ホ長調Op44ほか
お薦めPOINT♪
イギリスを代表する弦楽四重奏団のひとつ、ドーリック弦楽四重奏団が来日します。
このジャンルの創始者といっていいハイドン、王様であるベートーヴェンのほか、新ウィーン楽派のベルク、スメタナの自伝的作品《わが生涯より》と、弦楽四重奏曲の古今の名曲がならんでいます。
3/9のサントリーホール公演は、河村尚子さんのサントリー音楽賞受賞記念コンサートへの出演で、シューマンの室内楽の傑作、ピアノ五重奏曲が演奏されます。
★レ・ヴァン・フランセ
木管アンサンブル(愛知・千葉・東京・大阪・神奈川)
3/4(土)15:00@豊田市コンサートホール
(公演詳細ページ)
3/5(日)14:00@千葉県文化会館
(公演詳細ページ)
3/6(月)19:00@東京オペラシティ
(公演詳細ページ)
3/7(火)19:00@文京シビックホール
(公演詳細ページ)
3/9(水)@メイプルホール(大阪)
(公演詳細ページ)
3/11(土)15:00@神奈川県立音楽堂
(公演詳細ページ)
3/12(日)@三鷹芸術文化センター風のホール
(公演詳細ページ)
プーランク/六重奏曲 ほか
お薦めPOINT♪
エマニュエル・パユ(フルート)、フランソワ・ルルー(オーボエ)、ポール・メイエ(クラリネット)、ラドヴァン・ヴラトコヴィチ(ホルン)、ジルベール・オダン(バソン)、エリック・ル・サージュ(ピアノ)の6人による管楽アンサンブル。
メンバー全員がそれぞれの楽器の一流のソリストという、現在、世界の管楽アンサンブルの頂点に君臨している木管アンサンブルです。
こうした編成の作品となると、なかなかメジャーなものが少ないのですが、「メニューより前にお店を選びましょう」の例のごとく、知らない曲ばかりでも、きっと有無を言わさず魅了されるであろう公演。
おそらく、かなりの人気公演になると予想されるので、チケット確保はお早めに。
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小林研一郎 指揮
稲門グリークラブ(東京)
3/12(日)14:00@サントリーホール
(公演詳細ページ)
「月光とピエロ」(堀口大学:作詩 清水脩:作曲)
「さすらう若人の歌」(マーラー:作詞/作曲 福永陽一郎:編曲)
「水のいのち」(髙野喜久雄:作詩 髙田三郎:作曲)
お薦めPOINT♪
グリークラブというのは、男声合唱のこと。
アマチュアですが、とくに早稲田大学のグリークラブは有名で、そのOBが結成している合唱団を、炎のマエストロ小林研一郎さんが指揮するという面白い公演です。
以前にも共演があったようで、これが2回目とのこと。
合唱の名曲《水のいのち》はもちろん、マーラーの《さすらう若人の歌》がプログラムされているのが興味をひかれます。
★山下一史 指揮
愛知室内オーケストラ(愛知)
3/16(木)18:45@三井住友海上しらかわホール
(公演詳細ページ)
シューマン:「マンフレッド」序曲
シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調
(piano, 河村尚子)
メンデルスゾーン:交響曲第3番イ短調「スコットランド」
お薦めPOINT♪
進境著しい愛知室内オーケストラのコンサート。
メインのメンデルスゾーン:交響曲第3番「スコットランド」は、題名の通り、メンデルスゾーンがスコットランドを訪れたときにインスピレーションを得て作曲したもので、メンデルスゾーン最後の交響曲です。
エジンバラの修道院跡をおとずれたときに浮かんだという、もの悲しくも美しい旋律で始まりますが、終楽章では雄大な楽想に発展して、堂々たるフィナーレを迎えます。
音楽監督の山下一史さんの指揮でシューマン&メンデルスゾーンの名曲がならぶプログラムというと、3/3にも大阪交響楽団とのコンビでとても似たプログラムのコンサートがあります。
こちらもピアノ・ソロが河村尚子さんなので、最初から最後まで、どの曲も聴きどころという公演です。
2022年12月リリース「シューマン:交響曲第2番 山下一史&愛知室内オーケストラ」Amazon
カーチュン・ウォン指揮
大阪フィルハーモニー交響楽団(大阪)
3/17(金)19:00@フェスティバルホール
(公演詳細ページ)
3/18(土)15:00@フェスティバルホール
(公演詳細ページ)
ハルトマン/葬送協奏曲
ラヴェル/ツィガーヌ
(Vn, パトリツィア・コパチンスカヤ)
ベルリオーズ/幻想交響曲( ♫鑑賞ガイド )
お薦めPOINT♪
メインは、ベルリオーズ:幻想交響曲という、クラシックのさまざまな作品のなかでも屈指の人気曲です。
これはフランスの作曲家エクトル・ベルリオーズ(1803-1869)が自身の失恋体験をもとに作曲した音楽で、クラシックのさまざまな作品のなかでも、最も破天荒な作品のひとつです。
恋に破れた芸術家がアヘンで自殺を図るものの、致死量には足らずに、奇怪な夢を見るという筋書きで、夢のなかで主人公は恋する人を殺し、ギロチン台で死刑となり、最後には魔女たちの夜会に招かれて狂乱のなかで幕を降ろすという音楽。
青春のさまざまな情感が結晶となったような傑作です。
シンガポール出身、2023年9月に日本フィルの首席指揮者へ就任することが決まっているカーチュン・ウォンが、大阪フィルを指揮します。
メインのベルリオーズの前には、何かと話題のヴァイオリニスト、コパチンスカヤが登場して、反ファシズムの精神で書かれたハルトマン:《葬送協奏曲》、難曲として有名なラヴェル:《ツィガーヌ》を弾く予定。
いろいろ盛沢山な、そして、新しいタイプの演奏家に触れられる公演。
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井上道義 指揮
九州交響楽団(福岡)
3/15(水)19:00@アクロス福岡シンフォニーホール
(公演詳細ページ)
《オール・ショスタコーヴィチ・プログラム》
ロシアとキルギスの主題による序曲
ジャズ組曲 第1番
交響曲第12番ニ短調「1917年」
お薦めPOINT♪
2024年末での引退を表明している井上道義さんの指揮で、得意とするショスタコーヴィチのプログラムが組まれています。
それも、かなり濃いめのショスタコーヴィチ・プログラムで、意気込みのほどがうかがえます。
ショスタコーヴィチの交響曲第12番「1917年」は、その年号の通り、レーニンによるロシア革命を描いた作品です。
ソビエトに対して反体制的な姿勢を持っていたショスタコーヴィチですが、これは体制迎合的な側面がある作品なので、ほかの作品と比べて演奏頻度はとても低いです。
研究者によっては、レーニンを讃える作品を書くことで、スターリンを讃える音楽を書くのを避けていたのだという見解もあって、真相は未だ謎ですが、やはり問題作であることは間違いありません。
全曲、九州交響楽団にとって初めての曲目になるそうで、手あかにまみれていない、新鮮でスリリングな演奏が期待されます。
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🔰★川口成彦フォルテピアノリサイタル(香川)
3月18日(土)18:00@穴吹学園ホール
(公演詳細ページ)
<オール・ショパン・プログラム>
バラード 第1番~第4番
ポロネーズ 第4番 ハ短調 op.40-2
ワルツ 第2番 変イ長調 op.34-1 「華麗な円舞曲」
前奏曲 第15番 変ニ長調 op.24-15 「雨だれ」
夜想曲 第1番 変ロ短調 op.9-1
マズルカ ヘ短調 op.68-4 (遺作)ほか
お薦めPOINT♪
第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクールで第2位になった川口成彦さんによる、オール・ショパン・プログラム。
3/4に東京でのリサイタルを聴いてきましたが、とてもお薦めの公演です。
現代ピアノとはまったく違う、新鮮な美しさに満ちたショパンを体験できます。
曲目はショパンのバラード全曲がプログラム全体にちりばめられた格好になっていて、ワルツ、前奏曲、ノクターンなどの名曲がそこに編みこまれていきます。
ピアノが好きなひと、ショパンが好きなひとにお薦めのリサイタルです。
★東京・春・音楽祭
&リッカルド・ムーティのイタリア・オペラ・アカデミーin東京2023
3月18日(土)〜4月16日(日)
(公演詳細ページ)
音楽祭期間中、注目公演がたくさん行われますが、3月に開催されるコンサートから、特にお薦めのものを以下にピックアップしてみました。
4月の公演については、別のページでご紹介しています。
3/18(土)19:00@東京文化会館
リッカルド・ムーティによる《仮面舞踏会》作品解説
(公演詳細ページ)
3/19(日)15:00@東京文化会館
オラフ・マニンガー・チェロ・リサイタル
(公演詳細ページ)
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ 第3番 イ長調 op.69
ストラヴィンスキー:イタリア組曲
ブラームス:チェロ・ソナタ 第1番 ホ短調 op.38
3/22(水)19:00@東京文化会館
N響メンバーによる室内楽
(公演詳細ページ)
ボッケリーニ:弦楽五重奏曲 ホ長調 G.275
モーツァルト:弦楽五重奏曲 第3番 ハ長調 K.515
ブラームス:弦楽六重奏曲 第1番 変ロ長調 op.18
3/27(月)19:00@東京文化会館
シューベルトの室内楽
(公演詳細ページ)
シューベルト(マーラー編):弦楽四重奏曲 第14番 ニ短調 D810《死と乙女》(弦楽合奏版)
シューベルト:弦楽五重奏曲 ハ長調 D956(弦楽合奏版)
3/28(火)&20(木)18:30@東京文化会館
リッカルド・ムーティ指揮《仮面舞踏会》(演奏会形式/字幕付)
(公演詳細ページ)
お薦めPOINT♪
東京・春・音楽祭のラインナップが発表されました。
まずは、何といっても、イタリアの巨匠リッカルド・ムーティがやってきます。
若々しいムーティですが、御年81歳です。
イタリア・オペラの精髄を伝えるためのアカデミーを連続で開催していて、発表されているものとしてはこれが最終年。
選ばれている作品はヴェルディ:歌劇『仮面舞踏会』で、一般に向けては、ムーティによる作品解説が1回、それから、ムーティ自身が指揮するオペラ公演が2回予定されています。
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ムーティによるオーケストラ・コンサートは、今回はないようで、翌年に予定されているようです。
そのほかは、東京文化会館の小ホールを中心とした室内楽公演に注目のものが多いです。
オラフ・マニンガーは、名門ベルリン・フィルの首席チェリストで、2022年に予定されていたリサイタルが延期されてのものです。
ウラディーミル・フェドセーエフ指揮
NHK交響楽団(兵庫・和歌山・大阪・広島)
3/18(土)19:00@兵庫県立芸術文化センターKOBELCO
(公演詳細ページ)
3/19(日)15:00@和歌山県民文化会館
(公演詳細ページ)
3/20(月)19:00@フェニーチェ堺
(公演詳細ページ)
3/21(火・祝)16:00@呉信用金庫ホール(呉市文化ホール)
(公演詳細ページ)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 作品18
(piano)小山実稚恵
チャイコフスキー:交響曲 第5番 ホ短調 作品64
お薦めPOINT♪
関東では宣伝をみかけないので、見落としていました。
メインのチャイコフスキー:交響曲第5番は、「暗から明へ」というベートーヴェン的な構成を持つ、チャイコフスキーの代表作のひとつであり、現在、もっとも頻繁に演奏されている交響曲のひとつです。
第1楽章のはじめにクラリネットのソロで示される仄暗い主題が、その後のドラマのなかで循環されて、最後の第4楽章では勇壮な主題に姿をかえて響き渡ります。
御年90歳のロシアの名指揮者ウラディーミル・フェドセーエフの来日が予定されているようです。
フェドセーエフは2023年11月にもNHK交響楽団の定期演奏会を指揮することが発表されているので、今年は2回来日するということでしょうか。
フェドセーエフは、近年、テンポがぐっと落ちて、かなり独自の音楽を奏でています。
毎年のように日本に来ていた彼ですが、コロナ禍、さらには、ロシアのウクライナ侵攻で来日公演がとだえていて、無事来日となれば、やはり貴重な公演になります。
広上淳一 指揮
オーケストラ・アンサンブル金沢(石川・東京)
3/21(火・祝)14:00
@石川県立音楽堂コンサートホール
(公演詳細ページ)
3/22(水)18:30@サントリーホール
(公演詳細ページ)
シューベルト:交響曲第5番変ロ長調D485
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調K.218
(Vn, 米元響子)
ベートーヴェン:交響曲第2番ニ長調Op36( ♫ 鑑賞ガイド )
お薦めPOINT♪
オーケストラ・アンサンブル金沢と広上淳一さんという、新しいコンビによる公演。
東京公演では開演時間が19:00ではなく、18:30になっていますのでご注意ください。
この開演時間も東京のコンサートでは新鮮です。
オーケストラのサイズに適した、無理のない編成の作品がえらばれていて、演奏内容に期待が高まります。
特に東京でこのオーケストラを聴く機会はそう多くはありませんので、日本の室内楽オーケストラのパイオニアであるオーケストラ・アンサンブル金沢を聴いてみたい、という方にお薦めの公演です。
準メルクル指揮
兵庫芸術文化センター管弦楽団(兵庫)
3/24(金)15:00@兵庫県立芸術文化センター
(公演詳細ページ)
3/25(土)15:00@兵庫県立芸術文化センター
(公演詳細ページ)
3/26(日)15:00@兵庫県立芸術文化センター
(公演詳細ページ)
ドヴォルザーク:交響詩「水の精」
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調
(Vc, カミーユ・トマ)
R.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」
お薦めPOINT♪
ドイツの実力派、準メルクルが指揮台にあがり、定評のあるR・シュトラウスの作品がメインに選ばれています。
交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」は、映画「2001年宇宙の旅」でも用いられた、たいへん有名な、誰でも一度は耳にしたことがある“ 序奏 ”を持っています。
この曲、序奏こそ壮大なものの、途中からは、ほとんど室内楽的のような展開をみせる作品です。
準メルクルの、オーケストラ・ビルダーとしての腕の見せ処といってもいいプログラムを体験できる公演です。
★上岡敏之 指揮
新日本フィル創立50周年記念(東京)
3/25(土)14:00@すみだトリフォニー
(公演詳細ページ)
ブルックナー:交響曲第8番ハ短調(ハース版)
お薦めPOINT♪
来場者アンケートでリクエストを募ったところ、圧倒的な1位になったというブルックナー:交響曲第8番が演奏されます。
この曲は、長大な交響曲を数多くのこしたブルックナーの代表作のひとつ。
敬虔なカトリック教徒であり、教会オルガニストだったこの大作曲家の、信仰告白のような大作で、全4楽章で演奏に90分前後かかります。
指揮するのは、前音楽監督の上岡敏之さん。
先日、その実演に接しましたが(公演レビュー)、いま新日本フィルを聴くなら、私は上岡敏之さんの指揮する公演を第一にお薦めします。
曲目がとにかく大曲ですので、初心者向けというよりは、ブルックナーの魅力にすでに開眼している方、もしくは、オーケストラで本格的な大曲、それも大河小説のような巨大な音楽をじっくりと体験してみたいという方にお薦めの公演です。
( Apple Music↑ ・ Amazon Music ・ Spotify ・ Line Music などで聴けます)
★井上道義 指揮
音楽大学フェスティバル・オーケストラ(東京、神奈川)
3月25日 (土)15:00@東京芸術劇場
3月26日 (日)15:00@ミューザ川崎
(公演詳細ページ)
ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ『天体の音楽』
伊福部昭:シンフォニア・タプカーラ
ストラヴィンスキー:バレエ音楽『春の祭典』
お薦めPOINT♪
演奏するのは、首都圏にある9つの音楽大学から選抜で編成されるという音楽大学の生徒によるオーケストラ。
それを、2024年末で引退するという井上道義さんが指揮する注目公演。
なんといっても、プログラムが魅力的。
メインのストラヴィンスキーはよくある選曲ですが、その前には熱狂的なフィナーレをもつ伊福部昭の傑作《シンフォニア・タプカーラ》が置かれていて、さらに驚くのは、冒頭にヨーゼフ・シュトラウスの美しいワルツ『天体の音楽』が置かれていること。
全編聴きどころの、大注目の公演です。
🔰小曽根真(ピアノ)
大植英次 指揮
群馬交響楽団(群馬・長野)
3/25(土)16:00@高崎芸術劇場
(公演詳細ページ)
3/26(日)15:00@サントミューゼ
(公演詳細ページ)
武満徹:弦楽のためのレクイエム
ガーシュウィン:ラプソディー・イン・ブルー
(piano, 小曽根真)
ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調『英雄』( ♫鑑賞ガイド )
お薦めPOINT♪
まずいちばんの注目は、有名曲「ラプソディー・イン・ブルー」。
ジャズとクラシック音楽の融合を実現させた、アメリカの天才ジョージ・ガーシュウィンの代表作です。
ジャズピアニストで、クラシック音楽でも活躍なさっている小曽根真さんが登場して、このガーシュウィンの名作を弾きます。
指揮者はアメリカで大活躍した大植英次さん。
エキサイティングな公演を期待したいです。
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♫ほかの月については、「コンサートに行こう!お薦め演奏会」ページからおねがいします。
♫クラシック音楽にまつわるTシャツ・トートバッグなどをリリースしています。